12月12日(日) 同志社大学 vs 朝日大学

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第58回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 3回戦
2021年12月12日 13:00 K.O.
入場者数:2160人 天候:くもり時々晴れ/無風
レフリー:大澤昂平(関東協会)
アシスタントレフリー:山本篤志(日本協会A) / 下田紘朗(関西協会) / 嵯峨慶二(関西協会)
同志社大学 朝日大学
46 FULL TIME 7
24 前半 0
22 後半 7
詳細(日本協会公式)

メンバー表

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マッチレポート

今年度初めてとなる第58回大学選手権の花園での試合は、関西リーグ4位の地元同志社大学(3大会連続53回目)と東海・北陸・中国・四国代表の朝日大学(10大会連続10回目)の戦いとなり、2000人を超える観客が見つめた。同志社は4位に甘んじた関西リーグからどう立て直して選手権に臨むか。11月の試合で八戸学院大学に60-7、福岡大学に36-21と勝利して意気上がる朝日大とのゲームは、朝日のキックオフで幕を開けた。

前半、同志社が縦攻撃と展開を織り交ぜ相手陣で試合を進める中、試合が動いたのは10分。G前5m右ラインアウトからモールを押し込み、最後はHO②西濱悠太が右中間に押さえた。

同志社は同じようにG前ラインアウトからのモール攻撃で41分にHO②西濱が、後半26分にもその西濱に替わった⑯鈴木優輔がトライを決めた。
前半19分、27分、後半30分、40分にラックを起点に展開し、WTB⑭大森広太郎が4トライを重ね、幅広いポジショニングとともに活躍が目を引いた。

前半35分、0-19となりこれ以上離されるわけにはいかなくなった朝日は10L中央で得たPKでWTB⑪ブスバコム・ビーラルナがGを狙うが惜しくも外れた。

後半に入っても同志社が試合を支配する展開になったが意地を見せたい朝日は20分、G前右中間ラックからのこぼれ球をSH⑨鈴木大気が持ち出し右中間にトライを挙げた。

しかし反撃はこれのみ。同志社が圧勝した。
同志社は、朝日のLO⑤シオネ・アフェムイやNo8⑧ワカヴァカ・サムエラらの縦攻撃を抑え切った防御が機能。ゲインを切らせないディフェンスは素晴らしかった。18日の花園での4回戦では関東大学リーグ戦3位の大東文化大学との戦いとなる。

一方、朝日はキックをほとんど使わず縦攻撃に活路を見出す戦略が徹底されていたが、思うような展開に持ち込めなかった。また、スクラム、ラインアウトでも劣勢を強いられた。ラインアウトではマイボールの6回(手元の集計)がすべて失敗したのは痛かった。ハンドリング、キックなどでもミスが出た。「捲土重来」。次回の選手権ではミスをなくして自分たちのラグビーを思う存分展開してほしい。

会見レポート

朝日大学
吉川充監督
ラグビーの聖地花園で、伝統校同志社大学とゲームができ、大変喜ばしく嬉しく思っている。結果は残念だったが、大野キャプテンを中心に最後まで諦めないラグビーを観客の皆さんに観ていただき、1年間頑張ってきた成果と思えるラグビーだった。

大野京介キャプテン
自分達がやって来たことを信じ貫いたが、自分達の強みのスクラムやモールが上手く組めず、ゲームの勝敗が決まってしまった。ゲームとしては負けたが、やってきたことを皆で出し戦うことができた。余裕のあるチームはやはり強いと感じた。

Q:やって来たことができたのはどの部分だったのか。
大野キャプテン
同志社はジャッカルスキル面で強みがあり、自分達はブレイクダウンを1年間練習してきたので相手ジャッカルのコンタクトで勝ちきれたと思う。

Q:ラインディフェンスで良いタックルもあり、どのような意識付けがあったのか。
吉川監督
有名校から来るチームと戦うのは、やり続けないとこの場に来れない。体を張った選手を選らび、拘りを持たないと高校時代に差があるので真摯に取り組むことをキャプテンが言い続け随所に発揮してくれた。

Q:ペナルティでディフェンスにしっかり戻り留学生も一生懸命だった。練習してきた感想を聞きたい。
大野キャプテン
拘りのデェフェンスで、関西リーグの近大と対戦し自分達の未熟差に気付き、組織デェフェンス一丸の意識で取り組んできた。

Q:スクラム、モールが上手くいかなかった部分はどこであるのか。
大野キャプテン
コロナ禍で経験が少ないことが影響しているのか、スクラムには自信があったが対応できなかった。

Q:ゴール前での相手の速い展開の感想を聞きたい。
吉川監督
間合いを持たせると一気に攻められるので相手より速く、相手よりも低く80分間戦ってくれたが未熟なところが綻びとなって点数に表れた。

Q:去年のチームは選手権で逆転負けしたが、今年のチームはどのようにスタートしたのか。
大野キャプテン
最後まで気を緩めず戦い続けることを目標にスタートした。去年は留学生とリーダーで構成してきたが、それでは無理と思いグラウンドに立つ一人一人の意識を高め取り組んできた。

Q:1年生で唯一の出場で、ビッグタックルなども決めていたが感想を聞きたい。
渡部雄大選手
自分の持ち味のハードワークを意識し試合に臨んだが、当たり負けの部分もあった。自身では自由にでき、デェフェンスは抜かれることもなく最高の舞台だった。

Q:1年生の出場だったが緊張はなかったか。
渡部選手
何回も試合を重ねてきて緊張感は少しずつ無くなってきた。

Q:1年ぶりの花園だったが、去年は悔しい思いをし逆転負けしたが、久しぶりの花園はどうだったか。
渡部選手
高校の時、第1グラウンドでコロナの影響により無観客だったが、久しぶりに有観客の中で高揚しラグビーができたと思う。

Q:目標としていた次戦に行けなかったが、来年ここに立つ感想を聞きたい。
大野キャプテン
目標は達成できなかったが、4年生が開けることがここまでできたと思う。理由としては同志社にコンタクトのブレイクダウンで、朝日も負けていなかった。来年も拘りをもって欲しい。

Q:大学選手権の常連校との交流を何らかの形で繋げたい気持ちはあるか。
吉川監督
岐阜の大学だが、関東・関西の監督さんに声をかけていただき試合を多く組んできた。この2年間ほとんど試合ができなく、今年のチームはキャプテンを中心に良かったが、機会を持たせることができずに責任を感じている。


同志社大学
伊藤紀晶 ヘッドコーチ(HC)
今日の試合は80分間を通してタックルやブレイクダウンをすることを掲げ試合に臨み、結果1トライに抑え良かったと思う。

南光希 キャプテン
テーマである自分達のラグビーを80分間継続する点では、後半の入れ替え選手も流れを作ってくれた。関西リーグでの反省点のミスもあり、修正し来週に繋げていきたい。

Q:今年のリーグ戦から観ていてデェフェンスが整備されていたと思うが、どの様に意識付けをされてきたのか。
伊藤HC
去年も取り組んでいたが、デェフェンスで前に出ても足が止まったりしていたこともあり、しっかり前に出ることとデェフェンスの内側も埋めていくことを指示し取り組んできた。

Q:大森選手がWTBで活躍したが、CTBもできるが両ポジションでの可能性を評価してもらいたい。
伊藤HC
彼は足も速いし相手側にとって嫌なタイプで、ステップもキレがあり積極的にボールを持って走って欲しい。

Q:大森選手へ特段のアドバイスをしているのか。
伊藤HC
基本的には任せているが、立ち位置や体の向きとかポジショニングなども伝えたりしている。基本的にアタックは良い部分を持っているので生かせるようにと伝えている。

Q:リーグ戦で3敗したがチームでどの様な話をしたか聞きたい。
南キャプテン
関西リーグでは接戦で勝ちきれなかったが、今日の試合でフォーカスしてきたのは80分間同志社の試合をし続けることで、自信に繋がり今日の試合に臨むことができた。

Q:練習でどの様な意識付けがあったのか。
南キャプテン
細かいスキルの練習でも試合と見立て、最後の練習までミスを少なくしたり全員でしっかり突き詰めたりしてきた。

Q:去年は出場辞退でこの舞台に立てなかったが、その思いを聞きたい。
南キャプテン
去年はリーグ戦もままならなかったり辞退したりしたが、先ず自分達にベクトルを向けフォーカスしてチーム作りをしてきた。

Q:特に先輩から何かあったのでは。
南キャプテン
先輩も試合前に足を運んだりしてくれたので、勝たなければならないと思った。

Q:怪我で外れた和田選手の状態を聞きたい。
伊藤HC
ランニングとかはやっているので状態をみて、良ければ試合に出れると思う。

Q:来週に間に合うか。
伊藤HC
火曜日、水曜日に様子をみて判断することになると思う。出られない状態ではないと思っている。

Q:来週は関東のチームと対戦するが、来週の戦い方を聞かせて欲しい。
伊藤HC
同志社がやって来た前に出るデェフェンスとブレイクダウンをしっかりしてチームに勢いをつけたいと思う。課題の部分では細かいミスが出てきているのでアタックの部分では意識して臨みたい。

Q:本日、4トライの活躍だったが、振り返っての感想を聞きたい。
大森広太郎選手
今日のトライは、チームのディフェンスからのトライでチームのトライだと思っている。

Q:ディフェンスがしっかりしていて、バックスとしてどう観ていたか。
大森選手
大学選手権の舞台で緊張ぎみだったが、後半自分達のデェフェンスができるようになってからリズムが作れたと思う。

Q:去年は無念の出場辞退だったが、今年の思いを聞かせて欲しい。
大森選手
去年の先輩方の分も背負って初戦をプレーした。

Q:緊張とかプレッシャーは無かったか。
大森選手
チームの中で、大舞台に若干ふわふわした空気があったが試合の中で立ち返れた。

Q:ポジション的に今起用されているウイングとセンターにどちらが慣れているのか。
大森選手
高校、大学とセンターでやってきて、ここ数試合ウイングの起用だがセンターはボールタッチも多く自分のプレーができると思うが、練習の中でウイングも深まってきてプレーヤーの枠が増えたと思う。

Q:ウイングとしての考え方は、伊藤HCやコーチ陣からどのようなアドバイスを受けているのか。
大森選手
伊藤HCからはスペースを観て呼び込めと、常に周りを観て判断し内側の選手に声を掛けている。

Q:リーグ戦3節から積み重ねてきたが、パフォーマンスの感想を聞きたい。
稲吉渓太選手
春に怪我をしてそこから4か月ぐらいで復帰し、3節から出させてもらい試合感が戻らなかったが、立命館戦から今日までの戦いで段々と試合感が戻ってはきている。

Q:途中で13番に変わったが、どの様に思ったか。
稲吉選手
自分の強味はフィジカルで、関学戦でセンターに入り感覚が戻ってきた感じだった。

Q:春の怪我の部位は。
稲吉選手
右足首の骨折と靭帯断裂だった。

Q:春は天理に勝っていてどの様な気持ちで観ていたか。
稲吉選手
天理戦2週間前、京産戦の骨折で入院し屋上でユーチューブ配信で観ていた。優勝したが自分がそこにいない悔しさと秋はそこに自分が立って優勝する気持ちを強く感じた。

Q:自身にとって大学選手権は最初で最後だが、感想とか自己アピールえを聞きたい。
稲吉選手
負けたら終わりなので、一試合一試合に悔いがないよう自分の力を出しきって全力でプレーしたい。

Q:4年生同期の和田選手が離脱しているが、気持ちの揺れなどはあるのか。
稲吉選手
和田は普段からリーダーシップを取ってくれていて大きな穴ができるのが心配だったが、同期の4年生らが牽引する気持ちになれた。

Q:バックスとして試合に向けどの様な話をしてきたか。
稲吉選手
ブレイクダウンの寄りが遅くターンオーバーされたり、クリーンなボールが出せていないのでアタックブレイクダウンを改善したところとハイボールの練習を強化している。

Q:メンタル面の話し合いはあったのか。
稲吉選手
試合を通してバックスが足を引っ張っていることが多いので、一つ一つのプレーでコミュニケーションを増やしていこうと統一した。

Q:去年の今頃はジュニアで、1年後の試合での活躍は想像できたか。
大森選手
想像はしていなかったが、チームが変わった瞬間から自分の強味を磨こうと思って練習に取り組んでいた。

Q:去年は出場辞退だったが、悔しい場面とかあったのか。
稲吉選手
練習で出られないと話があった時に先輩方の涙する光景が印象にある。

Q:その思いもふまえて大東文化大学、関東勢との戦いになるがどの辺がポイントになるのか。
稲吉選手
大東文化大学にも留学生がいるので、前に出さないよう同志社の強みのディフェンスを強化しバックスも前に出て止めたい。

(文責:大阪府協会、南昌宏)


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