1月25日(日) ワイルドカードトーナメント トヨタ自動車 27-36 NTTドコモ

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1月25日(日) ワイルドカードトーナメント トヨタ自動車 対 NEC

2015年1月25日(日) 14:05キックオフ グラウンド:近鉄花園ラグビー場
レフリー:塩崎公寿 (日本協会A1)
アシスタントレフリー:谷口かずひと / 真継丈友紀 / 関谷惇大
トヨタ自動車
ヴェルブリッツ
NTTドコモ
レッドハリケーンズ
27 FULL TIME 36
10 前半 26
17 後半 10
詳細(TL公式)

◎レポート
ワイルドカードトーナメント1回戦、セカンドステージグループA6位のトヨタ自動車とグループB3位でワイルドカード初出場のNTTドコモの一戦。
ほぼ無風で穏やかな日差しのもと、トヨタ自動車のキックオフで前半が開始された。早々の1分、ドコモはトヨタ自動車のラインアウトミスから一気にゴール前まで迫り、左中間ラックから右展開しアングルをつけて切り込んだ13番CTBパエア・ミフィポセチがいきなり右中間にトライ、ゴールもゲーム・キャプテンFB才口將太が着実に決め0-7と先制する。トヨタ自動車はノックオンなどミスが続き攻撃のリズムが作れない。

7分、トヨタはようやくハーフウェーを超えBK展開、大きくゲインが切れそうに思われたが、ドコモ左WTB茂野洸気がインターセプトし左サイドを70m走り切りポスト左にトライ、ゴールも決まり0-14と点差を拡げる。このまま、ずるずると離される訳には行かないトヨタ自動車は12分にPGを返し3-14と反撃の構え。トヨタ自動車は、ラックにかける人数を最小限に留めディフェンス・ラインを固めるが、ドコモは一瞬集散が早く、次々とラックを支配し、トヨタ自動車ゴール前に迫るも追加点をあげられずに膠着状態が続く。トヨタ自動車は、ようやく33分右中間ラックからの展開でCTB八役大治がラインブレイクし大きくゲイン、最後は7番FL安藤泰洋がポスト左にトライ、ゴールも決まり10-14と点差を詰めにかかる。

しかし直後の35分、ドコモは、ゴール前30m左中間ラックから余裕を持って右展開。№8イオンギ譲がタックルを受けながら右ライン際で右WTB渡辺義己に繋ぎそのまま右隅にトライ。ドコモは、前半終了間際も攻撃の手を緩めず自陣22mLからWTB渡辺が右ライン際を抜け、トヨタ自動車がたまらずゴール前で反則を犯すと№8イオンギ譲が速攻し中央にトライ、自らゴールも決め10-26でハーフタイム。トヨタ自動車は、ディフェンスの修正ができるかどうかが、後半のポイントとなる。

後半、ドコモはキックオフの勢いを駆ってトヨタ自動車陣内深く攻め込み2分、左中間ラックからSH辻埜拓也が左ショートサイドに走り、最後はWTB渡辺がこの日2本目のトライ、ゴールも決まり10-33と大きくリードを拡げると、バックスタンドの赤に染まったドコモ応援席から大きな拍手が起こる。トヨタ自動車は点差を拡げられ動揺の気配は隠せないが、落ち着きを取り戻すように11分ゴール前22m左ラインアウトからBKも参加しモールを押し込み、FL安藤がこの日2本目のトライで15-33、続けて19分も同様のプレーでFL安藤が3本目のトライをあげ22-33と点差を詰めにかかる。

後半の中盤、互いに我慢のしどころを迎え一進一退の攻防が繰り広げられるが、トヨタ自動車はトライチャンスでノックオンを犯すなどし、自らチャンスの芽をつぶす。ドコモは34分途中出場の23番リアン・フィルヨーンがほぼハーフウェー中央から48mのロングPGを決め、22-36と14点差をつけ試合を決めにかかる。トヨタ自動車は逆転に向け攻撃を仕掛け、ようやく38分ヘルドインゴールで得たスクラムから左展開。最後は途中出場の22番スティーブン・イェーツがトライを決め27-36と追いすがるが届かずノーサイド。勝利したドコモは、ワイルドカード2回戦を地元花園で、トーナメントに滅法強いNECと対戦することになった。

(会見ダイジェスト)
トヨタ自動車ヴェルブリッツ 廣瀬佳司 監督
ドコモさんは勢いに乗っているチームなので危機感をもってこの試合に臨んだが、やはり立ち上がりから受けに回ってしまい、前半の失点が大きく、後半に取り返すことができませんでした。リーダーのケガやリーグ戦後半に失速してしまったが、これもチーム力、来期はしっかり立て直して上位を目指し頑張っていきたい。今シーズンもありがとうございました。

杉本晃一 ゲーム・キャプテン
ドコモさんは勢いがあって、捨て身でくるだろうと予想していました。そのために受けずに、トヨタらしくフィジカルに入っていこうとメンバーに話していたが、チームとしてそれが実践できませんでした。

――後半早々に23点も差がついたが、その時点での逆転のシナリオは?
とにかくボールをキープしてアタックをすれば、われわれのフィジカルで前にでるというラグビーができると思っていたので、ボールを持ち続けて前に出ようということでしたが…。

――文字選手の欠場の影響は?
システム的にうちのラグビーをやっているので、そんなに影響はありませんが、やはり、自分たちが受けてしまったこと、これが敗因だと思います。

NTTドコモレッドハリケーンズ 下沖正博 監督
大阪での試合ということで多くのドコモのフアンの皆さまにご来場いただく中で、トップリーグ6位のトヨタさんに勝利することができ、非常に嬉しく思っています。また次戦のNECさんに向けていい準備をして、勝利したいと思います。

――リーグ戦では負けている相手、本日のゲームプランは?
トヨタさんはトップリーグ6位ということであるが、ディフェンス、特にタックル成功率やターンオーバー数が2位という非常にディフェンスのいいチームです。そのチームにどう戦うかということ、リーグ戦では自陣から攻めて自滅をしてしまったこともあり、自陣での時間を少なくして、相手陣で自分たちの形のアタックを継続することをチーム全体に伝えました。それを選手たちは遂行してくれた。選手たちの貢献によって勝つことができた。選手たちに感謝しています。

――シーズンが深まる中でチームの何が変わってきたのか?
選手たちは戦略戦術面を理解はしていたが、やはりそれを実行するスキルや状況判断が足りないことがファーストステージを通じて課題として出た。そこを修正して、スタンダードを落とすことなく日々積み上げてきた。一日一日を大切に取り組んできたことが結果につながっていると思います。

――(昨年は入替戦、今年はトーナメント出場)チームの雰囲気は?
初めての経験で個人的にも緊張感があるし、選手たちもまた違った緊張感の中でゲームに臨んだと思います。そんないい緊張感の中でもリラックスして、あとは自分たちが準備してきたことを出すだけだということで、本当にいい雰囲気で過ごせていると感じています。

才口將太 ゲーム・キャプテン
トーナメントで負ければ終わりという中で、きっちり勝ち切れたのはチームにとっても大きく嬉しく思っています。チャレンジャーという立場で80分間ひたむきに自分たちのラグビーをすることをターゲットにして臨みました。ただ予想はしていたが、相手の強い外国人選手にボールを集められゲインされたことは反省です。NEC戦に向けてディフェンスラインの整備を再度して、次戦もひたむきにチャレンジしていきたいと思います。

――前半の評価は?
グランドを大きく使った自分たちのラグビーが遂行できたこと、自陣からも攻めて相手の綻びを作りそこを突けた。いいサイクルでシステム通りのラグビーができたので、4トライも獲ることができたと思います。

――(昨年は入替戦、今年はトーナメント出場)チームの雰囲気は?
過去3年間の入替戦で絶対に負けられないという状況と比べて今年はプレッシャーの種類が違うが、自分たちは成長できているという感触をつかみながら練習をできているかと思います。負ければ終わりですが、やはり思いっ切りできることを楽しみ、この1週間はシーズンで一番いい練習ができたと感じています。

(記事:山林右二、蜷川善夫、高橋茂治 写真:野口美保、山口勝一 広報担当:村島博)