大会概要
主催
(公財)日本ラグビーフットボール協会
(一社)全国高等専門学校連合会
主管
関西ラグビーフットボール協会
(一社)兵庫県ラグビーフットボール協会
神戸市立工業高等専門学校
全国高等専門学校体育大会ラグビーフットボール競技専門部
後援
文部科学省
兵庫県
神戸市
神戸市教育委員会
読売新聞社
期日
2025年1月4日(土)、5日(日)、7日(火)、9日(木)(4日間)
場所
神戸総合運動公園ユニバー記念競技場・補助競技場
参加チーム
北海道代表1チーム、東北代表2チーム、関東信越・東海北陸代表1チーム、近畿代表1チーム、中国・四国代表2チーム、九州沖縄代表2チーム、開催県代表1チーム(計10チーム)
組み合わせ・結果
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マッチサマリー
1/4(土)1回戦 函館工業高専v豊田工業高専
前半、函館はFWの縦突破とBKのワイドな展開を巧みに使い分け、ゲインをして6分·16分とトライを重ねた。豊田も前半20分過ぎから攻撃のテンポをあげ、22分·34分とトライを奪い、同点で折り返した。
後半は豊田が後半2分に逆転し、その後は両校一進一退の攻防を展開した。20分に豊田が2本目のトライを奪い、また31分に函館がトライを返したが、反撃はここまでとなった。両チームともにミスはあったが、持ち味の出た好ゲームであった。
(文責:小林 敦、門田 卓也)
1/4(土)1回戦 神戸市工業高専v仙台高専広瀬キャンパス
試合開始から神戸が⑧⑨⑩を中心にゲームを進め、FW·BK共に仙台·広瀬に対し接点で圧倒し、前後半ともに7本づつのトライを奪い、試合を決めた。
(文責:小林 敦、門田 卓也)
1/5(日)2回戦 奈良工業高専v佐世保工業高専
前半は奈良がFWの突進からトライを2つ奪い、試合のペースを掴んだ。佐世保は激しいタックルで相手のミスを誘い粘りのディフェンスを見せるが、奈良の早い展開に2トライを追加され防戦一方となった。
後半は奈良がFW·BK一体となった攻撃で7トライを奪い圧勝した。
(文責:朝藤 優、日置 貴之)
1/5(日)2回戦 弓削商船高専VS仙台高専名取キャンパス
仙台高専が18トライを奪い圧勝した。前半からキックを有効に使い敵陣に入り、FWの突進とBKの早いパス回しでトライを量産した。弓削商船は鋭いタックルを連発し対抗したが、人数的な不利もあり仙台の猛攻を止めることは出来なかった。
(文責:日置 貴之、朝藤 優)
1/5(日)2回戦 豊田工業高専VS久留米工業高専
久留米が前半15分に相手ペナルティからPGを決め、直後豊田も相手ペナルティからラインアウトを選びゴール前からのモールで押し込みトライを奪う。その後は久留米がリズムをつかみ26分·33分とトライを決め前半を折り返した。
後半も久留米が敵陣内で攻撃を重ね9分·14分·20分·24分·33分と計5トライを奪い圧倒した。豊田も時折敵陣に入り攻撃をしたが、久留米の好守備とミスもあり得点には繋がらなかった。
(文責:吉識 典史、小林 敦)
1/5(日)2回戦 津山工業高専VS神戸市工業高専
両チーム、FWの縦突破とBKのボールを左右に大きく動かす攻撃で引き締まったゲームの入りとなった。その中で神戸が17分·20分と立て続けにトライを奪い得点を重ねた。津山も前半30分に自陣から敵陣に入り込み、BKでボールをつなぎトライを奪った。
後半開始早々神戸は3分にPGを成功させ、その後も効果的にロングキックで敵陣に入りチャンスを作った。その後は津山が14分にトライを奪い1点差とし、19分に神戸がトライを取り突き放したが、22分に津山がトライとゴールを決め逆転する。
ノーサイドまで両チーム共に規律を守り必死のプレーを繰り広げ、津山が1点差を守り抜き、次戦に駒を進めた。
(文責:小林 敦、吉識 典史)
1/7(火)準決勝 奈良工業高専VS久留米工業高専
強風の中始まったゲーム。開始早々久留米K.O.から奈良が敵陣に持ち込み、2分にトライ。その後も奈良がFWの突破やBKのキックなどを多彩に使い、敵陣でゲームを進め、8分·13分·17分·24分·37分と前半6トライを奪い、前半を大きくリードして折り返した。久留米も相手ペナルティから敵陣に入るも、得点には至らなかった。
後半奈良は風上を有効に利用し、キックで敵陣に入り込み得点につなげた。久留米も必死にタックルをして何度も奈良の攻撃を食い止めたが、ボールを奪うに至らずなかなかチャンスを作ることができなかった。
最終的に奈良が計13トライを奪い、決勝に駒を進めた。久留米もFW·BKともに最後まで必死にプレーしたが、奈良の分厚いDFラインを突破しスコアすることができなかった。
(文責:小林 敦、遠藤 祥)
1/7(火)準決勝 津山工業高専VS仙台高専名取キャンパス
前半、風上の仙台·名取は敵陣に入るとFW·BK共に力強い縦突破からゲームを組み立てた。津山もブレイクダウンでのボール奪取からチャンスを作った。前半10分に仙台は中盤から⑬がDFを抜け出してトライ。その後は津山が敵陣でプレーを続けるも、仙台の鋭いタックルでスコアできなかった。21分に仙台はキックから一気に敵陣に入り2本目のトライ。津山は前半終了間際に我慢強いDFからボールを奪い、1トライを返して前半を終えた。
後半は開始直後仙台⑬が抜け出しトライを奪い、その後は津山が相手ペナルティと風上を生かしたキックで敵陣に入りチャンスを作ったり、仙台も自陣から果敢にアタックして敵陣に入りチャンスを作るが、互いにミスもあり、得点できない時間が続いた。その中19分に敵陣で攻撃をしていた仙台⑫が相手をかわしてトライをあげた。結果、仙台が⑫⑬を中心に攻守ともに素早く強いプレーを続け、合計7トライをあげた。
津山は最後まで全員で規律を守ったプレーを継続したが、惜しくも準決勝で敗退となった。
(文責:小林 敦、遠藤 祥)
1/9(木)決勝 奈良工業高専v仙台高専名取キャンパス
極寒ながら快晴の神戸ユニバー記念競技場。決勝は2年連続で奈良高専と仙台高専名取キャンパスのカードとなった。
序盤、両チームとも積極的な攻撃を試みるが、堅守に阻まれ互角の展開。
風上の奈良高専は14分、ゴール前LOからモールを押し込み、最後はNO.8小泉が右中間にトライ(T)。ゴール(G)不成功も5-0と先制する。鋭い出足のタックルをみせる奈良高専は、なおも16分SO10喜多が抜け出し好機をつくるもケアレスミスでチャンスを潰す。
21分 奈良高専陣22m内から左にブレイクダウンを繰り返す仙台高専は、SO10太田が左隅に飛び込みT。G不成功も5-5と振り出しに戻す。
前半終了間際の仙台高専陣22M付近スクラムから、奈良高専NO.8小泉が大きくゲイン。左へ展開後、外でボールを受けたWTB14中原が左隅にT。G不成功も10-5として折り返す。
後半開始後しばらくは中盤でもみ合う展開も、47分奈良高専の左展開を仙台高専CTB13高橋知輝がインターセプト、そのままポスト下へT。G成功で10-12と逆転する。
直後のキックによるエリアマネジメントを制した仙台高専は、敵陣22m付近でLOチャンスを得るとブレイクダウンの連続で活路を求めるも、奈良高専DFを破れず反則を犯す。
52分中盤から奈良高専SO10喜多が巧みなステップで抜け出しそのままゴール下へT、Gも成功し17-12と再逆転。56分、奈良高専は敵陣ゴール前スクラムから右へ展開、最後はWTB14中原が右隅に今日2本目のTで22-12と突き放すと、仙台高専も62分攻撃的タックルで前に出ると、奈良高専アタックの間隙を突いたWTB14三浦が相手パスをインターセプトし右中間にT。G成功で22-19と猛追する。
同カードで優勝を争った第46回大会では、インジャリータイムで劣勢の仙台高専が大逆転劇を演じたこともあり、ラスト5分強は、両チームにとって積み上げてきた全てを出し切るべく激しい攻防となった。
攻撃は最大の防御とばかりボールキープの安全策を良しとせず、連続攻撃で相手をゴール前に釘付けにする奈良高専と、一穴をも逃すまいと懸命にディフェンスで身体を張りながら反撃の機会をうかがう仙台高専。
相手のミスからラストチャンスを掴んだ仙台高専は、自陣インゴールからサイド攻撃の繰り返しで望みを繋ぐも最後はパイルアップで試合終了。奈良高専の2年連続7回目の優勝が決まった瞬間だった。
(文責:廣島 治)
会見レポート
仙台高等専門学校(名取キャンパス)
柴田 尚都 監督
秋山 大 共同キャプテン(以下、C)
稲妻 勇斗 共同キャプテン(以下、C)
Q 決勝戦を振り返って。
柴田監督
精一杯頑張ったのですが、奈良高専さんの試合巧者の前にこの結果になりました。
秋山C
ディフェンスの接点から圧力を掛けてターンオーバーしてトライを取ろうと考えていました。(仙台高専として)プレッシャーは掛けられましたが、要所要所で(逆に)奈良高専さんの圧力を感じてしまってミスをしてしまい、なかなか取れなかったです。
稲妻C
試合前から接点の部分が勝負だと思っていました。奈良高専さんの鍛え上げられたフィジカルと接点の強さにやられて、そこが試合の決め手になったと思います。
Q 昨年決勝(3-45)から今年は接戦(19-22)になりました。この1年間どのようなトレーニングをされて来ましたか。またその成果はどのように感じられましたか。
柴田監督
1年間特にやってきたのは、フィジカルの部分です。今日の試合では、試合は負けましたが、その成果は出ていたと思います。
秋山C
フィジカルの部分に加えて、組織ディフェンスの部分もあります。特に、ファーストレシーバーにプレッシャーを掛けて、前の部分でタックルに入る事を強化して来ました。要所要所でプレッシャーを掛けられたと思います。
稲妻C
フィジカルの部分を鍛えてきて、フィジカルは間違いなく去年より戦えているという感触はありました。
奈良工業高等専門学校
森 弘暢 監督
野田 和也 キャプテン(以下、C)
山本 莉久 ゲームキャプテン(以下、C)
Q 決勝戦を振り返って。
森監督
仙台高専名取さんの一番の強みであろうフィジカルの部分で、真っ向勝負を挑んでいこうとゲームに入りました。最終的には、それが全てで、1試合を通して接点でのバトルが続いたゲームになりました。学生らしい良い試合が出来たと思っています。
野田C
私自身は怪我があって、決勝の舞台に立つ事は出来なかったですが、今年はスローガンに「一点突破」を挙げていたのですが、それを体現するようなフィジカルバトルの物凄い熱い試合をしてくれて、後輩それと仙台名取さんに感謝します。出れなかった事は悔しいですが、ここまで熱い試合をしてくれて本当に嬉しい気持ちで一杯です。
山本C
今シーズン、フィジカルでここまで来られた事はなかなか経験がありませんでした。その中でも諦めない声がチームの中で出ていて、しんどい所でも頑張る事が出来て、結果勝つ事が出来て嬉しいです。
Q この様な接戦(22-19)はあまり経験がないと思いますが、焦りのような物はなかったですか
山本C
焦りはあったと思います。しかしそれ以上に、チームの中から踏ん張っていこうと声が出ていました。(インターセプトから失点の場面でも)すぐに修正部分を話ししていました。
Q 風の強い中のゲームプランはどの様な物ですか。
山本C
ディフェンスでは、出足をあげて間合いを詰めようと、アタックはFWとBK一体となって縦を取ってから外に回そうとしていました。アタックに関しては、風が強かった事もありますが、相手の圧も強くて、縦縦ばかりになってしまいました。
Q 接戦をイメージをした練習とかはありましたか。
山本C
接戦をイメージすると言うよりも、しんどい中で周りから声を出して盛り上げるということを日頃からやって来ました。
野田C
普段から練習の中でキーワードを決めていますが、しんどくなった時に頭が回らない様な状況の中でも、キーワードを決めて何を意識したら良いか?考えて練習をしてきました。
Q 例えばどの様なキーワードですか。
野田C
ペナルティーが一番良くないという事で、「ノーオフサイド徹底」ハイタックルが厳しくなった事で「ロータックル」「バインド」等を課題として練習してきました。
Q 本日のキーワードはなんでしたか。
山本C
接点で受けない様に「接点で基本立ってプレーする」事をずっと言ってきました。
Q このチームで239回を積み重ねて、最後優勝されましたが、このチームの評価はいかがですか。
森監督
このチームのスローガンは「一点突破」なのですが、その裏にあるのは、熱い気持ちで、気持ちを前面に出す事でチーム力にしていくことが、この5年生の思いでしたので、毎日毎日、熱量の高い練習をしていきたいと考えてやってきました。