マッチレポート
Aグループ1位近鉄、Bグループ2位コカ・コーラの戦い。
ここまで全勝の近鉄に挑むコカ・コーラ、観客の戻ってきたトップチャレンジリーグが、聖地花園でどの様な戦いをするか楽しみな一戦である。
コカ・コーラのキックオフでゲーム開始。
序盤、テンポよく攻めるコカ・コーラは何度も近鉄ゴール手前までボールを運ぶがトライに結びつかず。前半8分、近鉄陣22m付近のラックからCTB⑫トゥクフカ トネが一瞬の隙を突き、ボールを持ち出しそのままトライ。
12分、今度は近鉄がラインアウトからモールを形成し押し込みトライを奪い同点とする。
17分、近鉄がキックしたボールがイレギュラーバウンド。コカ・コーラが処理をもたつく間に近鉄WTB⑭ジョシュア・ノーラが押さえ逆転に成功する。
20分、近鉄のオフサイドからペナルティでコカ・コーラがショットを選択、SO⑩今泉仁がペナルティゴールを成功させ4点差と迫る。
24分、更に近鉄のオフサイドからペナルティを得たコカ・コーラはペナルティゴールを選択、これをSO⑩今泉が確実に決め1点差まで詰め寄った。
迫られた近鉄はこの後、31分にFL⑦ジェド・ブラウン、35分にSH⑨ウィル・ゲニアと立て続けにトライを挙げ引き離しにかかる。
ロスタイムに入った42分SO⑩クウェイド・クーパーが華麗なグースステップからトライ、29-11で前半を折り返した。
後半開始早々2分、コカ・コーラのパスミスからキックで持ち込んだWTB⑭ジョシュア・ノーラがトライし34-11。
その後は近鉄が7分、15分、18分、22分、35分と後半だけで6トライを量産、結局71-11と圧勝した。
序盤こそコカ・コーラのテンポの良い攻めに苦しんだが、最終的には地力の差を見せつけるかたちとなった。
記者会見レポート
コカ・コーラレッドスパークス
向井昭吾監督
先ず、試合が無事出来た事、関係者の皆様に感謝いたします。近鉄に挑む準備をしてきたがミスを重ね、ペナルティを重ね近鉄の9番・10番がプレッシャー無く余裕でプレーし始めると今回のようなゲームになると分かっていたが、それをさせてしまったうちのスキル、ディフェンス力の無さが出てしまった。特に後半はペナルティが多くなりアタックでのミスが多く、相手に付け入る隙を与えてしまった。まだ、試合は続くので修正して次のゲームに臨みたい。
西村龍馬キャプテン
監督も言っていたが最初9番・10番に自由にさせない事を課題にしていたが、終始ボールをキープされ自分達のアタックができず、ずるずるとこのような形になってしまった。あまりいい所は無かったが最後はフェーズが継続出来、次に繋がるラグビーが出来たと思うのでそこを磨いて行きたい。
ウィリアム・トゥポウ選手
このような結果になったことはショックだ、良い準備をしてきたつもりだったが自分たちのミスでこのような結果になってしまった。強いチームにボールを与えてしまい、当たり前の結果だ。
Q:近鉄という大きなターゲットだったと思うが、事前にこれぐらい出来るだろうと思っていた所、戦ってみてギャップなどがあったか?
向井監督
相手を自由にさせると点差が開くと思っていた。前半のようにプレッシャーをかけ続けアタックを継続させボールが繋がっていれば近鉄もミスをしていたので、そこで攻めればという光は見えたかと思う。あとはモールディフェンスが課題でモールを組まれ、ペナルティ、タッチ、ドライビングモール、トライというのをかなりの本数を取られた。これから我々より小さいフォワードはいないと思うので対策を練るのには非常に有難いアタックをしてくれた。
Q:今シーズンはどのような形で進んでいるのか、現在のコンディションについて聞かせて欲しい
トゥポウ選手
この1年はジェットコースターに乗っているような感覚だった。自分はコカ・コーラのために貢献できるように努力している。
近鉄ライナーズ
有水剛ヘッドコーチ
本日のゲームは今シーズン初めての有観客で、それが自分たちのホームである花園で、ゲームに対するマインドセットがうまく出来た。序盤はコカ・コーラのタイトなブレイクダウンとコンタクトにより、自分たちのテンポにはならなかった。しかし、それでも前半をリードして折り返しすことができたのが、後半の自分たちのアタック、ディフェンスにつなげられた要因だ。次節のファイナルは今日の反省を生かし、その後のプレイオフトーナメントに繋げたい。
マイケル・ストーバークゲームキャプテン
全体的な総括となるが、今週はしっかりとしたゲームテーマに基づいてハードな練習をしてきた。80分間最高なパフォーマンスが出来るような準備をすることが出来た。ゲームテーマであるタフチョイスをしっかりと達成できた。
ウィル・ゲニア選手
コカ・コーラは序盤から自分たちのテンポを作るゲームメイクをしてきた。ライナーズとしてはそれをしっかり止めることができたと思う。安易にトライを取り急ぐようなプレーを優先させずに厳しい選択をしながらゲームプランが達成できた。華麗なラグビーをするより近鉄スタイルを優先した。
クウェイド・クーパー選手
本日は良いパフォーマンスが出来たと思う、ゲームプラン通りに少しずつ崩して行く事が出来た。
Q:次節の織機戦に向けてのキーポイントは?
有水ヘッドコーチ
これまでの織機との戦いから、キックでのエリアの取り合い、コンタクト、ブレイクダウンが勝負になってくると思う。ストーバークも言っていたがタフチョイスがここ数ゲームテーマになっており、織機戦でも苦しい状況でどれだけタフなチョイスができるかというのが次節の勝負の分かれ目となると思う。
Q:次節から新入団の選手も試合に出る事が出来ると思うが、フィフィタ選手を使う可能性は?
有水ヘッドコーチ
新入団の選手も練習に参加しており、これまでの経歴は関係なくフラットにセレクションしてその時のベストメンバーで戦いたい。
Q:これからトップリーグのチームと戦う事になり、今までより強度が上がって行くのは良いモチベーションになっているか ?
ゲニア選手
相手が強ければ強いほどモチベーションが上がっていくチームだ。強くなるために常に戦術を磨いており、今日のゲームも強くなっていく近鉄ライナーズを見せられたと思う。これから強いチームと戦うのに更にモチベーションを上げていきたい。
Q:先週の釜石戦に比べ良くなっている所や手応えは?
クーパー選手
釜石戦は気候のこともあり非常に厳しい試合であった。今週は自分たちの課題をしっかりとチームが力を合わせ達成することができた。キックをした時も1人だけのチェイスだけでは無く2~5人がチェイスしラインを上げ、圧力をかけられた。
Q:次節からフィフィタ選手や新入団選手が試合に出場出来るがどのように捉えるか?
クーパー選手
彼らが23人のメンバーに入らないかもしれないが、チームの力になるために一生懸命練習をしている。その力がチームを強くしている。フィフィタやその他の選手も良い準備をしていく準備中だ。今の近鉄は出場してないメンバーも含め全員で強くなるというスコッドメンタリティを持つ文化を作り上げている状態だ。新しく加入する選手も自分は特別な存在とは思わず、自分の役割を果たしチームで近鉄スタイルを貫けば目標を達成出来るはずだ。
(文責:大阪府協会 中村弘人)
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■萩原康夫