マッチレポート
レッドカンファレンスの全勝対決が絶好のコンディションのもと、サンゴリアスのキックオフでスタートした。
サンゴリアスは、ブレイクダウンでプレッシャーをかけボールを奪取、スクラムから攻撃すると中央から左展開しチャンスを作る。
対するヴェルブリッツも、ブレイクダウンにてターンオーバーでボールを奪取し、双方の中盤での攻防が展開される。
ヴェルブリッツは、前半8分、細かいミスを誘い中盤でペナルティーを獲得する。
ショットを選択すると、⑩クロニエが冷静に決めて3-0と先制する。
さらに前半12分、⑦フーパーの見事なジャッカルに、サンゴリアスはボールを離せずペナルティー、⑩クロニエがPGを成功させ6-0とリードを広げる。
対するサンゴリアスは、ラインアウトからの攻撃で徐々に前進、前半14分、ペナルティーを得ると再度ラインアウトモールで前進、⑦マクマーンが左中間にトライ、コンバージョンも成功し7-6と逆転する。
流れを引き戻したいヴェルブリッツは、中盤の攻撃を継続しサンゴリアスの反則を誘う。前半18分、⑩クロニエが正確にPGを沈めて9-7、目まぐるしくスコアが動く。
対するサンゴリアスも、前半21分、ゴール前のラインアウトからピールオフでFWがボールを動かし、最後は⑥ツイヘンドリックが左隅にトライ、12-9として譲らない。
前半26分、ヴェルブリッツ②彦坂のインターセプトからボールを奪うと中央を突破、⑥吉田が抜け出し中央にトライ、コンバージョンも成功し16-12とする。
その後スコアが落ち着き、中盤の攻防が続く。
前半34分、ヴェルブリッツは⑭高橋が危険なプレーで一時退場、ピンチの時間が続くかと思われた直後の前半35分、ターンオーバーからの攻撃を継続すると、アドバンテージを得ながら⑮ルルーが裏へキック、⑫マレ・サウが反応し中央にトライ、23-12と初の二桁差にリードを広げる。
さらに前半終了直前の40分、ヴェルブリッツはPGを成功させ26-12で折り返した。
後半直後は、キックの蹴り合いからスタート。
機会を伺っていたサンゴリアスは、中盤から一気にビックゲイン、左隅に仕留めた様に見えたがノックオン。
それでもサンゴリアスは相手陣でのプレーが続く。
後半4分、サンゴリアスはラインアウトからモールで前進、アドバンテージを得ながら⑩バレットが余裕を持ってキックパス、⑪リーに渡り左隅にトライ、17-26と追い上げる。
勢いのついたサンゴリアスは、後半8分、ラインアウトのルーズボールを獲得し攻撃開始、ハイパントを織り交ぜながら中央を突破すると、最後は⑭中野が走りきり中央にトライ、コンバージョンも成功し24-26と肉薄する。
さらにサンゴリアスは、フロントローを入れ替え逆転の機会を伺う。
悪い流れを切りたいヴェルブリッツは後半11分、ペナルティーを得るとショットを選択、⑩クロニエが沈めて29-24とゲームをコントロールする。
対するサンゴリアスは、⑩バレットが前進すると左に展開、⑨流が左隅に飛び込んだかに見えたが、TMOでその前のブレイクダウンでサンゴリアスのペナルティー、逆転には至らない。
それでもサンゴリアスは、後半23分、中盤ラインアウトから華麗な繋ぎを披露し最後は左中間に⑪リーが抑えトライ、29-29と同点とする。
さらにサンゴリアスは、後半28分、中盤で相手ボールをもぎ取ると大きく前進、最後は⑥ツイヘンドリックが左中間に押し込みトライ、コンバージョンも成功し36-29と逆転に成功する。
選手を入れ替えて追いつきたいヴェルブリッツは、後半36分、相手陣ゴール前から㉒岡田が絶妙のタイミングでパスに合わせ中央にトライ、コンバージョンも成功し36-36とこの時間で同点とする。
その後ヴェルブリッツは、自陣からも懸命に攻撃を継続するがサンゴリアス⑳小澤がジャッカルで攻撃を寸断、ペナルティーを得る。
後半41分、サンゴリアスはショットを選択、⑩バレットが狙う。
蹴られたボールはHポールに当たり、吸い込まれるように収まり成功、39-36の劇的な幕切れでサンゴリアスが勝利を掴んだ。
記者会見レポート
トヨタ自動車ヴェルブリッツ
サイモン・クロンヘッドコーチ(HC)
前半は非常に良かった。後半15 分までにタックルミスなどで流れが相手に行ってしまった。
茂野海人キャプテン
前半は自分たちのプレーができていた。後半最初の入りの部分でブレイクダウンが良くなかった。
高橋汰地選手
課題の残る試合だった。シンビンによってチームに迷惑をかけた。自分の役割、細かい部分を修正していきたい。
Q:残り30秒で攻撃権を獲得したが戦い方は?
サイモン・クロンHC
時間を稼ぐという考えはなかった。相手陣に入ってプレーがしたかった。
Q:後半足が止まったか?
茂野キャプテン
最初のタックルが高かった。ディフェンスの幅も狭くなってしまった。一人一人のメンタルが大事だ。
Q:後半守りきれなかった理由は?
茂野キャプテン
ブレイクダウンの判断や幅をもったディフェンス、最初にしっかりとしたタックルができなかった。
高橋汰地選手
自分の目の前だけ見てしまっている。広い視野を持つことが大事。コミュニケーションの質をあげていく必要がある。
サントリーサンゴリアス
ミルトン・ヘイグ監督
接戦となったがボールがよく動いて良いゲームとなった。前半はミスが多く、トヨタにプレッシャーをかけられた。後半はフェイズをしっかり重ねることにより修正できた。後半は良かったが前後半を通して広いプレーをしたい。
中村亮土キャプテン
素晴らしい環境、相手とゲームができて良かった。広い準備をして次戦に臨みたい。
Q:サム・ケレビのリザーブからの起用法は?
ヘイグ監督
プラン通り。タイトな試合になるので残り20分にフィニッシャーの選手が良い仕事をしてくれた。
Q:最後のプレーでトヨタがキックを使わずに攻めてきたが?
中村キャプテン
反則をしないように規律を守れて逆転でき良かった。
Q:前半スコアが開いたが何を考えていたか?
中村キャプテン
最後に勝利できていれば良い。80分通してのゲームプランが大事である。余裕を持って周りが協力しながら良いパフォーマンスができている。
Q:今日の勝利の意味と次戦へ向けて
中村キャプテン
スコアが接戦の試合ができたことはチームにとって良かった。一体感を持ってチームとして良い準備をしたい。
Q:最後のPGの時は何を考えていたか?
ボーデン・バレット
接戦の中ではあったが自分のプロセスを大事にして落ち着いてキックできた。
Q:TMOの時に観客に手を振っていたが?
ボーデン・バレット
TMOが長い時はスイッチON、OFFを切り替えている。
Q:これまでの経験の中でPGが入ってゲームが決まることはあったか?
ボーデン・バレット
ハリケーンズの時にブルーズ、ハイランダーと2回ある。
Q:後半どこが良かったか、大学の時と比べて体のコンディションは?
中野選手
試合を通して外側にチャンス、スペースがあることをチームとして共有できた。センターでもウィングでもどちらでもできる準備はしている。
(文責 品野いっせい)
フォトギャラリー
KRPU 清水良枝
KRPU 渡辺隆夫