12月16日(日) 大学選手権 立命館大学 19-50 明治大学

第55回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 3回戦DSC_6326立命館大学 対 明治大学

2018年12月16日(日) 14:05キックオフ
グラウンド:キンチョウスタジアム
天候:くもり
レフリー:辻原潤一郎(日本協会A2)
アシスタントレフリー:塩崎公寿(日本協会A) / 船岡克広(関西協会) / 西本武史(関西協会)
立命館大学 明治大学
19 FULL TIME 50
0 前半 36
19 後半 14
詳細
(日本協会公式)

マッチレポート

立命館大学は関西Aリーグ5勝2敗の2位で通過し、2大会連続19回目の大学選手権出場となる。昨年度大会では慶應義塾大学に密集で競り負け、関東対抗戦の壁の厚さを肌で感じ取った。今大会では上位進出を狙う。対する明治大学は関東対抗戦グループを4位枠(同率3位)で通過し、10大会連続49回目の出場となる。昨年度のこの大会では帝京大学との決勝戦で1点差負けし優勝を逃したことは記憶に新しい。今シーズンの対抗戦では帝京大に勝利しており、この大会でも優勝候補に挙げられる。
前半、明治大に5トライを奪われ完璧に試合の主導権を奪われていた立命大が後半はテンポに乗った攻撃と相手のミスにも乗じ、打って変わって息を吹き返したのが印象に残った。立命大にとっては前半の36失点が悔やまれる。明治大は次回の東海大学戦に向けて反省材料になるだろう。
雲が拡がり、今にも雨が降り出しそうな空模様の中、明治大のキックオフで試合が開始された。

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明治大はキックオフからバックスが積極的にアタックを仕掛け前進すると、立命大はたまらず反則を犯す。6分、明治は10番SO松尾将太郎が確実にPGを決め幸先良く先制。その後も、立命大のラインアウトやブレイクダウンでのターンオーバー、シン・ビン、インターセプト、キックミスに加えデフェンスの甘さを突いた攻撃がさえる。12、20、27、31、40分と5トライ36点と大量リードで前半を終えた。立命大はミスで自らのペースをつかめないまま前半を終えた。

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ところが小雨が降り出した後半に入ると立命大は「人が変わった」ように本来のテンポのいい攻撃が蘇る。キックオフのボールを明治がノックオンを犯すと、立命大は勢いを取り戻し、相手陣内深く攻め込み、ゴール前15m中央ラックから右展開。最後は15番FB山本貫太が右端にトライを返す。11分に明治スクラムのコラプシングの反則からの速攻で2番フッカー山口達也が、22分にも20番宮下大輝がトライを奪い19-36と詰め寄るが反撃もここまで。

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明治大はこのトライを奪われた後、入れ替わったプレーヤーが活躍。27分、直前に戦列に加わった16番松岡賢太がトライを決めると、明治大ファンからの「取って終われよ」の声援。それに応えるようにロスタイムでトライを上げ、結局、19-50の大差で、大学選手権4回戦に駒を進めた。

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会見レポート

立命館大学
中林正一監督

去年この場で関西3位で選手権に出て、100点ゲームで慶応に負けたところからチームがスタートした。この場で借りを返すわけではないが、ベスト8に入ることを目標にやってきた。チームの目標するためにいい準備をしてこの試合に臨んだ。さまざまな圧力や自分たちのミスで前半は全くリズムがつかめず、勝負が決してしまった。後半は自分たちのアタックやディフェンスを見せることができたが、強豪校に勝つためには今の自分たちのレベルの精度ではこのレベルには届かなかったのは残念な気持ち。

古川聖人主将
ベスト8を目標に1年間やってきたが、明治との戦いの中で、チームが持っているものを後半に出せていたものが、前半から出せていなかったのが勝負の決め手となった。チームを勝たせて目標のベスト8に連れて行くことができなかったのは自分の責任。スタンドの仲間に悔しい思いをさせたのが悔しい。

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Q:前半自分たちのプレーができなかった要因は?悔やまれるプレーは?
中林監督
ラインアウトが全く取れなかったのが誤算。それにつられてキックやディフェンスのミスがあった。セットアップや接点で普段では起きないイージーなミスがあった。大きくはラインアウトが取れていれば違った展開になった。

古川主将
明治に対して気負っている部分がチームにあり、普段起きないことが起き、消極的になるなど、メンタル面で受けてしまっていたことがプレーにつながった。

Q:ハーフタイムにはどのような話をしたか?
中林監督
ラインアウトは自分たちの精度を落ち着いてやることを再確認した。スクラムはレフリーとの見解の相違があったが自分たちはいつも通りやっていこうと修正した。ディフェンスはブレイクダウンに寄りすぎていたので立ち位置の幅を広げるように心がけ、1年間目指してきた攻撃的なディフェンス、前に出るディフェンスができるセットアップをしようと送り出した。後半はそういうシーンがあったので前半から攻撃的なディフェンスができていれば。

古川主将
自分たちのミスで自分たちの首を絞めていた状態だった。考えす過ぎたり気負っている部分があったので、開き直って仲間を信じて自分たちのプレーをしようと呼びかけた。


明治大学
田中澄憲監督

完全アウェーでやる難しい試合になることは分かっていたが勝ててほっとしている。途中、立命大に流れが行きかけたがリザーブメンバー、替わったメンバーも含めコミュニケーションを取って修正して、最後にトライを取って終われた。東海大戦に向け準備したい。

福田健太主将
チャレンジャー精神にこだわって練習してきた。トーナメントの選手権で簡単な試合ではないと想定していた。前半はいい形で終われたが後半は、立命大のアタックにディフェンスで前に出れない部分が多々あったので修正しないといけない。勝ててほっとしている。

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Q:後半はどうだったか?
福田主将
簡単なミスで自陣に釘付けにされていたので、簡単なミスせずに敵陣で戦う意識をしないといけない。自陣でラインスピード上げるディフェンスができていなかった。前半同様のディフェンスができていれば後半のような状況にはならなかった。

Q:早明戦で負けたが、初戦に向かうまでは?
福田主将
対抗戦は満足のいく結果ではなかったが、選手権優勝を目標にやってきた。チャンスはあると思うので一戦一戦大切に戦っていきたい。

Q:来週の試合はどのように臨むか?
田中監督
東海大はシンプルなチームなので、シンプルな部分で負けないことが大切だと思う。

福田主将
ラインアウトモールなど強みははっきりしているチームなので、強みを出させないために規律をしっかり守って、自陣に入られないようにしたい。今回同様、チャレンジャーの気持ちでシンプルに前に出るディフェンス、ゲインラインアタックをシンプルにやりたい。

(文責:大阪府協会 山林右二、丸井康充)

フォトギャラリー

■撮影者:坂田勇三

■撮影者:渡辺隆夫