5月16日(日) サントリー 26-9 クボタ

トップリーグ2021プレーオフトーナメント 準決勝
2021年05月16日 13:10 KO
入場者数:0人 天候:くもりのち晴れ/微風
レフリー:久保修平(日本協会A)
アシスタントレフリー:梶原晃久(日本協会A) / 木村陽介(日本協会A) / 河村隆史(関西協会)
サントリー クボタ
26 FULL TIME 9
14 前半 6
12 後半 3
詳細(日本協会公式)

マッチレポート

最後のシーズンとなるジャパンラグビートップリーグ2021も残すところあと二日間。最後の大阪開催となった2021プレーオフトーナメント準決勝は、昨年5月に開催予定であったが新型コロナウイルスによる影響拡大で中止となった第57回大会に続く第58回日本ラグビーフットボール選手権大会を兼ねる。

準決勝の二試合目は、準々決勝は不戦勝となったが二回戦でNECグリーンロケッツを76-31の大差で破ったレッドカンファレンス1位のサントリーサンゴリアスと、準々決勝で前々回第56回大会優勝の神戸製鋼コベルコスティーラーズを破って勢いを増すレッドカンファレンス3位のクボタスピアーズの一戦。

リーグ戦では4月3日の第6節でサントリーが33-26とクボタの追撃を凌いで勝利をおさめている。今シーズン全勝で盤石のサントリーに対して強力FWを前面に初優勝を目指すクボタは、準々決勝でレッドカードを付与されて3試合の出場停止処分を受けた司令塔、バーナード・フォーリーの欠場がどこまで影響するか。試合は大阪府ほかに発出されている緊急事態宣言により無観客試合となったが、梅雨の走りの雨模様の中、RWC2015のヒーロー、クボタSO⑩立川理道のキックオフで幕を開けた。

先制したのはチャレンジャー、クボタ。前半8分に10メートルライン付近のサントリーのラインオフサイドで得たPGをWTB⑭ゲラード・ファンデンヒーファーが慎重に決め0-3とした。
その後はしばらく両チームが持ち味を発揮した小康状態が続く。クボタは重量FWが密集でも健闘し、BKも果敢にボールを展開。サントリーもFWラッシュやニュージーランドの英雄、SO⑩ボーデン・バレットの巧みなキックなどで再三、クボタゴールに迫る。一瞬のスキを突き試合を動かしたのはやはりサントリーSO⑩バレット。20分に10メートルライン中央付近からの40メートルを超えるDGは、無観客で静寂のスタジアムにも関わらず報道陣、両チーム関係者からも思わず歓声が上がる。しかしこの日のクボタは直後の23分、22メートルライン付近のサントリーのキックオフサイドから再びWTB⑭ファンデンヒーファーがPGを決め3-6とする。

その後もPGの応酬は続き、SO⑩バレット、WTB⑭ファンデンヒーファーと至高の好キッカーを擁する両チームは、相手陣でのペナルティーをことごとくPGで加点する。PG・DGのサントリーとPGによるクボタの9-6から大きく局面を変えたのはやはりリーグ戦王者のサントリー。33分にゴール前10mの右ラインアウトからこれまでのFW戦から一転して左に大きく展開、SH⑨流大からのパスを受けたSO⑩バレットから左へ、CTB⑫キャプテン中村亮土、FB⑮尾崎晟也へと渡り、最後はWTB⑪江見翔太が左隅にトライを挙げた。試合巧者のサントリーがお家芸の広くグラウンドを使った展開ラグビーをようやく実現してリードを奪い、前半を終える。

後半に入っても同様の展開。自陣での反則がそのまま相手のPGを誘い、両チームともトライは奪えない。先週の準々決勝で試合の大半を14人対15人にも関わらず、前回王者の神戸製鋼の追撃をかわしたクボタも、この日はサントリーHB団、SH⑨流とSO⑩バレットの効果的なキックでなかなか自陣を脱せない。さらにサントリーの強力なディフェンス網を打ち破ることに苦心し、後半は結局1PGのみの3点をあげるにとどまった。一方、4度目の日本選手権王者、6度目のトップリーグ王者を目指すサントリーもノートライながらSO⑩バレットが着実に4PGを決め、最終的には26-9で初制覇を目指したクボタを破った。

準々決勝を不戦勝で勝ち抜き休養十分だったサントリーは、お互いトライを奪えない展開の下、勢いのあるクボタを伝統の強固なディフェンスでかわして着実に勝利につなげた。決勝戦の相手のパナソニックはさらに攻撃のバリエーションを持つ相手だけにどのような展開に持ち込むか、魅力的な素晴らしい一戦を期待したい。

初のベスト4に進んだクボタも大健闘。リーグ戦無敗の神戸製鋼を撃破し、百戦錬磨のサントリーを1トライに抑えた今シーズンの活躍は貴重な財産としてほしい。

記者会見レポート

クボタスピアーズ
フラン・ルディケヘッドコーチ(HC)
まず、サントリーの勝利を称えたい。彼らはとても良い試合をしていて、見事な勝利だった。決勝戦の健闘をお祈りする。我々が勝てなかった理由はクボタスタイルで戦うことができなかったからであるが、シーズンを振り返ると良かった点が多くあり、決勝に進むことはできなかったが、また成長して戻ってきたいと思う。

立川理道キャプテン
今日の試合はサントリーがきちんとプランしてきたことを実行して、クボタは自分たちのラグビーができる時間帯がなかなかなかったことが結果に繋がった。その中でも最後の最後まで共に戦ったチームメイトのことは誇りに思い、サントリーには決勝でもいい結果を残してもらいたい。今シーズンは勝ち負けの一つ一つを学びにして進んでこれたことはチームにとっての貴重な財産となる。今シーズンの学びをしっかり来シーズンの成長につなげていきたい。

Q.クボタスタイルが出せなかった原因は?
ルディケHC
前回の対戦ではスペースにボールを運ぶことができていたが、まずはボールをキープすることができなかったこと。前半も良いスタートではあったが、その後ペナルティが多くて自分たちの好プレイが実らなかった。サントリーはキックに集中していて、それがうまく機能して勝ちに結びついた。戦術面でサントリーに及ばなかった。またディフェンス面でもサントリーは巧みにプレイしていて、ターンオーバーされてポゼッションを奪われ、ペナルティで加点されるというパターンだった。

Q.来シーズンもファイナルを目指すと思うが、いまチームには何が一番欠けているのか?
立川キャプテン
今シーズンを映像や数字で振り返ることが必要だが、こういった経験がいままでクボタにはなかったので、来シーズンに向けて良いものを得たと思っていて、あとは今まで積み上げてきたものを形にしていきたい。こういったプレッシャーの中でのラグビーを行っていきたい。

Q.サントリーのトライ後にクボタもいくつかチャンスを迎えており、良いアタックが得点に結びつかなかった原因は?
立川キャプテン
ブレイクダウンの中でサントリーは人数をかけてボールを取り返す、ペナルティを誘うことを狙っていたと思う。その結果、得点に結びつけることができなかったと思う。

Q.相手がかなりキックを多用してクボタが嫌がることを狙ったようだが、実際にプレイしていてどのように感じたか?
立川キャプテン
サントリーのキックに対して自分たちのハイボールのコンテストを含め、プレッシャーの中でなかなかクリーンキャッチもできなかった。思ったよりも相手がキックでプレッシャーをかけてきたので、それに対する対応は少し遅れたかもしれない。しかし最終的にはうまく調整できたと思っている。

Q.サントリーはこれまで1試合に平均9トライを奪ってきていたが、そのサントリーを1トライに抑えたことでクボタのディフェンスの手ごたえを感じたと思うが、ディフェンスの手ごたえとアタックの不満感は?
立川キャプテン
ディフェンスは上手く機能していたので相手はキックを選択したと思う。そのキックに対する対応は少し手間取ったが基本的なディフェンスのシステムは良かったと思う。ただ自分たちのペナルティで失点を重ねたので、このようなプレイオフでの追う展開は厳しかった。アタックに関してはやはりブレイクダウンでかなりプレッシャーをかけられたので、ボールを保持してアタックすることができなかった。


サントリーサンゴリアス
ミルトン ヘイグ監督
良いゲームだった。特に後半は相手にプレッシャーをかけ続けたことで良い結果に繋がったことは良かった。

中村亮土キャプテン
クボタという素晴らしいチームに対して、準備してきたことが発揮できたので良い試合だった。残り、勝っても負けても一試合となったので、もう一度一週間、良い準備をして臨みたい。

Q.準備してきたのは今日のキックの多用なのか?
中村キャプテン
もちろんプランとしてはキックを使いながら攻めるということもあるが、これまでディフェンス面で課題が多かったが、そこをしっかり修正できたことで相手をノートライに抑えたことは自信になった。

Q.クボタにキックを多用したのは強力なクボタFWを背走させ、自陣でプレイさせない狙いだったのか?
中村キャプテン
判断の中でキックかパスかの選択をしていて、クボタは良いディフェンスチームで簡単にゲインできないと思っていたので、キックを蹴りながらアンストラクチャーを作って自分たちのゲームに持っていくというプランだった。

Q.前半なかなか得点できなかった時点でのボーデン選手のDGはどのような判断だったのか?
中村キャプテン
あれはボーデン自身の判断で、膠着状態の中、みんなのメンタル面ではとてもいい効果を挙げた。

Q.クボタの大型FWにラインアウトでほとんどクリーンキャッチを許さなかったが、どれくらい準備してきたのか?
ヘイグ監督
FWコーチのタイ・マクアイザックが6か月かけてFW陣と準備してきた。クボタのラインアウトは大きな強みなのでそこでリズムを与えないよう、しっかりプレッシャーをかけるというのはプランしていた。そこが上手くいって相手もリズムに乗れなかったのではと思う。相手がラインアウトでボールを確保した後もしっかりプレッシャーをかけて相手に良い形で攻撃させないといった点もよかったと思う。

Q.アタッキング・チームのサントリーが守り勝ったゲームの評価は?
中村キャプテン
今シーズンのスタート時点でアタッキング・ラグビーを掲げるためにもトップリーグ一のディフェンスチームになろうと話していて、それを毎試合の課題を修正しながらようやく今日、ベストなディフェンスに結びつけることができた。決勝はパナソニックもアタック力のあるチームなので自信を持って臨めると思う。

Q.決勝の相手のパナソニックにはどのようなイメージを持っているか?
ヘイグ監督
判断力も素晴らしく、反則も少ない。テリトリーを上手くとっていくチームで、上手くキックを使って敵陣でプレイするチームだと思っている。ディフェンスもすごく強いチームなので、自分たちはアタックでチャンスをきっちり得点に結びつけなければならないと思っている。今日のように全員が努力して、ディフェンス面で失点を防ぐことが必要だと思う。

中村キャプテン
もちろん対パナソニックの戦術は用意しているが、まずはサントリーがこれまで積み上げてきたものをしっかり出して臨みたい。

ボーデン・バレット選手
来週の決勝に進めて非常に嬉しく思っている。今日もプレイオフということで非常にタフな試合になることは想定していたし、チャンスをしっかり得点に結びつけないといけないとは思っていたが、共に戦った仲間たちを本当に誇りに思っている。

流大選手
質の高いクボタというチームに対して準備してきたことがしっかり出せて、残りの一週間を勝ち取ることができて良かったと思う。

江見翔太選手
これまで一週間、しっかり練習してきたことが今日の試合で体現できた。無観客ということで少し雰囲気は違ったが、良いクオリティのラグビーができたことは良かった。

小澤直輝選手
チーム全員で準備した結果を勝利という形で出せてとても嬉しく思う。また次に向けてチームでしっかり準備したい。

(文責:大阪府協会 石川 悟)

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