2月28日(日) ヤマハ発動機 22-23 リコー

トップリーグ2021 第2節
2021年02月28日 12:00 K.O.
入場者数:1856人 天候:晴れ/弱風
レフリー:橋元教明(日本協会A)
アシスタントレフリー:川原佑(日本協会A) / 小出兼司(関西協会) / 嵯峨慶二(関西協会)
ヤマハ発動機 リコー
22 FULL TIME 23
3 前半 16
19 後半 7
詳細
(日本協会公式)
プレイヤー・オブ・ザ・マッチ
▶リコー 9 マット・ルーカス

マッチレポート

2月20日に開幕したジャパンラグビートップリーグ2021リーグ戦の第2節。時折冷たい風は吹くものの着実に春の訪れを感じるここ東大阪市花園ラグビー場で、ヤマハ発動機ジュビロ対リコーブラックラムズの一戦がリコーSO⑩アイザック・ルーカスのキックオフで幕を開けた。

開始直後からリコーは激しいFWラッシュでヤマハDF陣をゴール前にくぎ付け、前半2分にノットロールアウェイの反則で得たペナルティを兄弟ハーフ団の兄、SH⑨マット・ルーカスがPGを決めてあっさりと先制。その後もリコーはアタック、DF両面で激しく前に出る。
8分にはハーフウェイライン付近で相手ボールをキャッチしたルーキーFB⑮メイン平がカウンターアタック。ゴール前に迫ったのち、再びパスを受けたFB⑮メインが左ポスト際に抑えて0-10とリードを広げる。

フィジカルに評価の高いヤマハFW陣もこの日は特に接点でリコーに圧倒され、反則を繰り返す。16分、22分にPGで着実に加点するリコーに対して、終了間際にFB⑮サム・グリーンのPGでようやく得点、3-16とリコーリードで前半を折り返す。

後半も先制したのはリコー。前半はPGで着実に得点を狙っていたリコーがペナルティからタッチキックを選択。10分、左サイドのラインアウトからモールを形成し、最後はこちらもルーキーHO②武井日向が抑え3-23と大量リードする。
この後もリコーはHO②武井やキャプテン№8⑧松橋周平らの再三のジャッカルなど、身体を張ったプレイでヤマハにペースを掴ませない。

しかしここからようやくヤマハの逆襲が始まる。21分にゴール前での強力FW、№8⑧ヘルウヴェらの連続攻撃の後、WTB⑪マロ・ツイタマのトライで10-23。その後もSOの位置に入った⑮グリーンのキックパス等で2トライを返すが、この日はリコーの圧力が一枚上。終了間際のヤマハの必死の逆襲をしのいだリコーが22-23の一点差の激戦を制してリーグ戦初勝利を挙げた。

一年間の公式戦のブランク、多くのルーキーや海外ビッグネームの加入により昨年度まで勢力図は大きく変化を遂げている。リーグ戦中盤に差し掛かる次節以降、さらに目の離せないカードを期待する。MOMにはリコーの『ブラックチェーン』を上手くコントロールし、さらに2G3PGで着実にリードを守ったリコーSH⑨マット・ルーカスに贈られた。

記者会見レポート

ヤマハ発動機ジュビロ
堀川隆延 監督
この敗戦から何を学ぶのかを帰ってしっかりビデオを見て、次のNEC戦に向けやるべきことを明確にして前進していきたいと思う。とにかく今日の敗戦においては前半の戦い方が全てであり、自分たちのアタックのストラクチャは準備してきたが、リコーのプレッシャーのほうが上手だったということ。細かな点を含めてきちんとレビューして、次は生まれ変わったつもりでヤマハ・スタイルを発揮したい。

大戸裕矢 キャプテン
このコロナ禍の状況の下、開催していただいた関係者の皆さんに感謝し、多くの観客の皆さんに観戦いただき嬉しかったです。試合内容は監督からあった通り前半、特に前半20分の戦い方が次節以降のための勉強となって、そこは伸びしろとして来週に向けてしっかり修正しながらリーグ戦を戦っていきたい。

Q:監督、キャプテン共に前半の戦い方が鍵とのことであったが、本来ならどんな戦いがしたかったのか?
堀川監督
前半は風上に立っていたので、シンプルに風を使って相手陣でプレイするということができなかった。また前半だけでペナルティが10、これまでペナルティが少なくここ数年はきちんと規律を守ってきたチームなのだが、それだけのペナルティを重ねてしまった。レフリーや相手がどうということではなく、自分たちのやるべきことができなかった点を冷静に見つめ直したい。

Q:後半はアタック時のFWの立ち位置などが前半と少し変えていたようだが、システム自体を見直したのか?
堀川監督
特に何も変えていない。

Q:後半、連続して得点できたその要因は?
堀川監督

「ボールをこう動かすとここにスペースができるのでそこに動かそう、自分たちのストラクチャを組んでブレイクダウンからきちんと良いボールを出せば得点は重ねられる」ということが証明できている3トライであり、そのような時間がもう少しあれば勝利することもできた。それができなかった要因が何なのか、次のゲームへの鍵になる。

大戸キャプテン
後半は風下だったがボールをキープしながら、特にリザーブの選手たちがインパクトプレイヤーとしてボールをキープしてくれたので、後半はこのようなスコアになったと思う。

Q:セットピースのチームの状況は?
堀川監督
ヤマハスタイルといえばまずスクラム、次にセットプレイだが、当然相手チームも分析しながら攻略を考えている中、そのような相手に対して自分たちのスクラムをどのように組むのか、そこが課題であり、レフリーとのコミュニケーションも必要になる。それらの点に関し映像を見て見直して行きたい。

粟田祥平選手
今日のゲームは自分の強みであるアタックは思い切って行けたが、チームとして規律が守り切れず後手後手に回ってしまった反省点がある。

Q:規律ということで前半ブレイクダウン付近でのペナルティが多かったが、特にレフリングと合わない点があったのか?
粟田選手

レフリングがどうということはなく、自分たちがやるべきことがやりきれなかった印象が強い。

Q:圧力や寄りの速さによるものだったのか
粟田選手
試合前からリコーのブレイクダウンへの寄りの強さは認識していて、そこでしっかり意識してファイトしていこうとは話していたが、何本かは相手のほうが早かったということがやり切れなかった点である。

Q:ご自身の強みのアタックの点は良かったということだが、具体的に自身の強みが今日はどう発揮できたのか?
粟田選手
自分の強みはスピードをもちボールをもって走れる点だと思っている。今日はディフェンスのプレッシャーに負けずにスピードをつけて相手のディフェンスラインをブレイクできていた。自分でも良いイメージでプレイできていたので、これからもヤマハのアタックの起点となるようにアピールしてやっていきたい。

Q:後半、追い上げて結果として1点差にまで迫ったがどう手ごたえを感じたか?
粟田選手
単純に悔しい。最後はチーム一丸となってトライを目指したが取り切れなかった。悔しいがまだ2戦目ということで、負けを負けで終わらせることなくしっかりと次に生かしていきたい。


リコーブラックラムズ
神鳥裕之 監督
このような状況下でも無事に試合が開催できたこと、関係者の皆さんに感謝する。今日のゲームに関しては、先週開幕戦で厳しい結果に終わって以来、この一週間でしっかり立て直してきた結果である。特に選手がグラウンド上で厳しいファイトを見せてくれたこと、ヤマハの強いフィジカルに対してもしっかり前に出るディフェンスとアタックに関しても前に出るファイトで勝利を収められたことは嬉しく思う。まだリーグ戦は2試合終わっただけなので、次戦に向けてしっかり準備していきたいと思う。

松橋周平 キャプテン
試合は前回の開幕戦をしっかり反省し、今週はハードワークをしてきたことで今日のヤマハ戦の結果につなげられたことが一番の勝因だと思う。特に意識した点はチームとして常にコネクトし続けるという意味で「絆」というキーワードを掲げ、それを常に皆で共有することで今日のゲームにつながった。シーズンはまだ続くので、今日の試合からでもラストのヤマハのフィジカル面を受けてしまったことからも学び、80分間通して自分たちが優位に立つことを目指したい。次のドコモ戦はまたこちら(花園)での開催となるので、80分間の良いゲームを目指したい。

Q:特に前半はディフェンスラインの出足とタックルの鋭さが共に素晴らしかったが、手ごたえは感じているか?
松橋キャプテン
今シーズン特に意識している点はゲインラインの部分で、アタックにしてもディフェンスにしても必ず前に出る、という点を一番大切にしている。それが前回の試合では全くできていなかたっので、まずそこをしっかりやろうと今日の試合に臨んだ。それができたこと、評価いただけたことは良かった。

Q:セットプレイに評判のヤマハに対して、スクラムやモールで優勢に戦っていたと思うが。
松橋キャプテン
しっかりと準備してきたことの結果が出た。HOの武井日向も先発としてはデビュー戦だったが、全員が彼とも十分にコミュニケーションがとれて、FWとしてまとめてくれていたことでヤマハの強いスクラムに負けなかった。ラインアウト時もLOのリーダーに従って良い判断ができていた。

Q:後半のモールでのトライについて、前半はPGで加点していたエリアでのラインアウトモールの選択理由は?
神鳥監督
スタンドでも同様の動きがあり、前半少しリードして迎えた後半最初の部分でもあったので先にアクションしたかった。またキャプテンの言う通りラインアウトモールを強みにしたいと自信をもって取り組んでいたので、今日のゲームでの最初の機会としてとらえた。

松橋キャプテン
試合前からプレイ選択についてはコーチ陣と綿密に打ち合わせていたが、あの場面では悩んだ末にベンチのFWコーチの指示を仰いだ結果である。FWとしては強みであるモールで加点できたことがポイントである。

Q:モールのディフェンスもとても際立っていたと思うが?
松橋キャプテン
今年は春のプレシーズンマッチからモールでのトライはどのチームからも一本もとられておらず、どのチームを相手にしても怖さもなく問題なく自信をもてている。

武井日向選手
チームとしては前節のパナソニック戦の反省を生かして一週間しっかり準備をしてきたが、その結果が随所に現れていた。特に最後まできつくても走り続けることでチームスローガンであるBIGGA(Back In Game Go Again)が体現でき、練習した成果が出たと思う。来週のドコモ戦に向けて切り替えて、チームとして準備していきたい。

メイン平選手
チームとしてこのような試合展開になることは予想していたので、我慢して最後にどれだけBIGGAが出せるのかがポイントであったが、チームとして体現できて良い結果につながって良かった。

Q:今日は大きなラインブレイクなどがあったが、パフォーマンスをご自身ではどう評価するか?
メイン選手
15番FBとしての出場は久しぶりで、今週は皆さんとのコミュニケーション面を意識してきた。ディフェンスでも両WTBをコントロールすることができ、コミュニケーション面では満足している。あとはしんどい場面でどれだけ後ろから引っ張れるかという点では、最後のフィットネスや声掛けの部分で、次は良いパフォーマンスをあげたい。BKはどこでもと話しているが、プレシーズンではCTB中心だった。15番は発表されて驚いていたが、結果良い感じでフィットできていた。

Q:高校1年生(御所実業)時に花園で大活躍された時以来の花園の感想は?
メイン選手
高校時代のことなどはあまり考えずに自分の仕事をこなすことを意識していた。芝生の深さは高校時代に感じていた通りで、グラウンド状況が理解できていたので良かった。

Q:チームとしては先週スクラムで苦心していた以来であったが、そんな中で先発する想いとトップリーグの公式戦2試合に出場した感想は?
武井選手
スクラムは先週パナソニックに押されて、やはり一本一本気を抜けないと学んだ。練習中でも一本一本大切に取り組み、スクラム時にはバックローを含めて8名一体で取り組んだ。ヤマハの強いスクラムからプレッシャーを受けた場面もあったが、そこは自分の課題だと認識している。プレシーズンを通じてトップリーグの強度には慣れてきてこの2試合で特に問題はなかったが、スクラムのコントロールやラインアウトのディフェンス面でのプレッシャーを感じているので、今後の課題として磨いていきたい。フィールドプレイは通用する場面が多々あった。

 

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KRPU 湊和裕

 

 

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