マッチレポート
ヴェルブリッツ対ヒートの東海ダービーマッチが早春を感じる空気の中、ヴェルブリッツのキックオフでゲームがスタート。
相手陣深いキックに圧力をかけチャンスを掴んだのはヴェルブリッツ。ラインアウトから力強い攻撃を仕掛けるとペナルティーを獲得する。ゴール前のスクラムを選択し⑧ラウタイミの縦に突進から攻撃を重ねるが、ヒートはブレイクダウンの攻防で競り勝ちピンチを防ぐ。
相手陣に地域を進めたヒートは前半8分、中央でペナルティーを得るとショットを選択、⑩朴が冷静に決めて3−0と先制する。
対するヴェルブリッツは、先発初出場の⑦フーパーが見事なジャッカルを披露、ペナルティーを得てショットを選択するが右にそれて不成功、スコアは動かない。
それでも、ヴェルブリッツは前半16分、さらに⑦フーパーのジャッカルでペナルティーを獲得するとラインアウトのサインプレーから前進、最後は⑧ラウタイミが中央に飛び込みとトライ、コンバージョンも成功し7−3と逆転する。
その後は風上に立つヴェルブリッツが、緩急をつけたキックで前進を試みるが、ヒートは堅守で対抗、拮抗状態が続く。
ゲームが動いたのは前半31分、相手陣でゲームを続けるヴェルブリッツはゴール前スクラムから⑧ラウタイミが前進、最後は⑥吉田が中央にトライ、14−3とリードを広げる。
勢いがついたヴェルブリッツは、直後の前半33分、⑦フーパーがルーズボールに反応、中央から突破すると⑬トンプソンに巧みに渡し中央にトライ(コンバージョン成功)、21−3とする。
終了間際の前半39分にもヴェルブリッツはスクラムから右にBK展開、ライン側を⑮ルルーが走りきりトライ26−3で前半が終了した。
後半早々にチャンスを掴んだのはヒート、相手陣ラインアウトからの攻撃から⑥近藤が抜け出しゴール前へ。攻撃を重ねるが、ヴェルブリッツも粘りの防御でゴールラインを死守する。
相手陣まで地域を戻したヴェルブリッツはスクラムでペナルティーを得て、さらに地域を進める。対してヒートは風上を生かしキックで対抗、中盤での攻防が続く。
先ほどのスクラムに対抗したヒートは、③具を中心としたプッシュでペナルティーを獲得、チャンスを迎えたかに見えた。しかし、直後のラインアウトモールで②呉の不行跡で痛恨のレッドカード、14人でのプレーを余儀無くされる。
後半も徐々に地力を発揮しだしたヴェルブリッツは、後半21分、⑭高橋のトライ、さらに後半25分、㉒岡田とトライ(コンバージョン成功)を重ね、38−3と大きく差を広げる。
一矢報いたいヒートはなんとか反撃を試みるが、自陣ゴール前から脱出できない。
後半33分、ヴェルブリッツは⑭高橋の好走からチャンスを作ると、⑮ルルーがこの日2つ目のトライ(コンバージョン成功)、45−3とする。
それでもヒートはしつこく攻撃を継続し相手陣へ地域を進めるが、ボールはヴェルブリッツに渡りノーサイド。45−3でヴェルブリッツが勝利し、好調を披露して幕が閉じられた。
記者会見レポート
Honda HEAT
ダニー・リー ヘッドコーチ(HC)
残念な結果だった。トヨタのやりたいようにやられた。前半25分までは良かったが、その後はミスが多く、やりたことができなかった。後半は完全にシャットダウンされた上に、14人でのプレーになってしまった。
小林亮太キャプテン
前半風下で25分まではディフェンスも頑張れた。後半はミスも多く、14人になりコントロールできなかった。
Q:ゲームでやりたいこと、プランとは?
リーHC
セットピース、強いキャリー・ディフェンス、アタックシェイプをやり続けること。前半スクラムは良かった。7人にもなってもプレッシャーを与えられた。
Q:ゲームの流れを手放した要因は?チームの状況は?
小林キャプテン
細かい状況判断が良くなく流れを掴めなかった。勝ち星はまだないが1戦1戦戦っていくだけ。
具智元選手記者会見
自分の役割を果たし、スクラム、フィールドプレーを頑張ったが点数が離れてしまった。
Q:父親である具コーチとはどのような話をしたか?
具選手
今シーズンのFWの体重は減ったが、8人でスクラムを組むこと意識することを話した。
Q:スクラムの手応えは?
具選手
相手との距離を掴めなかった。途中からは間合いが良くなった。
トヨタ自動車ヴェルブリッツ
サイモン・クロン ヘッドコーチ(HC)
ゲームプランに沿って試合ができた。粘り強くディフェンスもできた。また、ジャッカルやディフェンスのプレッシャーもかけることができた。
茂野海人 共同キャプテン
前半の入りは、もう少し良くできたかなと思った。その後はよくゲームを運べた。今後も成長していきたい。
Q:前半スコアが動かなかった時はどうだったか?
クロンHC
スコアは気にならなかったが、もう少しプレッシャーをかけられた。チームとしてはスコアではなく、プロセスを大事にしている。
キアラン・リード選手・マイケル・フーパー選手記者会見
Q:スタメン出場はどうだったか?今日のパフォーマンスは?
フーパー選手
スターターで出場できて、素晴らしいプレーヤーと試合ができて興奮した。日本のラグビーを学んでいる。3点しか取られなかったことは、チームとして良かった。
Q:途中出場した時のチームへのアドバイスは?
リード選手
今日は楽しめた。ベンチで試合を見ながら、どうやってチームにインパクトを与えられるかを考えて試合を見ていた。
Q:お互いチームメイトになって発見したことは?
リード選手
フィールド外で人としての関わりを知ることができた。(フーパー選手は)サーファーなので、なんとかさせてやりたい。
フーパー選手
全てにおいてオールマイティ。ゴルフも上手。
吉田選手記者会見
前の試合は後半得点をされたが、今日は修正できた。
Q:昨シーズンよりシャープになったが?
吉田選手
体重は減ったが、スピードは上がった。食事とトレーニングで、107kgに体重を絞った。
Q:ポジションの層が厚いが試合に出場できる要因は?
吉田選手
チームの層が厚い。誰が出ても活躍できる能力がある。リード、フーパー選手の良いところを吸収して、ジャッカルなどの強みを生かしていきたい。フーパー選手とは全体練習後、個人練習をしている。
(文責:品野いっせい)
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KRPU 清水良枝