マッチレポート
約1か月遅れで開幕を迎えたトップリーグ第2節。地元鈴鹿で開幕を心待ちにしたファンの応援を受けるHondaと開幕戦で三菱を圧倒したサントリーの一戦が行われた。
Honda10番朴のキックオフでゲームスタート。
前半風下に立つHondaだがキックを巧みに使い、敵陣で試合を展開。22m中央でペナルティーキックを得たHondaは朴がPGを成功させ、前半5分に3点を先取する。
一方ラインアウトからターンオーバーでボールを獲得したサントリーがボールを回して敵陣奥深くまで攻め込み、ゴール前5mでペナルティーを獲得。スクラムを選択し、ブラインドサイドへ攻め込むがHonda山路が鋭いタックルでタッチライン外に押し出し、Hondaがピンチを脱する。
お互いにミスを繰り返し、目まぐるしく攻防が入れ替わる。
サントリーはボールを獲得して、バレットが左右に展開。テビタが見事なランを見せるが、Honda生方が見事なタックルで相手の攻勢を止める。
攻防が続くが、得点までたどり着かず、両チームのフラストレーションが溜まる。前半19分にはHondaマットがファールプレーで一時退場。
その後サントリーがペナルティーからゴール前ラインアウトを獲得。モールを押し込み、左に展開し中央を突破。サムがこの試合の初トライを奪う。バレットがゴールを決め、7点を獲得。
その後続けて自陣からサントリーはテビタが抜け出し、サポートした斎藤が中央にトップリーグ初トライを決める。ゴールも決め14点と引き離す。
バレットが巧みなキックを使い敵陣でプレーを継続するサントリー。攻められるHondaも渾身のタックルと粘り強いディフェンスで守り続ける。
試合が動いたのは前半終了間近の36分。Hondaのパスミスをバレットが拾い、ツイにつなぎ江見が抜け出し中央に押さえたが、TMOでハリーのノックオンからトライが認められずノートライ。直後のスクラムでHondaコラプシングの反則。サントリーがラインアウトから連続攻撃。右にバレットが江見につなぎ、そのままトライ。得点を19点とする。
ラストワンプレーでペナルティーを獲得したHondaは朴がゴールを決め前半を19対6で折り返した。
後半開始からHonda藤波から呉に交替。スクラムが安定し、攻勢を強めるがミスからトライまで続かない。
後半8分にペナルティーを獲得したHondaは朴がゴールを決め10点差に追い上げる。
お互いに攻めを欠きながら得点は動かない。
サントリーはバレットからサムが突破したところでペナルティーを獲得。ゴール前ラインアウトから左に展開し、ラックから後半17分に斎藤がサイドを抜き自身2つ目のトライ。24点と再び突き放す。サントリーは交替した堀越、セミセが奮闘しスクラムを圧倒。ラインアウトも含めセットプレーを支配し始める。
Hondaもディフェンスで粘り、得点を防ぐ。両チーム交替を織り交ぜ、何とか攻略したいところであるが、ミスが重なり決め手を欠く。
得点が動いたのは後半31分。Hondaがペナルティーから敵陣奥深くのラインアウトを獲得し、モールを意地で押し込む。カイポウリが右隅にトライ。14点と追い上げる。残り10分で10点差とする。
攻め込むサントリーだが、ラインアウトのミスでチャンスを失う。
だが後半38分にジャッカルからペナルティーを獲得し、再びラインアウト。しっかりモールを組み押し込み堀越が押え込みトライ。バレットがゴールを決めて31点対14点で試合終了となった。
終始粘りのディフェンスを見せたHondaだが、サントリーの攻撃力が勝り地元で初勝利をつかむことはできなかった。新加入の選手も含めて昨年より攻守のバランスがアップしたサントリーは2節連続して勝利をつかんだ。
約3000人の観客が集まった鈴鹿で意地と意地のぶつかった白熱した一戦となった。
POMはトップリーグのデビュー戦で2つのトライをとったサントリー9番の斎藤直人が獲得した。
記者会見レポート
Honda HEAT
ダニー・リーヘッドコーチ
第一印象としては誇りに思う。前半20分間はホンダスタイルでプレッシャーをかけられた。前半最後の10分は、不用意なエラーが多く、エリアを取りにいく判断ができなかった。自然とそれがプレッシャーとなってしまった。ハーフタイムではもう一度リフレッシュして敵陣でプレーしようという話になった。敵陣に入ってからも気持ちを切り替えてサントリーに迫ろうとした。ボールを持っているときにはそれができたと思う。ただ、1つのエラーが数多くのペナルティを生み、スコアに繋がってしまった。集中力を切らさずにプレーした選手たちを誇りに思う。ここから再出発したい。
小林亮太キャプテン
ホームゲームということで、このようなグランドを用意してくれた関係者のみなさん、ファンのみなさんに感謝したい。立ち上がりはいいスタートが切れた。決められるところでトライを取れず、小さなミスで主導権を取れなかった。後半の立ち上がりはよかったが、徐々にコントロールできなくなる部分が出てきた。来週からのゲームにつなげたい。
Q:唯一のホームゲーム。多くの観客には力をもらったか。
小林キャプテン
グランドに入った瞬間、予想以上にチームカラーの赤がたくさん見えて、選手全員の力になり、元気をもらった。
Q:後半のトライでスタジアムが沸いたが。
小林キャプテン
多くのファンに見ていただき歓声が力になった。
Q.自分のプレーでよかった点、悪かった点は。
小林キャプテン
よかった点は80分間試合に出られたこと。悪かった点はタックルミスが多かったこと。
Q.ハーフタイムでの具体的な声かけは?
小林キャプテン
自分たちができることをしよう。セットプレーを修正し、自分たちが決めたアタックをしよう。自分たちの力を証明しよう。HEAT TIMEというスローガンを意識した。
Q.今後、三重から応援することになるファンに一言。
小林キャプテン
三重県内のファン、ホンダの人に直接見てもらえる試合が少ないが、しっかり勝っていい報告をしたい。
山路健太選手
寒い中、多くのファンの方々が来てくださって力になった。負けてしまったが、これを次に活かしたい。
Q.相手のハーフ団の印象は。
山路選手
バレットは世界でも有名な選手。風上、風下でのアタックの仕方がよく考えられていた。学ぶところが多かった。齋藤選手は今年入ったルーキー。状況判断がよく、将来が楽しみ。前を見てアタックしてくるので、ディフェンスがやりにくかった。
サントリーサンゴリアス
ミルトン ヘイグ監督
最終的な目標は勝ち点5を取ることだった。それを達成できたが、タフな試合になった。プレッシャーも感じ、厳しい試合となった。
中村亮土キャプテン
ボーナスポイントも取れたことはよかった。もっと自分たちでコントロールできる部分を増やすようにしたい。ここを調整しないと今後厳しい試合が続くので、修正したい。
Q.先週からメンバーチェンジをした理由と齋藤選手の評価は。
ヘイグ監督
メンバーチェンジは予定していたこと。練習の中から激しい競争をして先発を争ってほしい。これが私たちのスタンダード。齋藤選手はこれからもっと経験を積む必要がある。期待している選手。将来性もあり、チームとしても期待している。
Q.難しい試合になったが、原因、要因は。
中村キャプテン
思っていた以上にプレッシャーを感じたことと、ペナルティが多く、自分たちがゲームを壊してしまったこと。
Q.オフサイドが続いたが、レフリーとのコミュニケーションは。
中村キャプテン
もともとペナルティを減らすことを意識していた。減らさないとより厳しくなるので今後修正が必要。
Q.今日のでき、トップリーグ1年目でバレット選手と組んでどうだったか。
齋藤直人選手
難しい試合だったが、勝ったことはよかった。今後のために経験を積めている。1日1日、1試合1試合学ばせてもらっている。
Q.試合前の緊張感と、ワールドカップの予定が発表されたが、代表を目指す上で見えてきたものは。
齋藤選手
9番でも、リザーブでも、チームとして準備してきたので緊張した。代表になりたいという強い気持ちはあるが、まずはサントリーで自分を成長させたい。
Q.初先発で2トライ。うれしさは。
齋藤選手
1本目はチーム全員の継続から生まれたトライ。2本目はモールを組んでくれて生まれたトライ。チームメイトのおかげ。
Q.FW陣のできは。
森川由起乙選手
Hondaのプレッシャーがすごく、受けにまわるシーンがあった。チームのバリューポイントであるスクラム、ラインアウトのセットプレーからトライにつなげることができた。
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KRPU 萩原康夫