1月26日(日) 神戸製鋼 35-29 サントリー

トップリーグ 第3節神戸製鋼 VS サントリー

2020年1月26日(日) 13:05キックオフ
グラウンド:ノエビアスタジアム神戸
入場者数:26312人
天候:晴れ/無風
レフリー:戸田京介(日本協会A)
アシスタントレフリー:久保修平(日本協会A)/四辻順一朗(関西協会)/竹内洸貴(関西協会)
神戸製鋼 サントリー
35 FULL TIME 29
20 前半 16
15 後半 13
詳細
(日本協会公式)

マッチレポート

26000人を超える超満員のノエビアスタジアム神戸。ここまで連勝の神戸製鋼に対し、1勝1敗のサントリー。


神戸製鋼のキックオフで始まったゲーム最初のトライは、サントリー。
前半4分マイボールラインアウトから10番田村が中央でパスを受け、そのまま縦に走り切り中央へトライ。
自身でゴールも決め、0-7とする。
サントリーの硬い守備になかなか前へ進めない神戸製鋼だったが、前半10分ゴール前で相手の反則を誘い、ペナルティゴールを決め3-7とする。
前半15分敵陣22メートルラインで15番松島から8番テビタへパスが回るも、ゴールライン直前でTMOの結果ノックオンとなり、ノーゴール。しかし、敵陣での攻撃にサントリーは果敢に攻め込み相手の反則を誘う。ペナルティゴール成功、3-10。
前半24分、自陣10メートルラインから15番山中が華麗なステップで一気に敵陣22メートルまで進む。そのチャンスを10番ダンカーターが左へ大きくパス。ゴール前でフェーズを重ね、最後は15番山中が中央へトライ。ゴール成功10-10とゲームを振り出しに戻す。


前半33分、サントリーは左右へボールを大きく動かし、敵陣へと攻め込む。敵陣22メートルで神戸製鋼の反則により、ペナルティゴール成功、10-13。
前半35分、ラックから4番張がボールを持ち出し中央へ攻める。最後はFW陣が力で押し込み6番トム・フランクリンがトライ。ゴール成功17-13と神戸製鋼が逆転する。
前半40分またもサントリーの猛攻撃を受け、神戸製鋼がオーバーザトップの反則。ペナルティゴール成功17-16。
前半ラストワンプレーでサントリーが危険なタックル。敵陣22メートル付近からのペナルティゴールを10番ダンカーターが見事決め、20-16で前半を折り返す。

後半最初のトライは神戸製鋼。後半5分、敵陣左から5人でパスを回し、最後は12番リチャード・バックマンがインゴールへ絶妙なキック。最後は、14番アンダーソン・フレイザーがボールを押さえトライ。ゴール不成功25-16。
後半16分、自陣ゴール前でサントリーの攻撃に苦しめられていたが、相手のノックオンからチャンスを作り、約50メートルを13番ラファエレからの華麗なパス回しで前進。12番リチャード・バックマンが相手にアタックされながらも倒れる事なくゴールまで運びトライ。ゴール成功32-16。
これ以上点差を広げられたくないサントリーは後半21分、敵陣中央ラックから14番中鶴がボールを持ちステップを切り前進。左へ大きくパスし、8番テビタが左サイドラインギリギリへトライ。ゴール不成功32-21。


その直後、神戸製鋼は反則によりペナルティゴールを狙う。ゴール成功35-21。
後半32分、神戸製鋼のディフェンスに思うように前進できないサントリーだったが、少しずつフェーズを重ね、14番中鶴が左へ滑り込みトライ。ゴール不成功35-26。
試合終了間際、サントリーは神戸製鋼の反則により3点を追加、勝ち点1を選択。ファイナルスコア35-29で神戸製鋼は3連勝を飾った。マン・オブ・ザ・マッチは、神戸製鋼PR中島イシレリが獲得した。

(文責:宮崎 愛佳)

記者会見

サントリーサンゴリアス ミルトン・ヘイグ監督
素晴らしいラグビーを出来た場面はあった。残念な結果となったが、1ポイント奪取出来たことは良かった。ターンオーバーを起点として、神戸製鋼がラインブレイクでの得点につなげていたところがサントリーとの違い。神戸の強みであるオフロードで前に出られると対処が難しくなる。ただ我々もタイトな部分では、いい場面をお観せ出来た。細かいディティールをしっかりやっていくことがこれからの課題。 まずは神戸製鋼のディロンヘッドコーチにおめでとうと言いたい。同時に観に来てくれたたくさんの観客の方々に感謝しています。

流大キャプテン
本日はありがとうございました。2万6千人の観客の皆様が素晴らしい雰囲気を作ってくださいました。神戸製鋼ファンの皆様も、試合後、サントリーに称賛の声を頂戴し、両チームのファンの皆様に感謝しております。 試合に関して、良い入りが出来たが、細かいところで最後は差が出たと感じている。神戸製鋼は隙がなく、改めて素晴らしいチームだと認識した。試合の内容について、後ほど、ビデオで反省すべき点を洗い出すが、現時点での持てる力は出せたと思う。ただ力が及ばなかったということ。次のNEC戦まで短い準備期間だが、コンディションを維持していいパフォーマンスを出せるように頑張りたい。

Q:昨シーズン決勝では大敗したが、今回は接戦だった。前回の決勝と比べて、どう変わったか。
流キャプテン
相手になるべくボールを持たせたくなかったので、自陣でボールを持った時はキープを意識した。ブレイクダウンの意識が高かったが、ターンオーバーされた時のリアクションは改善すべき。ただ積極的にボールキープし、アタックを企図したことは、昨シーズンからの成長。ディフェンスも我慢強い場面はあったが、神戸のオフロードやショートパスに翻弄され、止めきれない部分もあり、素直に負けたなという思い。

Q:相手が14人になった後に、結果、トライされた流れについて。
流キャプテン

我慢が足りなかった。相手が一人少ない中でもボールキープし、我慢比べだとチームに言い続けたが、神戸も14人になったことで堅守を意識し、結果、取られてしまった。

Q:神戸製鋼に相当なアタックを仕掛けられたが、ディフェンスではよく対応していたとの印象を持ったが。
ヘイグ監督

ディフェンスの時間はすごく長かった。ターンオーバーやリアクションの部分、特に一対一のタックルはしっかり決めないと駄目。ディフェンスに関しては特にしっかり練習をしてきたが、細かいところが課題である。

神戸製鋼コベルコスティーラーズ デーブ・ディロンヘッドコーチ(HC)
タフな試合だった。自分たちのプレー精度は未完成だが、結果、勝利出来たことで、選手・スタッフを誇りに思う。今日出場した選手だけではなく、登録外メンバー全員も含めて、しっかりとした努力あっての賜物。サントリーはクオリティの高いチームだったが、震災25周年翌週のホームゲームで勝ててよかった。

山中亮平選手
HCの感想通り、とてもタフなゲームだった。前半はサントリーに勢いがあり、トライを決められ、我々のペースではなかった。でも1週間しっかり準備してきたことを出せた箇所もあり、勝ちきれたことは良かった。

中島イシレリ選手
タフなゲームだったが、勝ってよかった。震災から25年の状況で、皆さんから、多くの気持ちをいただき、チーム一丸で戦い、勝利出来たことは良かった。

Q:阪神淡路大震災の話について、もう少し詳しく。
山中選手

地震から25年経ち、チームは、神戸の街で起こったことを強く想い、受け止めている。私自身も神戸を盛り上げるため チーム・神戸製鋼のことを考えてラグビーをしている。特に今週に関してはその気持ちを強く持って、しっかり準備してきた。今日の試合に入る前も地震発生時の映像を観、皆が気持ちをつくって、いい準備で試合に臨んだ。震災時、停止した高炉を会社が全力で復旧・復興させたことをラグビー部としてしっかり受け止め、このジャージと共に、それを背負って一緒に戦うことを意識してやっている。その意味でも、この深紅のジャージはすごくいいと思う。

Q:トップリーグ開幕後、毎試合観客数が増えているが、この盛り上がりを改めてどう感じているか。 またこの盛り上がりを維持していくにはどういったことが必要になると考えているか。
山中選手

毎試合、満員のスタジアムでラグビーの試合が出来ることをすごく嬉しく思う。ワールドカップをご覧になって、ラグビーを面白いと思ってくださる方が増えたと思うし、我々選手は、観ていただいて、何かを感じてもらえたり、面白さを感じてもらえるラグビーが出来るよう頑張るだけ。選手たちはそれをやり続けていくことでもっと盛り上がっていくと思うし、楽しんでもらえると思う。

Q:前半、相当なアタックを仕掛けたが、得点出来なかった部分について不満はあるか。
ディロンHC

チャンスをフィニッシュまでもっていけなかった。サントリーのディフェンスが素晴らしかった。結果、勝利出来たので、課題を持って来週に向けて準備していきたい。

Q:(山中選手の)キックダミーのプレイについて、もともと考えていたのか、それとも瞬時の対応だったのか。またトライのシーンについて。
山中選手

カウンターのところは、最初はキックを蹴ろうとしたが、後ろにスペースが無く、前を見たらプロップがいたので、キックダミーでいけると踏んだ。トライの場面は相手をずらして、前を見ていたのでよかった。

ディロンHC
最後にお伝えしたいが、阪神淡路大震災25周年は自分達にとって本当に重要なもの。チームを代表して、亡くなった方々へご冥福をお祈りし、ご家族の皆様へお悔やみを申し上げたい。今日はその方々を代表して戦う気持ちを持ってゲームに臨み、今日のパフォーマンスで、その気持ちが少しでも伝わればと思っている。ありがとうございました。

(文責:木村 真樹)

フォトギャラリー

■撮影者:KRPU 住本洋之

■撮影者:KRPU 増田恵