ラグビートレーニング再開のガイドライン

  • 2020-6-2

1.はじめに
ラグビー活動の安全な再開を目指してガイドラインを作成しました。日本スポーツ協会、日本障がい者スポーツ協会作成の「スポーツイベント再開に向けた感染拡大予防ガイドライン」、World Rugby「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴うラグビー活動の安全な再開について」を踏まえ、特に下記の4点を重視しています。ラグビーに関わるすべての皆様には、ラグビーというスポーツに関わる団体であることの社会的責務、及び、ラグビー競技そのものが持つ社会的価値について強く意識を持っていただき、慎重な再開方法、再開時期の検討をお願いいたします。

〇活動再開が選手、選手の家族、関係者、地域社会における感染拡大につながらないこと
COVID-19に感染することで多くの方に影響を与えてしまうことや、無症状であっても自らが他人に感染させ得ることを厳しく認識すべきと考えます。

〇活動再開が地域社会のCOVID-19対応資源に負担をかけるものではないこと
ラグビーの活動再開によって、マスクや消毒液などを含む医療資源・設備の供給や医師・看護師を始めとする医療従事者への過度な負荷等の問題を発生させてはならないと考えます。

〇ラグビーの価値を大切にした活動を実施していくこと
十分な活動再開が可能となるまでの期間は、移動を伴う大会の開催、激しい身体接触が発生する試合の実施については難しいことが想定されます。それまでの間は、チームで体を動かすこと、ミーティングなどでコミュニケーションをすることなど、それぞれでチームとしての活動を工夫し、ラグビーを仲間と楽しむこと、ラグビーを通して心身を鍛えることなどの面でのラグビーの価値を大切にした活動を行ってほしいと考えます。

〇COVID-19対応を含め、「安全」が最重要事項であることをプレーヤーだけでなく、関係者全員が認識して、ラグビーに取り組むこと
COVID-19感染防止に関わらず、ラグビーには激しい身体接触があり重症事故につながる可能性がある競技であることを選手、指導者、全ての関係者が十分に認識し、あらゆる面において安全な環境においてプレーすることをより一層重視してほしいと考えます。

なお、本ガイドラインは現段階で得られる知見に基づき作成をしております。そのため、今後の関係省庁のガイドラインや各地域の感染状況を踏まえて、逐次見直すことがあることにご留意願います。

2.活動の再開
活動再開にあたっては、チーム所在地の都道府県、市町村の方針に従うことが大前提であり、再開の判断に迷われた際は、チームが所在するスポーツ主管課や衛生部局等への相談をお願いします。学校部活動の場合、学校の方針に従ってください。
なお、別表1に示すレベル5、コンタクトプレーを伴う活動は、当面の間禁止とします。

(1)感染状況に応じた地域区分[1]による再開について
①特定警戒都道府県
都道府県からの外出自粛要請等に応じ、別表1に示す通り、チームでのトレーニングは自粛し、個人でのトレーニングを行ってください。
②感染拡大注意都道府県
都道府県、市町村の方針に従い、感染症対策を講じ、別表1に示すレベル1までの活動としてください。
③感染観察都道府県
都道府県、市町村の方針に従い、感染症対策を講じ、別表1に示すレベル4までの活動としてください。

(2)トレーニング実施時の感染防止策[2]について
【日常生活での注意点】
新型コロナウイルスは発症する2日前の方や症状のない方からも感染する可能性があります。トレーニング以外の生活の中で感染しないために、換気の悪い密閉空間、多くの人が密集している密集場所、近い距離での会話や発声が行われる密接場面、これらのいわゆる三つの密を回避するとともに、身体的距離の確保やマスクの着用、手指衛生などの基本的な感染対策を継続し、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を積極的に取り入れてください。

【トレーニング前】
①チームとして感染防止対策を確立しておいてください。また、World Rugbyのオンラインモジュールを活用しトレーニング再開に関する理解を深めることを推奨します。
②以下の事項に該当する場合は、トレーニングへの参加の見合わせ、参加させないことを周知徹底してください。
>体調が良くない場合(例:発熱、咳、咽頭痛などの症状がある場合)
>同居家族や身近な知人に感染症が疑われている方がいる場合
>過去14日以内に、政府から入国制限、入国後の観察期間を必要とされている国、地域等への渡航又は当該在住者との濃厚接触がある場合
③毎朝の体温測定、健康チェックを行ってください。
④ミーティングはデジタル[3]、または、屋外で行う必要があります。難しい場合は、1人当たり4㎡のスペースを確保できる屋内で、すべての プレーヤーとスタッフができる限りマスクを着用した状態で行ってください。
⑤移動は自動車の相乗りを避け、公共交通機関を利用する場合は混雑を避け、徒歩や自転車での移動を併用してください。
⑥移動が越県になる場合は、チーム所在地及び居住地の都道府県、市町村の方針に従ってください。
⑦新型コロナウイルス感染症が発生した場合は、選手及び関係者は必ずチームへ速やかに報告してください。
⑧トレーニング当日には、自宅及び集合時に検温を行ってください。
⑨感染経路の追跡を行うため、個人情報の扱いに十分注意しながら、日付、場所、参加者情報(氏名、電話番号、メールアドレス)は記録してださい。また、必要に応じて保護者の情報も記録してください。
⑩目、鼻、口を触らないように心掛け、どうしても触るときには手洗いや手指消毒をした後に触るようにしてください。

【トレーニング時】
①トレーニング中、トレーニングしていない間も含め、最低でも2メートルの距離を人と人との間で保ってください。1名当たり4㎡のスペースを確保してください。
②人と人との挨拶や体に触れること(握手や抱擁)は積極的に回避してください。
③マスクを着用してください。但し、トレーニング中の選手のマスクの着用は選手の判断によるものとします。
*マスク着用により十分な呼吸ができないことによる身体への影響の可能性があることや熱中症などには留意してください。
④こまめな手洗い、アルコール手指消毒薬等による手指消毒を実施してください。また、チームで手指消毒剤を準備してください。
⑤プレーの説明、消毒、手洗いの際、密集・密接を作らないよう工夫してください。
⑥人数ごとにグループを分け、時間をずらしてトレーニングを計画してください。
⑦可能な限り、各グループにコーチを割り当て、そのコーチはそのグループだけを監督し、グループ外のメンバーとは距離を保つようにしてください。
⑧トレーニング中に唾や痰をはくことは極力避けてください。
⑨可能な限り屋外でトレーニングを行ってください。
⑩発熱などの症状が確認された選手・関係者は直ちにトレーニングを中断し、隔離等の適切な対応を行うとともに、必要に応じて保健所や医療機関への相談あるいは受診を促してください。
⑪目、鼻、口を触らないように心掛け、どうしても触るときには手洗いや手指消毒をした後に触るようにしてください。

【周辺環境】
①選手及び関係者が、トレーニング会場でシャワーを浴びたり食事をしたりすることは避けてください。
②可能な限り、トレーニング用具の共有は避ける必要があります。どうしても必要な場合(ジムなど)は、使用するグループが入れ替わる度及びトレーニング前後に環境や器具を0.05%次亜塩素酸ナトリウムあるいは70%以上のアルコールを用いて消毒し、こまめに換気をしてください。
③ウォーターボトル、タオル、ヘッドキャップなどの個人の備品は、分かりやすく区別できるようにして、共用・使いまわしをしないでください。
④栄養補給サプリメントを共用しないでください。
⑤チームは、手洗い場、更衣室/ミーティングスペース、トイレについて、それぞれ確保すると共に以下の点を注意してください。

手洗い場
・石鹸(ポンプ型が望ましい)を用意する。
・手洗いを30秒以上行うよう掲示、もしくは周知をする。
・手洗い後に手を拭くための、ペーパータオルを用意するか、もしくは個人のタオルを持参させ、共用タオルを使用しないようにする。

更衣室/ミーティングスペース
・「三つの密(密閉、密集、密接)」を避ける。
・室内またはスペース内で複数の関係者が触れると考えられる場所(ドアノブ、ロッカーの取手、テーブル、椅子等)については0.05%次亜 塩素酸ナトリウムあるいは70%以上のアルコールを用いてこまめに消毒をする。
・換気に配慮する。

トイレ
・トイレ内の複数の関係者が触れると考えられる場所(ドアノブ等)について0.05%次亜塩素酸ナトリウムあるいは70%以上のアルコールを用いてこまめに消毒をする。
・石鹸(ポンプ型が望ましい)を用意する。
・手洗いを30秒以上行うよう掲示、もしくは周知をする。
・手洗い後に手を拭くための、ペーパータオルを用意するか、もしくは個人のタオルを持参させ、共用タオルを使用しないようにする。

⑥ゴミの廃棄について、トレーニング時にでた鼻水、唾液などがついたゴミはビニール袋に入れて密閉して縛り、ゴミを回収する人は、マスクや手袋を着用し、マスクや手袋を脱いだ後は、必ず石鹸を用いた30秒以上の手洗い、あるいはアルコール手指消毒薬による手指消毒をしてください。

【その他】
都道府県、市町村や教育委員会、学校の方針によって、施設の利用方法等の方針が異なる場合がありますので、トレーニングの再開を計画される際は必ず確認し、準備をしてください。

3.活動の再開時における段階的プレー復帰
新型コロナウイルス感染症に伴うラグビー活動の安全な再開を行うには、これまで述べた感染防止策を講じ、都道府県、市町村や教育委員会、学校の方針を理解して、適切な感染予防処置の下でのトレーニング計画やトレーニング環境の整備が必要になります。また、その計画においては、選手の負傷のリスクを最小化し、プレーに復帰させるために、段階的トレーニング計画やリコンディショニング[4]を行う十分な時間が求められます。別表1に示すレベル別必要期間を参考にしてください。レベル4へはレベル2、3を経たうえで進んでください。
現時点ではレベル5の活動を禁止しますが、レベル5の活動再開に向けてリコンディショニングを意識し、またレベル5の活動再開時には、必ず強度の低いフィジカルコンタクトから高いフィジカルコンタクトへと段階的に移行するようにしてください。
トレーニングを計画される際は、日本ラグビー協会の「COVID-19に伴うトレーニング活動自粛期間からトレーニング再開に向けたリコンディショニングに関するガイドライン」(動画)を確認し、選手が安全にプレーへ復帰するための準備をしてください。

4.報告
チームに感染者がでた場合、感染経路の追跡等の感染拡大防止の観点から、チーム代表者の方は都道府県協会の安全対策委員会へご報告をお願いします。

報告事項
・発症年月日
・性別、年齢
・カテゴリー(例:スクール、高校、クラブ、社会人等)
・転帰(感染した結果どのようになったか)

以上

[1] 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020年5月14日)による区分
[2] 日本スポーツ協会「スポーツイベント再開に向けた感染拡大予防ガイドライン」及びWorld Rugby「新型コロナウイルス感染症(COVID- 19)に伴うラグビー活動の安全な再開について」を参考
[3] オンラインでのミーティングについては、HPコーチング部門の「オンラインで行うコーチングの可能性」も参考にしてください。
[4] 怪我、疾病、不活動により低下した基礎体力や運動能力を、元の水準まで回復させることを目的としたトレーニング活動

<参考資料>
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(2020年5月14日)

厚生労働省「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020年5月14日)

文部科学省「新型コロナウイルス感染症に対応した小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における教育活動の再開等に関するQ&Aの送付について(5月13日時点)

(公財)日本スポーツ協会、(公財)日本障がい者スポーツ協会「スポーツイベント再開に向けた感染拡大予防ガイドライン

World Rugby「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴うラグビー活動の安全な再開について

Q&A (2020年5月31日)

Q:保護者は活動時の人数に含まれますか?
A:含まれません。ただし、保護者の皆様につきましてもトレーニング中はグラウンドが離れた場所で待機、もしくはグラウンドから離れた位置で、他の保護者の方々と距離(2m以上)をとるようにお願いします。また、常にマスクを着用し、大声での声援や会話は控えるようにお願いします。

Q:トレーニング再開に関しての質問は、日本協会もしくは都道府県協会への問い合わせでよろしいでしょうか?その際の特定の問い合わせ先はありますか?
A:新型コロナウイルスに関する質問は以下の窓口で一括して受けさせて頂き、後日Q&Aにて、皆様と共有させて頂きます。また、すべてのご質問に回答出ない場合がございますので、あらかじめご承知おきください。

https://forms.gle/devD6rwVN3GdYVeCA

*Q&Aは、逐次更新いたします。


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