新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴い、全世界に亙って、経済・社会・政治を始めとする様々な活動が大きな制約を受けてきました。昨今、日本においては、ようやく緊急事態宣言が解除となりましたが、今後、「第二波」「第三波」が発生するかどうか、予断を許さない状況が続いていくものと思われます。
ラグビー競技においても、全国規模の大会開催から各地域での学校・クラブにおける練習等の実施まで、多くの活動が停止せざるを得ない状況となっています。今後、各種制限の解除が進んできたとしても、所謂「ウィルスとの共存」を意識し、安全面を十二分に考慮した形での再開を考えていかねばなりません。
既に、世界統括団体である「ワールドラグビー」が再開のためのガイドラインを策定・発表しており、これらは、ウェブサイトにおいても日本語版を含め、公開されています。
ラグビーに関わる皆さんには、上記ガイドラインを十分に理解し、参考にして頂くとともに、(公財)日本ラグビーフットボール協会では、日本の国内での状況を勘案した形での「ラグビートレーニング再開のガイドライン」及び「日本協会主催大会再開プログラム」を策定、公表することといたしました。
これらは、現在の国内状況を踏まえ、感染症の専門医の監修を経て作成しておりますが、ご承知のとおり、国内においても、状況は地域によって大きく異なり、また、同一の地域でも時々刻々と変化しています。今後も、必要に応じ、取り扱い等については、公表して参りますが、今後の活動の再開に当たっては、このガイドライン、或いは、政府・自治体・(公財)日本スポーツ協会・(公財)日本障がい者スポーツ協会等から発信されている各種情報に十分に留意頂いた上で再開を検討していただきたいと考えます。
また、本ガイドラインは、特に下記の4点を意識し、作成しているものです、関係の皆さまには、ラグビーというスポーツに関わる団体であることの社会的責務、及び、ラグビー競技そのものが持つ社会的価値について強く意識を持っていただき、慎重な再開方法、再開時期の検討をお願いいたします。
■ 活動再開が選手、選手の家族、関係者、地域社会における感染拡大につながらないこと
COVID-19に感染することで多くの方に影響を与えてしまうことや、無症状であっても自らが他人に感染させ得ることを厳しく認識すべきと考えます。
■ 活動再開が地域社会のCOVID-19対応資源に負担をかけるものではないこと
ラグビーの活動再開によって、マスクや消毒液などを含む医療資源・設備の供給や医師・看護師を始めとする医療従事者への過度な負荷等の問題を発生させてはならないと考えます。
■ ラグビーの価値を大切にした活動を実施していくこと
十分な活動再開が可能となるまでの期間は、移動を伴う大会の開催、激しい身体接触が発生する試合の実施については難しいことが想定されます。それまでの間は、チームで体を動かすこと、ミーティングなどでコミュニケーションをすることなど、それぞれでチームとしての活動を工夫し、ラグビーを仲間と楽しむこと、ラグビーを通して心身を鍛えることなどの面でのラグビーの価値を大切にした活動を行ってほしいと考えます。
■COVID-19対応を含め、「安全」が最重要事項であることをプレーヤーだけでなく、関係者全員が認識して、ラグビーに取り組むこと
COVID-19感染防止に関わらず、ラグビーには激しい身体接触があり重症事故につながる可能性がある競技であることを選手、指導者、全ての関係者が十分に認識し、あらゆる面において安全な環境においてプレーすることをより一層重視してほしいと考えます。
以上
(参考)
「ラグビートレーニング再開のガイドライン」
「日本協会主催大会再開プログラム」
日本協会公式発表はこちら。