2月22日(土) キヤノン 22−10 宗像サニックス

トップリーグ 第6節キヤノン VS 宗像サニックス

2020年2月22日(土) 11:45キックオフ
グラウンド:東大阪市花園ラグビー場
入場者数:14,625人
天候:雨/微風
レフリー:真継丈友紀(日本協会A1)
アシスタントレフリー:松本剛(日本協会A1)/立川誠道(関西協会)/真鍋翔太(関西協会)
キヤノン 宗像サニックス
22 FULL TIME 10
22 前半 10
0 後半 0
詳細
(日本協会公式)

マッチレポート

あいにくの雨ながら花園には1万4000人を越えるファンが集った。悪コンディションの影響か、お互いにノックオンやパスミスが目立ち本来の持ち味が生かせない展開となった。
前半開始早々、相手ゴール直前まで攻めこんだキヤノンはラックでのボール処理をミス。こぼれ球に鋭く反応し、足に掛けたサニックスはキヤノンゴールまで運ぶ。最後は右FL7番ダン・プライヤーがトライを奪った。(0-7)。

その1分後、今度はキヤノンが攻め込み、10番SO、Japanの田村優が絶妙のタイミングのパスでトライを演出する。FB15番マイケル・ボンドが押さえてすぐさま反撃(5-7)。
雨中の悪コンディション、ノックオンやターンオーバーなどミスが目立ち、両チームとも本来の持ち味が出ないまま22-10で前半を終えた。フォワードで優位に立つキャノンは攻めあぐみ、サニックスもディフェンスに粘りがほしかった。


前半終了間際、サニックスがスクラムのコラプシング。「反則の繰り返し」で右プロップ3バディー・ライアンがシン・ビンになる。
後半開始から数的優位を得たキヤノンだが、ミスも多く攻めあぐみ、一進一退の展開に。結局、後半は両チームとも得点を挙げられずノーサードとなった。


キヤノンは3勝3敗と五分に、サニックスは2勝4敗となった。MOMは忠実な動きが光ったキヤノンのHO2番庭井祐輔に贈られた。

記者会見

宗像サニックス コーリー・ブラウン ヘッドコーチ(HC)
両チームにとってすごくタフなコンディションだったと思う。キッキングゲームで陣地はうまくコントロールできたと思う。それはチームとして上達できた。ただ、残念ながらアタックでのボールキープがうまくいかなかった。一方キヤノンは大事な場面で得点につなげることができ、サニックスはできなかった。今日はよいキャラクターが出せて、先週よりは上達できた。これを来週に持ち込めればいいいと思う。

福坪龍一郎 キャプテン
見ての通りでタフなコンディションだった。前半はスクラムでプレッシャーがかかってしまい、予想外の展開だった。エリアでは後半あれだけ敵陣に攻め込んだがトライを取り切ることができなかったことに尽きる。また試合が続くのでしっかりと修正し、次のゲームに臨みたい。

Q:スクラムで予想外に押されたが、なにかやりづらいことがあったのか?
福坪キャプテン

雨でグラウンドが濡れていたので、スリップなのかこちらが崩しているのかはむずかしいが、ウチがセットで受けていたところがあり、そこを修正できなくて結局カードまでもらうことになってしまった。

Q:攻撃面で、こうすればトライに結びつけられたのに! という点はあるか?
ブラウンHC

ボールをキープすることがすごくむずかしかった。一人一人のがんばりはよかったが、チームが目指しているストラクチャーからときには離れたプレーしていたように思う。選手達は互いをもっと信頼しあい、コールを必ず最後まで実行すること。あとはブレイクダウンでのテクニカルの部分でもう少しうまくできたと思う。

Q:藤井選手の足の状態はどうか? また彼をどう評価しているか?
ブラウンHC

パフォーマンスはいい。結構早い段階で厳しい捻挫をし、これ以上続けるのはむずかしいと判断して替えた。100%ではない状態でプレーさせるのはよくないと考えた。若く、すごくポテンシャルのある選手で、どんどんプレーすればどんどん吸収してうまくなると思う。練習もハードにがんばっている。

キヤノン アリスター・クッツェー ヘッドコーチ(HC)
タフなコンディションのなか勝つことができたことに尽きる。そしていまの段階で3勝できたことはチームにとってよかった。少し自信を失いかけたチームだったが、勝利できたことが我々に大切なことだ。前半はある程度よかったが、後半はあまりいいプレーができなかった。前半は何度かボールを持ってアタックすることができたが、このむずかしいコンディションではボールが手につかない状態も見られた。そのなかでもよかったのはセットピース、特にスクラムとディフェンスがポシティブなところだと思っている。もっとアタックをしたかったがこういう天候ではむずかしい現実もあり、とりあえずは勝利に満足している。

嶋田直人 キャプテン
すごくむずかしい天候でしっかり勝つことができてよかった。セットプレーはイーグルスの強みで、前半そこで相手にプレッシャーをかけることができた。後半は雨が強くなり、スタンドオフの田村選手と、もう少しキックを使い、敵陣でプレーしようと話しをした。相手もそのような考えで蹴ってきたときにイーグルスがイージーなミスをしすぎて自陣に釘付けになってしまったシーンが多くあったが、この試合に向けての一週間はシンプルなところにフォーカスを当てた。ディフェンスは一人目が下に入り、2人目がボールを殺す。時間をかけて練習をしてきて、試合で実践できたことが、後半のむずかしい場面を乗り切れたと思う。いいところと反省点をまたチームに落とし込み、次の試合に向けてまたいい準備をしていきたい。

Q:試合終了後に田村選手が左太腿の裏を気にしていたが次の試合に出られるのか?
クッツェーHC

非常に寒い天候だったので、キックをする選手そしてバックスの選手には筋肉系のケガが起きてしまいやすい。ハムストリングスのケガだと思うが、それがどれくらいのケガかはまだドクターの見解が出ていない。まずはドクターに診断してもらい、来週への準備を考えたいができるかぎりポシティブに来週へ向けて臨みたい。

Q:田中選手はどこのケガで、復帰への目途は?
クッツェーHC

足首の靭帯のケガだと聞いている。先週まではリハビリをやっており、月曜に回復具合のレポートをもらうことになっているので、その診断結果次第だ。先週見た限りではジョギング程度はできていた。

Q:前節までは連敗が続き、どのようにチームのムードを切り替え、どう改善したのか?
嶋田キャプテン

フォーカスするところをシンプルにした。この試合に向けての大きなテーマは、基本をしっかり見直そうというところ。アタックだと早くセットすること。倒れてからもう一回起き上がってファイトすること。ディフェンスだとドミネートし、しっかり前に上がり、一人目が下に入り、2人目がボールを殺す。アタックとディフェンスでシンプルなところにフォーカスし、それが毎回の練習でできているかどうかをレビューしてきた。それが今日よかったのかと思う。

Q:むずかしいコンディションでスクラムを押せたのはなにがよかったのか?
嶋田キャプテン

セットプレーはイーグルスの強みであり、スクラムにこだわって練習をしている。
フロントローががんばればOKではなくて、8人で組もうと話をしている。押す方向にもこだわっている。この試合で押せるとスクラムコーチから聞いていたし、この天候なのでフォワード戦で勝とうと話していたし、そこにかける思いは強かった。

(文責:大阪府協会 丸井康充、長澤良行)

フォトギャラリー

■撮影者:古田浩