2月22日(土) NTTドコモ 3−40 パナソニック

トップリーグ 第6節NTTドコモ VS パナソニック

2020年2月22日(土) 14:00キックオフ
グラウンド:東大阪市花園ラグビー場
入場者数:18,056人
天候:雨のち晴れ/弱風
レフリー:デイビッド・サザーランド
アシスタントレフリー:橋元教明(日本協会A1)/八木聖也(関西協会)/嵯峨慶二(関西協会)
NTTドコモ パナソニック
3 FULL TIME 40
3 前半 21
0 後半 19
詳細
(日本協会公式)

マッチレポート

第1試合からの雨が降り続く中、この試合も1万8000人を越える人たちが見守った。好タックルや、素晴らしいつなぎなど「さすが」と思わせる光るプレーが随所に出たものの、やはり悪コンディションの影響か、お互いにノックオンやパスミスなどのミスも目立った。

前半、ドコモは早々の5分、相手反則で得たPGをSO10番マーティ・バンクスが確実に決めて幸先のよいスタートを切った。
その後、ドコモは好ディフェンスで対抗したが、相手陣で試合を進めるパナソニックは22分、ゴール前5mのラインアウトからモールを形成、最後はHO2番下釜優次が押さえて逆転に成功(3-7)。地力を発揮したパナソニックはその後も29分、33分とトライを奪い3-21で前半を終えた。


後半に入ってもお互いにミスが多かったが、前半からのドコモの粘り強いディフェンスは継続されていた。それでもパナソニックはドコモのシン・ビン(ノーバインドでラックに入る危険なプレー)での数的優位な中、着実に加点。2、26、34分にトライをあげて3-40で危なげなく勝利した。パナソニックは開幕6連勝、ドコモは1勝5敗となった。

記者会見

NTTドコモ マイク・ブリューワー ヘッドコーチ(HC)
この2試合は大量失点があり、精神的にもチームは踏んばりどころだと感じていた。先週一週間は特にディフェンスシステムにてこ入れ、見直してきた。今日のグラウンドでその練習をしてきたことが出せた。フェーズを重ねられても相手のミスを誘ったり、この天候だったので相手のハンドリングミスを誘発したり、ある程度はプラン通りにできたと思っている。
この点差になったのは自分達の小さなミスや、コミュニケーションのミス、ひとつのスクラム等、ひとつの不注意だったりそのような細かいところだと思う。まだトップリーグは続くので、またディフェンスシステムの強化と小さなミスをなくすチーム内の厳しさをもう一度見つめ直し、リコー戦に向けていい準備をしたいと思う。
今はポシティブな気持ちでいる。

金勇輝 ゲームキャプテン
見ての通りでタフなコンディションだった。前半はスクラムでプレッシャーがかかってしまい、予想外の展開だった。エリアでは後半あれだけ敵陣に攻め込んだがトライを取り切ることができなかったことに尽きる。また試合が続くのでしっかりと修正し、次のゲームに臨みたい。

Q:ディフェンスシステムはどのあたりを見直したのか?
ブリューワー HC

ご覧の通り、ディフェンスの幅をもっととった。選手の判断のところだ。日本の高校・大学でラグビーを経験してきた選手達は結構ラックに寄ってしまう傾向がある。それをしてしまうとディフェンスの幅がかなり狭まってしまう。練習でいろいろな状況をつくり、状況に応じてブレイクダウンで仕掛けるべきなのか、そうでないのかを徹底した。タックルテクニックにはまだまだ課題が多い。自分達のタックル成功率はトップリーグで10位だ。
基本的には理解度を高めたこと。そして判断力を養った。あとは幅を保った。後半はいくつかの状況で判断はよかった。いい判断をしてタックルエリアで人数をかけ、ターンオーバーをし、ペナルティももらえたシーンがあった。そういう練習を繰り返してきて、いい結果がついてきたと思う。ただ、点を取らないと勝てないので、そこもディフェンスと並行してやらねばならない大きな課題だ。

Q:これだけ失点が続くと会社でもつらい雰囲気があったのでは?
金ゲームキャプテン

いろいろな反応があり、ホームページやSNSには厳しいコメントがあったが、社内に戻るとしっかり支えてくれている。応援してくれている雰囲気を感じていて、がんばらねばと思っている。ひとつだけ試合前に話していたのは、コーチ・ファン等の支えはあるがまずは横の味方のために体を張ろうと。試合中にインゴールで集まったときもしっかり隣のやつを助けて自分の役割を遂行しようと。目はウチに向けて自分達でコントロールできるところをもう一度がんばろうと思っている。

パナソニック ロビー・ディーンズ ヘッドコーチ(HC)
今日花園で試合ができてうれしく思う。このすばらしいピッチで試合ができたことをチームとしてうれしく思う。今日はピッチも天候もむずかしいコンディションのなか戦い、我々が欲しかった結果を得られてうれしく思う。今日は4人の選手がデビューし、チームとしても次のフェーズに進めると思う。ハミッシュ・ダルゼル、島根一磨、スリアシ ・トル、高城佑太、この4人の選手がデビューを飾り、彼らのレベルが上がったのと同時にチームにとっても彼らか経験を積めたことはプラスに考えている。先週とはメンバーが変わり、チームの連係が乱れる場面があったり、ドコモもむずかしい相手だったが、彼ら4人のチャレンジをチームで受け止めることができ、このような結果になった。

谷昌樹 ゲームキャプテン
セットプレーが安定せず、天候の影響もあったがそれでもエリアを取り、自分達のディフェンスをすることで相手にプレッシャーを与え、得点につなげることができ、自分達にはいいゲームになった。

Q:SO山沢拓也、CTB松田力也のスタメンだったがその意図は?
ディーンズHC
CTBのダミアン・デアリエンディ選手のケガがひとつの大きな要因だ。SO山沢 CTB松田のコンビもチームとして長くやってきているので、問題なかった。

Q:CTB竹山晃暉への評価は?
ディーンズHC

今年新人だが徐々にトップリーグにも慣れてきて、チームにも順応してきている。WTBがトライを取り切るということはチームとしてもいい傾向だと思う。彼自身もボールをただもらってトライするだけではなく、自分でボールをもらいに行き、むずかしい動きをしたなかでトライをしていることは彼の自信になっているし、チームとしても彼を信頼できる要素になっている。

Q:竹山のポテンシャルは?
ディーンズHC

徐々に成長していると評価している。波がなく、毎週毎週非常によい成長曲線を描いている。あとはハードワークができる力と、パフォーマンスの一貫性を保つことができればなにごとでも成しえることができると思う。

Q:力関係では勝ってあたりまえの相手からなかなか点が取れなかったフラストレーションはあったか? そして終われば点差があった。なにがどう順応したのか?
ディーンズHC

今週は様々なメンバーが変わったなか、リーダーシップが欠けたり、コミュニケーションが欠けたりとかで前半に得点を重ねられなかった。ただ、試合に出た選手がステップアップし、試合のなかで成長を見せ、最終的に気持ちのこもったドコモに対し40点が取れたことはチームとして非常にうれしく思う。谷キャプテンも言ったように、我々は今日の結果に満足しており、試合に出た選手が経験を積めたことをポシティブにとらえている。デビューした選手はチームの柱になる大事なポジションの選手であり、彼らがトップリーグのレベルに順応し、このようなパフォーマンスを見せてくれたことは評価している。
我々には堀江翔太がいるが、その選手が毎週毎週80分を走れるか?それはラグビーの性質上非常にむずしいので、今週はこのようにいろいろな選手を起用したことで来週に堀江翔太はフレッシュな状態でチームに戻ってくることを期待している。堀江だけではなく、ホワイトロックやデアリエンディもフレッシュな状態で帰ってくることを期待している。

(文責:大阪府協会 丸井康充、長澤良行)

フォトギャラリー

■撮影者:古田浩