1月9日(日) 奈良工業高専76−17久留米工業高専  全国高専大会 決勝


第52回全国高等専門学校大会 決勝
2022年01月09日 12:00 K.O.
入場者数:人 天候:
レフリー:山本篤志(日本協会A)
アシスタントレフリー:下田紘朗(関西協会) / 椿原歩(関西協会) / 辻宏伸(関西協会)
奈良工業高専 久留米工業高専
76 FULL TIME 17
33 前半 7
43 後半 10
詳細(日本協会公式)

試合映像(FULL)

マッチレポート

登録メンバー23名ながら、よく鍛えられた個々が、与えられた役割を確実に果たした奈良高専が完勝、4連覇・5回目の優勝を果たした。

風下の奈良高専先蹴で始まったゲームは、序盤より積極的なアタックを繰り返す奈良に対し、久留米は懸命なディフェンスで応戦する

6分、カウンターアタックから奈良FB15市原が深く切り込み、ゴール前でモール形成。最後はLO5土田が飛び込みトライ。(ゴール成功7-0)

10分、奈良がラインアウトからモールを押し込みトライ。12-0とした後、久留米も反撃。奈良陣10m付近でターンオーバーすると、左展開からFB15樋口が持ち込み、奈良ゴール前ラックに。
右展開からSO10山本がゴール前に絶妙なパント、WTB14福永が押さえトライ。ゴールも決まり12-7とする。

慌てない奈良は、ここから縦に持ちこむ忠実なプレーを続け、16分、20分、29分とコンスタントにスコアし、前半を33-7で折り返す。

後半も攻撃の手を緩めない奈良は、7トライを重ね最終スコア76-17で5年生8名の有終の美を飾ったが、久留米もあきらめず、後半に一矢を報いるなど、決勝にふさわしい締まったゲームとなった。

今大会は、ノーシードながら地力に勢いを重ねた久留米の健闘が光り、中四国代表2チーム宇部、津山も着実にレヴェルアップしている印象を受けた一方、直近10大会で複数回の優勝実績を誇る、
神戸市立、仙台名取が、部員数の減も相俟って初戦敗退するなど、勢力図に大きな変化がみられた。

廣島 治)

会見レポート

久留米工業高専
松島宏典監督
1回戦からタフな試合が続いたのですがよくここまで勝ち上がってくれたなと思っています、今日は奈良さんが強くてこういう結果になってしまいましたが、また帰って一からチームを作っていきたいと思います。

柿野航輝キャプテン
キャプテンになって一年間全国優勝を目指してやってきました。自分は準決勝で負傷してしまいましたが、皆が胸を張って戦ってくれたことに感謝しています、奈良高専は強かったですが、チームとして3トライをとれて次に向けて良い歴史を作れたと思っています。

・この大会を通してチームとしてどこが成長したと思うか?
松島監督
ポイントは1回戦の仙台名取に勝ったことで、チームが上昇志向になって、試合をするごとに良くなってきたと感じました。

・ノーシードで1試合多かったのは影響したか?
松島監督
後半に失速したので、やはり影響はあったのかと思います。

・奈良との一番の違いは?
松島監督
やはり接点ですね、ファーストタックルで倒しきれなかったところがこういう結果になったと思います。

柿野キャプテン
接点とフィジカルです。

・これまで相手チームをノートライで押さえてきた奈良に対して3トライとれたのは?
松島監督
チームとして強みが出たところで3トライとれました、よく頑張ってくれたという印象です。

奈良工業高専
森 弘暢監督
今日の試合で選手たちに伝えていたことは、接点、コンタクトシュチエーションでどれだけ優位に立てるかを第1の課題として取り組もうと臨みました。
コンタクトに勝てば持ち味であるボールの展開力が生きてくるだろうと思っていました。とにかく前へ出てボールを動かそうと取り組みました。

甲元蓮羽キャプテン
久留米高専さんは勢いがあったので、自分たちはひたむきに自分たちのラグビーを貫いて勝つというところにフォーカスして取り組んだのが今日の結果だと思います。

・決勝戦での大会史上最多得点ですが
森監督
うちはFWで崩してバックスで仕留めるというスタイルを追求してきたので、点差が開くことで自分たちのスタイルが崩れてしまうことが心配でした。その部分で若干の修正はしましたが、やってきた事は出せたと思います。

・FWの集散も非常に早かったが
森監督
近畿予選での課題がFWの集散だったので、そこを全国大会の課題とし、結果、よく反応してくれたと思います。
うちはウェイトリーダーをチームに設けて、彼が1年間を通してフィジカルを作ってくれましたので、そのウェイトリーダーに対する想いも出してくれたと思います。

・2試合ノートライに押さえていたが、今日は3トライとられたことについて
森監督
久留米さんは11番14番と非常にいいランナーがいるので、その二人を走らせないようにしようと思っていました。

・4連覇に対するプレッシャーは?
森監督
学生スポーツは毎年チームがかわり、1年1年が勝負なので連覇はあまり考えていませんでした。

・今日のベストのトライは?
森監督
最後から2つ目の2番のトライですね。この10年くらいうちのチームはFW・BKが一体となったハイテンポ、縦ラグビーを目指していましたが、まさにその象徴のようなトライでした。感動しました。

・キャプテン、最後に泣いていましたが?
甲元キャプテン
自分自身、話すことも上手くない、プレーも上手くないので監督やチームメイトに迷惑をかけていましたが、頼れる仲間と教えてくださる監督さんがいて、支えてくれる保護者とOBさんがいて、いろんな方々への想いがこみあげてきて、泣いてしまいました。

・このチームの特徴は?
森監督
最上級生の5年生が多いので、経験値を下級生に伝えることができたところです。責任感をもってよく面倒を見てくれました、ありがとうと言いたいです。

・来年にむけて
森監督
うちに限らず高専ラグビーの良いところは、「ひたむきさ」なので、まずはそこを忘れずに、5年生が造ってくれた光景をつないでレガシーを作っていきたいと思います。

(北畑幸二)


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