12月18日(土) 明治大学 vs 天理大学
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レフリー:真継丈友紀(日本協会A)
アシスタントレフリー:北村浩士(日本協会A) / 大内想太(関西協会) / 河村隆史(関西協会)
明治大学 | 天理大学 | |||
27 | FULL TIME | 17 | ||
17 | 前半 | 3 | ||
10 | 後半 | 14 | ||
詳細(日本協会公式) |
マッチレポート
第58回大学選手権4回戦は、関東対抗戦3位の明治大学と関西リーグ3位の天理大学の対戦となった。花園ラグビー場には好カードを期待するファン6870人が見守るなか、明治のKOで始まった。
序盤から明治がスクラムコンテストで優位に立ち天理を苦しめる。
天理は9分、G前35m中央からSO⑩福本優斗のPGが成功し、幸先よく先制する。
明治も12分、CTB⑫廣瀬雄也がG前23m左からPG狙うが決まらない。しかし明治は直後の13分、G前22m中央スクラムからキャプテンSH⑨飯沼蓮が右サイドを抜け出し右中間にトライ、5-3とリードを奪った。
天理も18分、G前中央35mでSO⑩福本がPGを狙うが不成功となる。
26分、明治は22m中央ラックから右へ展開し、CTB⑫廣瀬がWTB⑪松本純也へのキックパスを決めWTB⑪松本がトライ、Gも成って12-3と点差を広げる。さらに41分、明治はG前5m中央ラックからCTB⑬江藤良が左中間トライ、17-3で前半を終えた。後半は天理のスクラム対策に注目したい。
しかし、後半に入っても明治のスクラムでの優位は動かない。
17分、明治はG前5mポスト左のスクラムで天理が故意に崩したとしてペナルティトライを得た
24-3。これ以上離されるわけにはいかない天理は18分、G前7m中央ラックからFL⑦服部航大が抜け出し抑えた。SO⑩福本のGも成功し24-10と追い上げる。
勢いに乗る天理は続く21分、HL中央のラックから走力のあるWTB⑪ナイバルワガ トマシが抜け出し、50mを走りきってトライを上げた。G成功して24-17。
1トライ1Gで追いつける展開になったが、追い上げもここまで。
明治は33分、26分にCTB⑬江藤と交替した㉒齋藤誉哉のPGが決まり27-17となってノーサイド。明治が終始スクラムで圧倒、天理に勝って昨年のリベンジを果たした。
会見レポート
天理大学
小松節夫 監督
関西リーグ3位で、明治大学も関東対抗戦3位と同じ3位同士で関西の意地を見せ、何とか勝とうと準備して戦った。スクラムで圧力を受け自分達のテンポが発揮できなかったのが敗因だった。しかし、最後まで良いトライも取って、後半20分頃に得点を重ねたら勝っていたかもしれず課題として残るが学生らも諦めずに良く戦ったと思う。
佐藤康 キャプテン
試合を通してセットプレーで相手に80分間優位にたたれたのが反省だ。しっかり準備していればこの様にはなっていないし悔しい。
Q:スクラムでの状況を振り返って聞きたい。
佐藤キャプテン
3番大賀選手のヒットを受けてしまい修正したが上手くいかなかったのが要因だった。
Q:後半点数が離れた時、キックオフで良いデェフェンスがあり追い上げるトライを決めたがどのようなマインドだったか。
アシペリ・モアラ 選手
フォワードから良いマインドを作ろうと思った。
Q:昨年のメンバーが多く抜けた今季だったが、今季の難しさを感じた部分を聞きたい。
小松監督
メンバーが多く変わる中で、春先にケガ人が出てしまったことでチーム作りが上手くいかず、春夏と来てシーズンになり復帰し試合のたびに成長があったので、選手権になっても継続できると思ったが今日の敗戦は非常に残念だ。
佐藤キャプテン
去年のメンバーが抜けたのは大きかったが、シーズンを通して皆で成長していこうと、秋シーズン近大戦の負けに始まり成長はしてきたが、最後この場で勝ちきれない弱さを来季に繋げて欲しい。
Q:昨年はメンバーが固定された戦いだったが、今年は総力戦で色んな選手が活躍し試合のたびに選手が変わる難しさを聞きたい。
佐藤キャプテン
試合に出ることを勝ち取った選手なので問題はないし、今日の試合には影響していない。
明治大学
神鳥裕之 監督
ノックアウトゲームで、プレッシャーのあるタフなゲームになると想定していたが、想定通りの厳しいゲームだった。前年度チャンピオン天理大の最後まで諦めない姿勢に我々は苦労したが、プレッシャーを跳ね除け次の戦いの権利を得た。4年生を中心に感謝したい。次の早稲田戦に向け準備していきたい。
飯沼蓮キャプテン
リードして迎えた後半にスクラムで認定トライを取れたが、隙を見せ2トライを取られたので、修正する部分もあり優勝するには隙を見せてはいけないと感じた。対抗戦で2敗しテーマを「ハングリー」と設定し全員でポジティブに準備してきた。
Q:23番石田選手をベンチスタートしたことと15番雲山選手を入れ替えたタイミングのことを聞きたい。
神鳥監督
石田のコンディショニングはフルの状態でなかったが、必要な時間帯があると判断し起用した。雲山の判断はコーチとも相談し試合前から想定していたので、これから先色々なポジションを含めたなかでの判断だった。
Q:雲山選手は調子良さそうに思ったが。
神鳥監督
ここ数試合、本人も満足しないパフォーマンスだったが、今日はキックを使って前に出してくれたり助けるプレーもありこの先も良くなると思う。
Q:試合終盤ジャッカルを決め皆大喜びだったが。
飯沼キャプテン
対抗戦2試合パフォーマンスが良くなくて、チームにフォーカスは当たり前だが個人として出来なく、大石にチームに任せていいからと言われてから本来の自分に戻れた。
Q:早稲田戦はスクラムで勝てて試合に負け、今日はスクラムに勝ち試合にも勝てたが、どの様に考えているか。
神鳥監督
セットプレーが良ければ優位になるのがラグビーのセオリーで、選手たちは自信があったし次の早稲田戦にもぶつけていきたい。
Q:早稲田戦は短い時間が壁になるが、今後1週間の取り組みを聞きたい。
神鳥監督
特別新しいことを加えると言うよりも今までやって来たことの精度を高め、メンタリティでは一度負けているので取り返したい強い気持ちに向かせて準備していきたい。
Q:最近は対抗戦と選手権の結果が逆になっていることを知っているか。
神鳥監督
そうあって欲しいと思っている。
Q:スクラムで前半の最初からかなり押していたが、一番近くで観ていてFWの迫力はどうだったか。
飯沼キャプテン
明治はスクラムに自信を持っていて、ヒットの瞬間に完全に勝てた。フロントローが自信を持ち、ペナルティでもスクラムを選択しFWのお陰で勝利できた思う。
Q:FWから大きな声がでていたが、誰の声で勢い付いたか。
飯沼キャプテン
天理もスクラムで盛り上げていて、試合前に皆で声を出そうと決め大賀とか途中で入ってきた亀井が声を出し後半に勢い付けてくれた。
Q:キャプテンが最初のトライを取っての振り返りを聞きたい。
飯沼キャプテン
この2週間、自分にもフォーカスし強味を考えアグレッシブに攻め、隙を見つけトライを狙いにいった。
Q:チームのことを多く考えることで苦しんだこと聞きたい。
飯沼キャプテン
対抗戦で2試合を落とし、大石や江藤のリーダー陣と一緒にキャプテンとしてリーダーシップをフォーカスし、チームの悩みをクリアにしてきた。
Q:早明戦の後、どの様に天理戦に繋げたのか。
飯沼キャプテン
明治はクイックテンポで色々とバリエーションでやってきたが、対抗戦の課題も未々だができてきたと思う。
Q:去年は大差をつけられ敗れた相手だったが、キャプテンとしてどの様な意気込みだったか。
飯沼キャプテン
ミーティングでも去年負けた天理、対抗戦で負けた早稲田、(勝てば)東海や帝京と戦う可能性がある。全部リベンジでき、ストーリーがある。険しい道のりだが、全部勝って優勝のストーリーを監督がおっしゃり、感極まるミーティングだった。最初のリベンジとして天理に勝てたゲームだった。
Q:冒頭にあった24対3で隙があったということで、どうしたら改善できそうか。
飯沼キャプテン
認定トライをもらい隙ができそうだと思い、勝つべきチームは隙を見せないと言った。気の緩みがあり選手権は負けたら終わりなので、覚悟を持って重みあるプレーが大切だと思う。
Q:天理との対戦で去年と今年の違いを聞きたい。
飯沼キャプテン
特にアタックで速いテンポで前に出られて、今年はデェフェンスに力を入れて接点で前に出さなかったのが違いだと思う。
Q:最初から気合の入ったスクラムだったが、準備してきたことや上手くいったところを聞きたい。
大賀宗志選手
去年天理に負けた大学選手権だったが、今年はFWとして個人でしっかり組むことを言ってきて結果を出せた。
Q:良い声が出ていたが理由を聞きたい。
大賀選手
天理も声出しで乗ってくるチームなので、負けない気持ちで声をだしていた。
Q:後半のスクラムトライやペナルティトライでも良い声が出ていたが。
大賀選手
スクラムトライは初めてだったことと、FWから流れを作ることができ嬉しくて声が出てしまった。
Q:来週は負けた早稲田戦だが、抱負を聞きたい。
大賀選手
FWから流れを作ることと今日の課題を修正してリベンジしたい。
Q:スクラムを組んで相手より良かった点を聞きたい。
大賀選手
組む前に間合いを取って相手の間合いで組ませない、ヒットチェイスができていたことだ。
Q:天理の去年のフィーリングと今年のフィーリングの違いを知りたい。
大賀選手
去年は組む前から掛けてくるチームだったが、今年は天理が変わったとかじゃなく自分達がレフリングとか間合いを取って組めたことだと思う。
Q:課題のポイントを聞きたい。
大賀選手
FWの強味としてスクラムを全面に出し、FWとBKSが一体となり前へ前へと出ていきたい。
伊藤耕太郎選手
BKSとしてはFWが流れを作ってくれたが取りきれなかったところで、今後相手FWも強くなってくるので修正していきたい。
Q:スクラムで天理3番に対応し、それでも終始圧倒できた理由を聞きたい。
大賀選手
後半スクラムを変えてきたが、自分達の組み方に集中できたことで優勢を保てた。
Q:春夏に2試合し今日の結果に繋がっているのか。
大賀選手
スクラムの対策が分かっていても自分達のスクラムを組むことで、やって来たことが結果に繋がったと思う。
Q:試合ができない状況の中で、リザーブ選手が相手になってくれたりしてくれた思いなど聞きたい。
大賀選手
試合以上の強度と高いクオリティで練習でき感謝している。
Q:BKSの決定力を上げるにはどうするかを聞きたい。
伊藤選手
アタックでミスを無くしクオリティを高めていきたい。
(文責:大阪府協会 南昌宏)