マッチレポート
第2試合は、昨年と同じ関西大学リーグ1位の天理大学と、1回戦筑波大との引き分け抽選で2回戦進出を果たし、4強入りを目指す関東大学リーグ2位の流経大学の対戦となった。
天理大は終始、攻守にFW、BK一体となった押し上げるプレーから流経大の反則を誘い大差のゲーム展開となった。一方、流経大は後半にCTB⑬ヴィリアメ・タカヤワの起点から15、26、39分の3トライに結びつけたが、天理大の圧力に屈し残念な結果となってしまった。
試合は天理大のK.O.で前半が始まった。
8分、天理大G前中央のラックからロック④アシペリ・モアラが飛び込みトライ、スタンドオフ⑩松永拓朗のGも決まって7-0と先制した。
11分、天理大はハーフウェイ左のラインアウトからクイックスローインし、反応したNo.8⑧山村勝悟からのパスでWTB⑪マナセ・ハビリが押さえた。
更に14分、センター付近のラックから右ラインに参加したプロップ③小鍜治悠太がトライし、縦横無尽なアタックで流経大を圧倒。
23分にも敵陣10mラックから右展開してWTB⑭土橋源之助がトライを奪った。
31分、敵陣22mラックからの相手パスをフッカー②佐藤康がインターセプトしそのままGへ走り込み、40分にも自陣10mラックから右展開しCTB⑬シオサイア・フィフィタがトライし、ラックの連取などで6トライを重ねた。流経大は反則が目立つ展開だった。
後半に入っても天理大は攻撃の手を緩めない。早々の1分、ハーフウェイラック左からのスタンドオフ⑩松永のキックパスをWTB⑭土橋が見事キャッチしトライ。5分にもセンタースクラムからサイドアタックを仕掛けてラックから右展開しフッカー②佐藤がこの日2本目のトライを奪った。8分、敵陣でのキックからラックを連取し、最後はWTB⑪マナセがトライと、前半の勢いが止まらない。
このままでは引き下がれない流経大も15分、自陣25m付近で相手ボールをインターセプトしCTB⑬ヴィリアメのキックパスをWTB⑪中西海斗がキャッチしてトライ、FB⑮河野竣太のGも決まって7点を返した。
天理大は18分にゴール前5m中央のペナルティからのクイックスタートでフランカー⑦松岡大和、31分、22m右ラインアウトから左展開しCTB⑬シオサイア、34分、22m左のラックからの展開で前半33分からNo.8山村に替わって入った⑲ナイパルワガ・セタ、とトライを重ねた。
流経大も26分、G前右ラインアウトからモールを形成、最後はフッカー②松田一真がトライし、更に39分、自陣ゴール前からキックされたボールをFB⑮河野がインゴールへ蹴り込み押さえたが反撃もここまでとなった。
この結果、天理大は来年1月2日の準決勝(秩父宮)で関東対抗戦1位の明治大と対戦することになった。
試合後コメント
流通経済大学 内山達二・監督
天理大の強烈なプレッシャーの中、我々が思っていたラグビーが展開できず、自分たちがやりたいラグビーがさせてもらえなかった。しかし、このコロナ禍にあって、学生たちは1年間、きょうの試合まで今までにない厳しい状況の中、キャプテンを中心にチーム一丸となってここまできた。大敗はしたが力を出し切ったゲームだった。
流通経済大学 坂本侑翼・キャプテン
この状況下の中で、こうして試合ができることを幸せに思う。協会の皆様、応援してくださった皆様、天理大の皆様、ありがとうございました。筑波大戦後のこの1週間、しっかり準備をしてきたが天理大のパワフルなアタックでペースにのられてしまいこのような結果になった。自分たちのラグビーができなかったのがきょうの印象。まだまだできるとは思っていたが残念だ。
流通経済大学 松田一真・バイスキャプテン
このように試合ができたことに感謝している。天理大の分析はしたが、それ以上に間近でプレーしてみるとプレッシャーは全然違い、自分たちの弱さが出てしまい残念だ。天理大は非常に強いチームだった。
Q.筑波大戦の疲れはあったか?
坂本キャプテン
この1週間はリカバリーにあててきた。勝つという気持ちが強く、疲れは感じていなかった。ウォーミングアップからみんな体が動いており、動けている印象だったが、試合になると変わったなあと印象があった。
天理大学 小松節夫・監督
我々は流通経済大のアタックに対してしっかりプレッシャーをかけたディフェンスをするということで準備してきた。前半はプレッシャーがいい形で効いていて、相手の攻撃を寸断できた。そこからターンオーバーで得点できたのがきょうの勝因だと思う。最後メンバーを替えてからトライを取られたのが次に向けての反省点。しっかり修正して次のゲームに臨みたい。
天理大学 松岡大和・キャプテン
流通経済大のアタックに対してディフェンスでプレッシャーを与えることをテーマにしてきた。前半、全員が体を張ってハードワークした。相手の流れになったときゲインされたところのリアクションの部分は課題。次の選手権の試合に向けて準備していきたい。
Q.関東勢との対戦で感じたこと、得られたことは?
松岡キャプテン
関西より体が大きく重さもあり、ブレイクダウンでの判断でリアクションが早く、関西との差かと思った。関東のチームとの対戦はきょうが初めてだった。
Q.その対応は?
松岡キャプテン
アタックでは「継続」をテーマにしており、ブレイクダウンへの寄りは練習の時から言い続けてきた。ディフェンスではしっかり判断してしっかりリアクションして立て直すように話していた。全員の判断がよかった。
Q.同志社大が出場辞退、京産大も3回戦で敗退し関西最後の砦で、きょうの試合にどういう気持ちで臨んだか?
松岡キャプテン
この1年間、同じ関西のチームとして辛い日々を過ごした。自分たちもクラスターが発生し、同志社大学の気持ちは非常によくわかり、悲しい気持ちになった。他の関西の大学のチームの気持ちの思いも背負って試合に臨もうとチームに話した。先輩方がこれまで培ってきた思いなどを背負って臨もうとも話した。
Q.アシぺリ・モアラ選手の評価は?
小松監督
ブレイクダウンやディフェンスなど派手でない部分で頑張ってくれている。きょうも気の利いたプレーがチームに貢献しており、非常にいい活躍をしている。少し足を気にしていたので早めに替えたが、次も頑張ってくれると思う。
Q.ベスト4を超えるために意識することは?
松岡キャプテン
昨年の早稲田大戦では準備ができていないという課題が残ったので、今回はいい準備をして臨みたい。
Q.明治大の印象は?
松岡キャプテン
明治大も体を当ててきてプレッシャーを与えてくると思うが、自分たちもアタックでもディフェンスでもしっかり体を当てにいきたい。
Q.きょうの試合でのセットプレーは?
松岡キャプテン
スクラムもてこずっていなかったし、8人で固まって押せていたし、ヒットも問題なかった。自分たちのやってきたことを出そうと話していた。試合ごとにレベルアップしている。
Q.大学選手権の舞台に戻ってきてどんな思いを胸に戦ったか?
松岡キャプテン
全員が悔しい思いをしてきた。先輩方も悔しい思いをしてきたので、その思いも背負って選手権に臨もうと言ってきた。昨年の早稲田大に負けた悔しさもあり、チャレンジャーとしてしっかりいい準備をしたい。目標は日本一だが、まずは一戦一戦を大事にして、次の試合に向けてのいい準備をして勝ちにいきたい。
Q.明治大戦への準備は?自分たちの成長具合は?
松岡キャプテン
セットプレーを含め相手がどういうアタックをしてくるか、どういうディフェンスかをしっかり見て、自分たちがどうしていかなければならないかを考えて準備する。今年は試合をする機会がなく、親善試合、関西リーグ、大学選手権の試合を通してレベルアップしていくしかない。試合を意識した練習が大切で、明治大、早稲田大はもっとボールを動かしてくる。100%中60%〜70%で、チームは仕上がっていない。
Q.初めての大学選手権の感想は?トライの心境は?
天理大学 ⑪マナセ・ハビリ・選手(1年生)
最初は緊張したが最初のトライが取れて楽しかったし、トライできてうれしかった。
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