トップチャレンジリーグ2ndステージ 第3節近鉄 VS NTTドコモ
2018年12月9日(日) 14:00キックオフ グラウンド:キンチョウスタジアム 入場者数:4520人 天候:晴れ/弱風 |
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レフリー:辻原潤一郎(日本協会A2) アシスタントレフリー:橋元教明(日本協会A1)/小原淳一(関西協会)/西本武史(関西協会) |
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近鉄 | NTTドコモ | |||
6 | FULL TIME | 20 | ||
6 | 前半 | 0 | ||
0 | 後半 | 20 | ||
詳細 (PDF) |
マッチレポート
本格的な冬の訪れ。日差しを隠す寒々とした冬雲が熱い戦いを展開したリーグ戦の終幕を告げている。トップチャレンジリーグ2ndステージの最終節、2018年度の順位決定のキーとなる一戦が大阪「キンチョウスタジアム」で行われた。
雌雄を決する戦いに臨むのは、1stステージを1位で勝ち上がった近鉄ライナーズと2位につけたNTTドコモレッドハリケーンズ。2ndステージでは、ここまで1勝1敗の近鉄と2勝のNTTドコモだが、1stステージの対戦では近鉄が僅差で勝利している。今シーズンはトップリーグへの自動昇格がないため、両チームともこの一戦を足掛かりに、入れ替え戦に向けて少しでも有利な立場を確保したいところ。見どころいっぱいの大阪ダービーは近鉄のキックオフで熱戦の火ぶたが切られた。
試合は風上に位置した近鉄がキックオフの勢いでNTTドコモ陣に殺到するなど序盤から優位に試合を進めるもトライに結びつけることができず、両チームともキックの応酬と堅いディフェンスの試合運びで、こう着状態が続く。
得点が動いたのは、31分。NTTドコモのシンビンで数的優位ができた近鉄が圧力をかけ、ノットロールアウェイの反則を誘う。ここで10番野口大輔がPGを確実に決め3-0とリードする。近鉄は、その後もスクラムを押し込むなど優勢なFWを背景にさらにPGを重ね、6-0とリードして前半を終える。
サイドが変わった後半、戦局の転換を図りたいドコモは5番ロック、ヴィンピー・ファンデルヴァルトから19番杉下暢、6番左フランカー衛藤陽介から20番ハリソン・ブリューワーへ戦術的入れ替えたが、これが奏功。
2分、ゴール前左中間のラックから出たボールを12番パエアミフィポセチが長いパスを繰り出し、最後は入れ替わった杉下がゴールを割ってこの試合初のトライを挙げる。10番佐藤善仁のゴールも決まって6-7と逆転。
9分にも、12番ミフィポセチの巧みなステップワークからFW陣が相手ゴール前に攻め込み、反則を誘ってPGを決め、追加点を挙げる(6-10)。
この後、近鉄が必死に反撃、フェイズを重ねて再三相手陣ゴールに迫るが、NTTドコモの堅いディフェンスの前に得点に結び付けられない。逆にNTTドコモはFWが奮闘。運動量の落ちた近鉄に対しスクラムで優位に立つ。ロスタイムに入った42分、近鉄は自陣ゴール前のスクラムで、NTTドコモのトライを狙った押しをこらえ切れずコラプシング。これがペナルティトライとなり(6-17)、勝負あり。
さらにノーサイド直前の47分、NTTドコモは15番リアンフィルヨーンがダメ押しとなる30mのPGを決め、6-20で大阪ダービーを制した。
NTTドコモはリーグ1位、近鉄は3位で12月23日に行われる入れ替え戦に臨む。
会見レポート
近鉄
有水剛志ヘッドコーチ
チャンスでトライを取り切れなかったところが敗因の一つ。あと、ブレイクダウンでターンオーバーがあれだけ出るというのはボールキャリーとサポートがよくなかったということ。そこでドコモさんに上回られてしまった。特に後半、運動量が落ちたこともあるが、キャリーがタックルされた瞬間に倒れているし、サポートもプレーヤーの寄りが一歩遅い。
ゲームプランとしては問題なかった。ペナルティも取られたが、そこはうちがプレッシャーをかけ続けていた結果だ。ただ、ブレイクダウンであれほどターンオーバーされたのは想定外。
入替戦まであと2週間、チームを一回り大きく作り直したい。ポイントはディフェンスとブレイクダウンだ。持ち込んだマイボールをクリーンアウトできるようにしたい。
NTTドコモ
マイケル・ブリューワー・ヘッドコーチ
前半から戦術の遂行やコンディションが十分ではなかったので、ハーフタイムにはアタックのポイントを変えて、もっとFWに近いところを起点にクィックに展開するように指示した。それを後半の10分で体現してくれて、10点につながった。
その後もパエアのキャリーがよかったことと22m内で3回ターンオーバーできたことが大きかった。
素晴らしいゲームということではなかったが、タフな局面でもメンタルを維持でき、相手のプレーを止めることができた。近鉄は良いチームで止めることは容易ではない。選手たちが厳しい局面の中、自分たちで対応し勝つためのプランを作り出せたことは次の入替戦につながると考えている。
(文責:大阪府協会 蜷川善夫)