11月1日(土) リポビタンDチャレンジカップ2014 第1戦 ジャパンXV VS マオリ・オールブラックス
2014年11月1日(土) 14:10キックオフ グラウンド:ノエビアスタジアム神戸 | ||||
レフリー: アシスタントレフリー: |
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ジャパンXV | マオリ・オールブラックス | |||
21 | 試合前 | 61 | ||
7 | 前半 | 35 | ||
14 | 後半 | 26 | ||
詳細(日本協会) |
◎マッチサマリー
マオリ・オールブラックス(MABs)初来日となるこのシリーズ、MABsは、日本代表のジョーンズ監督によると世界ランキングの6位(現在ウエールズ)から7位(フランス)の力量、南半球「SANZAR」の少し下、北半球「6ネーションズ」の上位、いずれにしても世界のトップ国いわゆる「ティア1」に伍する力量を有することは間違いない。2015年のWCRに向けて残り1年を切り、日本にとって、現在の力量をチェックし更なる強化を図る上で非常に貴重な機会となる。そのため、ファンの期待も否応なく高まり、試合前、神戸の街にはノエビアスタジアムへと向かう人の流れが出来、観客数は21,200余人と膨れ上がる。貴賓席では、森日本協会会長や井戸兵庫県知事等著名人も詰めかける中、両チーム選手が入場する。満員のファンの最初の関心は試合前のハカ、オールブラックスの「カマテ」や「カパオパンゴ」とは異なるMABs独自の「ティマタンガ」は、当然日本初演、途中幾度もファンの拍手が巻き起こる。
試合は、MABsのキックオフで始まった。立ち上りMABsの速い仕掛けにジャパン15(日本)ペナルティを続けて犯すが、MABsのPGはいずれもノーゴール、しかし、7分MABsブレイクダウンで素早くボールにからみターンオーバー、右展開から⑮ロビンソン抜け出し最後フォローした①イ―ブスへと繋ぎ先制のトライ(0-5)を挙げる。MABsこの後2PGで得点を重ねた後、20分日本の相手陣でのパスミスからターンオーバー、⑥トムソンが裏へ抜けて⑬エメリーへと繋ぐと一気に加速して相手インゴールへ、0-18とリードする。
MABsこの後2T・G,1PGと加点し試合の大勢を決する。これに対して日本が見せた反撃は、25分相手ペナルティからラインアウト、モールドライブで攻め立てMABsのコラプシングを誘い奪ったペナルティトライだけで、結局7-35でハーフタイムとなる。
後半もMABsが先制、6分日本の相手陣でのパスミスから⑪ロウがブレイク、フォローした⑩ウエストに繋ぎ7-42とリードを拡げる。しかし、後半日本は見せ場を作る、12分ラック連取から○22小野がDFの裏に抜けNO8に入った⑳レレイマフィにパスそのまま中央に飛び込む。
さらに、33分にはゴール前ラックでの相手オフサイドに対しスクラムを選択しプッシュオーバー、またもコラプシング、ペナルティトライとなり、この試合21点を獲得する。しかしMABsは後半も着実に得点を重ね、最後36分には、自陣でのターンオーバーから⑪ロウがDFの頭を越えるショートパント、自分でキャッチしスピードを上げて、挟むように待ち受ける2人のDFの間をノータッチでかわし中央トライ、21-61としてそのままノーサイドを迎えた。
日本は、セットプレイ特にスクラムで優位を見せたが、MABsのプレッシャーとブレイクダウンでの素早い反応に対応できずに、幾度も相手陣に攻込んでのターンオーバーからトライを喫し、相手のDFを崩しての攻撃がほとんど見られないまま試合を終えた。一方、MABsは、個々のプレイヤーの反応力とスピードで日本を上回ったが、急ごしらえのチームであるためかセットプレイでの仕上がりの不十分さを窺わせた。こういった課題を両チームがいかに修正してくるのかが、第2戦の見所と言えるだろう。
(会見ダイジェスト)
【マオリ・オールブラックス】
コリン・クーパーHC:今日の試合はペースが速く、我々に合っていた。我々のボールプレイに徹したプレーをお見せできたと思う。ディフェンスシステムをしっかりと構築でき、一人一人がきちんとタックルしていた。日本はスクラム、ラインアウトが良かった。これらについて次の試合に向けて我々はもっと準備が必要だ。
チャーリー・ナタイ主将:非常にペースの速い試合だった。日本はフィジカルが強く、最後まで闘争心にあふれていた。
——-イージーなトライが取れたと思うがその要因は?
ナタイ主将:ディフェンスの出来が良かったことだと思う。
—–普段はあれほど簡単にターンオーバーからトライにならないと思うが?
ナタイ主将:だが、非常に厳しい戦いだった。スーパーラグビーを念頭に置いた選手ばかりであり、常にやっている練習だ。NZではどの選手もそのことを5歳から意識している。
———マオリの文化をこのツアーで教える機会はあるのか?
クーパーHC:チームの中にマオリ文化を担当するリーダーがいる。そのリーダーがマオリ文化を教えてくれる。同時にこのチームに対しての責任も教えている。一つにまとまりやすいチームであり、そのためにもカルチャーがとても大事で、大きな部分を占めている。
———–この点数差は想定できたか?
クーパーHC:我々には新人がたくさんおり、楽しみにしていた。セットピースでは苦戦したが、前半ジャパンの意図を封じたことが結果につながった。このメンバーでもう一試合できるので、更なるステップアップを目指したい。
【JAPAN XV】
エディー・ジョーンズHC:もちろん残念だ。ただ、これまでの10試合よりもこの試合の方が学ぶべきことが多かった。パワーや身体能力ではかなわない。明らかにマオリの方がいいチームだった。そのチームに対抗した選手を誇りに思う。マオリのトライの6回は日本のミスから起きているが、来週もう一回挽回のチャンスがある。選手個々を評価すると、リーチは今シーズンベストのパフォーマンスだった。五郎丸もボールタッチにおいて今までヤマハで見せたことのないようなプレーを見せてくれた。畠山も良かった。ホップグッドはキャンピージのようなグースステップを見せてくれた。結果は残念だが、負けず嫌いの連中は、この試合から学ぶことが多かったと思う。
リーチ・マイケル主将:まず、多くのファンにお越しいただいたことに謝意を表したい。ゲームについては、今まで出来ていたことを発揮できなかった。しかしフィジカルとパワー、スピードはまだ修正する余地があり、時間もある。何をすべきかが明確になった。チーム全体の状態は良いので、修正して来週は良い試合がしたい。
———–スクラムではクイックでいったが、これはチームプランなのか?
ジョーンズHC:選手には素早く仕掛けるように指示していた。アタックはどこからでも出来る。キックを少なくし、どこまで通用するのか試したかった。
————そこを修正しようかと思わなかったか?
ジョーンズHC:責任は私にある。南アフリカのアドバイザー時代からやっていることはすべてW杯に向けてやっている。来週に期待して欲しい。ターンオーバーから6回トライを取られているが、この点がスーパーラグビーとトップリーグの差かと思う。そういった意味で日本がスーパーラグビーに参戦出来るのは非常に大事である。今後、一貫性を持ったスキルが必要だ。今日のアタックを踏まえ、ブレイクダウンにかける人数等、グランド上での修正対応が必要だ。来週にはスマートな試合がしたい。
(記事:村島博、南博 写真:長谷川昭男・小巻真司 広報担当:廣島治)
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