1月14日(土) 第15節 近鉄 26-24 豊田自動織機

yamaguchi-4671
トップリーグ 第15節
近鉄 VS. 豊田自動織機

2017年1月14日(土) 11:45キックオフ グラウンド:東大阪市花園ラグビー場
近鉄 豊田自動織機
26 FULL TIME 24
7 前半 12
19 後半 12
詳細
(TL公式)

マッチレポート

昨年8月に幕を開けた2016-17トップリーグもいよいよ最終節。悲喜こもごも、試合結果がチーム、選手の来シーズンを左右する。全国をおそったこの冬一番の寒波が花園にも押し寄せ、北寄りの風が冷たい。お互いに入れ替え戦は決まっているが、これまで9連敗の近鉄ライナーズはこのままでは終われないし、対戦相手を考えると一つでも順位を上げておきたい豊田自動織機シャトルズ。3000人以上の熱心な観客が見守る中、厳しい戦いは自動織機のキックオフで幕を開けた。

yamaguchi-4051

試合開始直後、自動織機のキックを近鉄13ファインガがチャージ。その後近鉄は相手陣で試合を進めるが自動織機の好ディフェンス、近鉄のミス、PG失敗(6分)が相まって得点を挙げられない。
22分、自動織機は近鉄のスクラムコラプシングの反則で得た相手陣10m中央のペナルティーでショット選択。SO10番サム・グリーンが確実に決めて先制した。

グリーンは30分にもPGを決め自動織機が主導権を握ったかに思われたが近鉄もこのまま終われない。34分、相手G前左中間ラックからCTB13番アンソニー・ファインガが縦を突き、待望のトライを上げた。G成功で7-6と逆転に成功。

DSC01005

37分、今度は自動織機、SO10番グリーンが相手10m左中間からのドロップゴールに成功。ここで珍しいプレーが出た。ゴール近くに攻め込まれた近鉄はホーンが鳴ったことから、ボールを「わざと」タッチに投げ出して前半を終わろうとしたが、これはペナルティー。SO10番グリーンが確実にPGを決めて前半は12-7と自動織機リードで終えた。近鉄は相手にやらずもがなの3点を与えてしまった。

後半に入って5分、近鉄は相手ゴール直前、左中間ラックから左へ、CTB12番野口大輔が飛び込みトライ。試合を振り出しに戻す(12-12)。

DSC01158

今度は自動織機が12分、ゴール直前の近鉄のボールの処理ミスに出足よく拾ったWTB11番ヴァカ ジョセフウイルソンが左中間に押さえた。周辺での自動織機の妨害行為とグラウンディング確認でTMOとなったがトライが認められた。19-12と自動織機が引き離しにかかるが、近鉄も17分、見事なキックパスを絡めてトライを奪い迎えた25分。自動織機の右プロップ3番川崎仁久の反則の繰り返し(コラプシング)でシンビンとなって一列のメンバーが替わった。直後のスクラムを押し込みスクラムトライ。近鉄の結局このトライ、Gが決勝点となり、その後自動織機の反撃を1トライに押さえて2点差で勝利をつかんだ。

DSC01345-001

近鉄はフルバック15番アンドレ・テイラーの復帰で攻撃のリズムが戻り、鍛えられた強力スクラムが勝利を呼び込んだ。豊田自動織機は随所で好ディファンが光ったが、攻撃面での連携に課題を残した。
マン・オブ・ザ・マッチは近鉄の強力スクラムを支えた第一人者、豊田大輝主将が選ばれた。

DSC01458

記者会見ダイジェスト

豊田自動織機シャトルズ 丹生雅也監督
「最終戦、近鉄とのゲームはお互いに順位を競い合っており、近鉄も最後は勝ってシーズンを終えたいと思っているだろうし、ウチもそれに負けないように準備をしてきた。近鉄はフィジカルが強く、最後まで諦めずにくる素晴らしいチームなので、われわれも個々に最大のパフォーマンスを出すということをターゲットにしてやってきた。選手たちは80分間しっかりそれに応えてくれた。ただボールのポゼッション、テリトリーがなかなか獲得できず、セットプレイでプレッシャーをかけることができなかった。あと入替戦までの2週間しっかりと準備して、トップリーグチーム、織機のプライドを見せる試合をしたい」

吉田伸介キャプテン
「前半はとてもいい感じでスコアを重ねて行けたが、後半にミスが続いてしまいテリトリーが取れなかった。またセットプレイで近鉄に優位に立たれたことが今後の課題である。どうしても勝ちたかったゲームだったが結果は変わらないので、2週間後の入替戦に向けてしっかりと良い準備をして、来年度もこのトップリーグの素晴らしい環境でプレイしたい」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

近鉄ライナーズ 坪井章監督
「本日は天気予報で最強寒波の到来が伝えられていたのも関わらず、沢山のファン、サポータの皆さんに声援をいただき感謝する。本日はリーグ戦最終節ということ、またホーム花園で一勝もできていなかったので、豊田キャプテンはじめ選手には今年のチームスローガンであるMove Fastを体現して最高のパフォーマンスを発揮すること、今シーズンしっかりと積み上げてきたスクラムで押し込むことをファンの皆さんに見せようと臨んだ。結果的に織機も必死でウチにもミスが多く攻めあぐむ場面もあったが、モールとスクラムで勝機をつかみ、最終的にスクラムトライが取れたことは成果であった。選手は最後までこの寒さを吹き飛ばす熱いプレイを見せてくれた。次戦の入替戦に向けてはしっかりとチームを引き締めて、今年のライナーズのスタンダードをしっかりと示したいと思う。」

豊田大樹キャプテン
「もう何か月も勝てていなかったので、勝てたことが素直に嬉しい。ただミスも多く、不要なトライもとられてしまったこともあった。ペナルティも多くPGも奪われたりしたので修正するところはしっかりと修正しなければいけないと思う。準備したこと、このゲームでやろうとしたことはしっかり体現できて良かったと思う。この花園のトップリーグ最終節で出せたことは嬉しく思う。入替戦が決まっているので、入替戦でも自分たちの強みをどんどん出して行きたい。」

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

(記事:石川 悟、丸井康充)

フォトギャラリー

撮影者:KRPU 山口勝一


撮影者:KRPU 野口美保