トップリーグ 第15節
神戸製鋼 VS. サントリー
2017年1月14日(土) 13:00キックオフ グラウンド:ノエビアスタジアム神戸 | ||||
神戸製鋼 | サントリー | |||
15 | FULL TIME | 27 | ||
8 | 前半 | 14 | ||
7 | 後半 | 13 | ||
詳細 (TL公式) |
マッチレポート
2016-2017ジャパンラグビートップリーグも最終第15節。 全勝優勝が懸かったサントリーに対して、前週の敗戦で4位が確定日本選手権進出の可能性がなくなった神戸製鋼。 両チームのモチベーションの差がどうゲームに影響するのか、サントリーのアタッキングラグビーを神戸製鋼がどう迎え撃つかに興味が集まる。
神戸製鋼の先蹴で試合開始。
9分、神戸製鋼がサントリー陣ゴール前でフェイズを重ね、ラックを形成、持ち出したLO5ベッカーがトライ。(G不成功)5-0と神戸製鋼が先制する。
13分、サントリー陣22メートルライン付近正面でサントリーがノットロールアウェイの反則、神戸製鋼CTB12山中がPGを決め8-0。
21分、やっとサントリーのエンジンがかかりだす。神戸製鋼ゴール前でのスクラムを猛プッシュ、SH9流からSO10小野とつないで、最後はFL6ツイがトライ。SO10小野のGも成功、8-7と追い掛ける。
その後、神戸製鋼も敵陣ゴール前までは何回か攻め込むが、肝心の場面でケアレスミスを重ね、スコアに至らない。
前半終了間際、サントリーがHL付近のラインアウトからつなぎ、CTB12カーペンターが大きくゲイン、ゴール前5メートルに迫ると、SO10小野が、WTB14番江見にロングパス、 キャッチした江見は、難なく中央付近まで回り込んでトライ。SO10小野のGも成功、8-14で前半を終える。
後半開始早々の43分、サントリーがテンポ良くパスを繋ぎ、FB15松島が相手タックルを受けながらも振りほどき、崩れた体勢を立て直してゴールラインを越え、右中間にトライ。 SO10小野のGも成功し、8-21と突き放す。
後半の入りに失敗した神戸製鋼だが、すぐに反撃に成功する。
44分、CTB12山中がディフェンスを引きずりながらも力ずくでゴール真下にトライ。自らGも決めて15-21。
52分、サントリーWTB11番江見がインテンショナルノックオンを犯しシンビンを受けると、神戸製鋼がラッシュをかけるが、サントリーが自陣ゴールライン手前でのスクラムを押し、ターンオーバー、ピンチを脱出する。
58分、神戸製鋼がホールディングの反則、敵陣22メートルライン少し外からサントリーSO10小野がPGを決め15-24。
59分、今季限りでの現役引退を表明しているジャック・フーリーが入替出場。ピッチに現れると場内から大きな拍手が送られる。
77分、サントリーが敵陣ゴール前まで攻め込み、神戸製鋼がたまらずノットリリース・ザ・ボールの反則を犯す。SO10小野がPGをきっちり決め15-27。このままタイムアップを迎え、サントリーは4季ぶり4回目となるトップリーグ制覇を見事な全勝で飾った。
MOMは卓越したゲームメイクをみせ、要所でPGも決めたサントリー10番小野が今季6度目の獲得。
(記事:南 博、編集:廣島 治)
記者会見ダイジェスト
神戸製鋼コベルコスティーラーズ
ジム・マッケイ ヘッドコーチ
サントリーサンゴリアスは今季コンスタントに一番強いチームだった。
一方で神戸製鋼としても高いレベルでラグビーができた。
いいコンテストで、観ていた方にも競った試合になったのではないか。
橋本大輝キャプテン
お互い強みを出せたゲームになったと思う。
少しのミスでどちらに転がるか分からない試合であったが、来季に繋がる良いゲームになったと思う。
―サントリーとの差を感じたところは?
ジム・マッケイ ヘッドコーチ
サントリーはアタック・ディフェンス・セットプレーと、全てよく出来た。
シーズンを通してメンバーも安定し、サントリーらしい戦いが出来ていた。
―来季の課題は?
ジム・マッケイ ヘッドコーチ
今季からアタッキングラグビーに変えたが、次季はシフトチェンジの精度を上げ、チームとして一つとなって積み上げたい。
橋本大輝キャプテン
4位という結果に満足はしていないが、チームのみんなが頑張った証拠。
来季はラグビーに深みを出したい。
―今季で引退するジャック・フーリー選手について
橋本大輝キャプテン
トップレベルとは何なのかを行動で示してくれ、ラグビーを楽しむとはどういうことかを
教えてくれた。このチームにきて良かったと言ってくれた。
サントリーサンゴリアス
沢木敬介監督
神戸製鋼のプレッシャーに苦労し、あまり良い内容ではなかったが、一試合ずつ成長し、
最終的には全勝で終われて良かった。しかし気持ちはもう日本選手権に向かっている。
流大キャプテン
ハングリーであり続けることを目標にしていたが、前半は受けに回ってしまい、神戸製鋼の方がハングリーな試合が出来ていた。
しかし一試合ごとに成長を続け、全勝出来たことは良かった。
日本選手権に向けて良い準備をしたい。
―前半はあまり良くない展開だったが、ハーフタイムでどの様な言葉をかけたのか?
沢木敬介監督
若い選手が多く、ファイナルという試合に緊張があり、コミュニケーションも
うまく取ることができなかった。
このような試合の雰囲気を経験し、選手としても成長出来た事は良かった。
ハーフタイムでは、自分たちがすべきことを(しなさい)、とだけ伝えた。
流大キャプテン
リアクションを早くすること、ハングリーに挑戦すること、神戸製鋼をリスペクトして
自分たちが何をしなくてはいけないのかを確認した。
―シンビンにより選手が退場中無失点に抑えたこと、敵陣でのペナルティをショットに。
このあたりの判断は?
流大キャプテン
シンビンの間は我慢強くセットプレーで時間を稼ぎ、またディフェンスで凌げた。
シンビンに至るまでに隙を与えずに、コントロールしたかった。
ショットの判断は、ラインブレイクやアタックを続けることが難しく、得点を重ねることで、プレッシャーを与えたかった。
―相手の反則からクイックが多く感じられたが、意図はあったのか?
流大キャプテン
神戸製鋼の大きな選手を動かしたかった。前半からボールを動かすようなゲームプランだった。しかし意思統一からのリアクションや寄りが遅く、ペナルティを取られることが多かった。
―前半の苦戦は緊張から?
流大キャプテン
コンタクトスピードが神戸製鋼の方が勝っていたため、後ろに下げられる場面が多かった。自分たちから仕掛けて、もっとダメージを与えられる戦いをしたかった。
―ヘッドコーチでの優勝と監督での優勝に何か違いは?
沢井敬介監督
違うことより同じことの方が多い。
優勝するときは、全員が同じ方向にベクトルが向いている。
違うことは、周りのラグビーが進化している。自分たちのラグビーをし、進化している中でどれだけ戦えるかが、今後の躍進についての鍵になる。
―MOM小野晃征選手について
沢井敬介監督
小野選手含め、全ての選手がラグビーに対する理解度の部分が上がってきている。
自分たちが考えるラグビーになってきている。
流大キャプテン
ハーフ団で話すことも多く、チームをコントロールしなければいけない立場であり、勝つために厳しいことも言ってくれた。
一緒に関わってきて学ぶことがたくさんあった。
―今季の流キャプテンの評価は?
沢井敬介監督
ブレずにタフなチョイスができ、パフォーマンスもとても良い。
日和佐選手、流選手ともそれぞれ持ち味があり、サントリーのラグビーはこの2人がいないと出来ない戦術になっている。
(記事:宮崎 愛佳)