1月6日(土) 日本選手権準決勝 サントリー 49-7 ヤマハ発動機

C01I0983
第55回日本ラグビーフットボール選手権大会 準決勝
兼トップリーグ総合順位決定トーナメント 第1節
サントリー VS. ヤマハ発動機

2018年1月6日(土) 16:00キックオフ グラウンド:ヤンマースタジアム長居
サントリー ヤマハ発動機
49 FULL TIME 7
28 前半 0
21 後半 7
詳細
(日本協会公式)

マッチレポート

第2試合は、サントリーサンゴリアス(レッドカンファレンス1位)対ヤマハ発動機ジュビロ(ホワイトカンファレンス2位)。戦前は僅差が予想された試合だったが予想外の大差になってしまった。
20180106-DSC_5789
試合開始からサントリーは突破力のある№8・8番ジョーン・マクマーンとFL6番ツイ・ヘンドリックがディフェンスラインを突破し、SH9番流大、SO10番マット・ギタウらを中心に非常にリズムの良い攻撃を仕掛ける。3分のCTB13番村田大志のトライを皮切りに14分にFB15番松島幸太朗、17分にWTB11番江見翔太が次々にゴールを駆け抜け、22分には狙ったGKをすべて成功させたSOギタウ自らもトライを奪いして28対0で前半を終了した。
DSC_7762
後半に入ってもサントリーの勢いは止まらない。開始早々2分、6分にFB松島、CTB村田がトライを奪い42対0となり勝負あり。この後、ヤマハは後半開始から入替えで入ったCTB22番マレ・サウが18分にこの試合唯一のトライを返し、GKをFB15番五郎丸歩が決め7対42としたが、26分にはサントリーCTB12番中村亮士がダメ押しのトライ、GKもCTB中村が決めて49対7でノーサイドとなった。
DSC_7371
この試合はサントリーが終始、素晴らしいチームディフェンスからのリズム良い攻撃でゲームを進めた。後半は反則(PK)がヤマハの2個に対して8個と少し多い感じではあったが、攻撃的で前向きなディフェンスの結果であり、リズムが崩れることなくゲームを進めていた。ヤマハはこの試合、突破力のあるLOデューク・クリシュナン、CTBヴィリアミ・タヒトゥア、WTBゲラード・ファンデンヒーファーが欠場していたとはいえ、力を出し切れない試合内容となった。次戦の3位決定戦での奮起を期待する。
C01I0958

記者会見ダイジェスト

ヤマハ発動機ジュビロ
清宮克幸監督

内容は見ての通りの完敗。どういうふうにして勝とうか考えてこの準決勝に向けた準備をしてきた。シナリオ通りに運べばヤマハが勝つ可能性もなくはないというふうに臨んできたが、そんなに甘いものではない。思った以上にプレッシャーを受けたし、勝てると思っていた局面でも勝てなかった。一年間を通して今日のヤマハの状態は谷の状態、谷の状態でセミファイナルを迎えてしまったことが我々スタッフの責任。一年間の内に選手たちが輝いていた時期もあったが、今日の選手たちは苦しそうな顔をして試合をしていたと思う。持っているものをすべて出し切って初めてぎりぎりチャンピオンを狙えるチームなので、今日のような内容ではサントリーやパナソニック相手にはこのような点差になってしまう。

堀江恭佑キャプテン
今週、サントリーに勝つために準備をしてきた。後半勝負と考えていたが、前半に失点を重ねてしまい、セットプレイでも思うように形ができず、フィールド上でも特にFWの選手たちが苦しそうな状態だった。相手のサントリーには攻める時間を与えてしまうと厳しいと思った。このメンバーでは今シーズン残り一試合に臨む責任があるので、あと一週間チームとしてどう過ごすのか考えたい。

―サントリーに対してどのように優位性を持って崩して行こうとしていたのか?
清宮克幸監督
80分間で勝つという意味では、マレ・サウをスタートで使わなかったことなどが後半勝負を想定した配置だった。前半は我慢して行こうと考えていた。ただ力をはっきりと把握しきれていない選手を使わざるを得なかったようなチーム事情で、そのようなシーズンにしてしまったことは後悔している、悔しい。

―チームコンディションが谷の状態になったという理由は?
清宮克幸監督
ヤマハはヤマハ・スタイルという戦い方をずっとやってきていて、それぞれのプレイヤーにはそれぞれの役割がある。今回はエンジン役をやってきた外国人プレイヤーがことごとくケガをしてしまい、推進力のない形で車を走らせなければならなかった。車体は光っているが実はエンジンが積まれていなかったというのが今日の試合内容である。コンディショニングというよりもアクシデントであり致命的である。
20180106-DSC_7092


サントリーサンゴリアス
沢木敬介監督

今日は今シーズン一番というほどの良い前半の入り方ができ、先週一週間ヤマハに対して準備してきたことを良い形でコントロールすることができた。パナソニックの好調ぶりを見ていると簡単な試合にはならないと思うので、来週に向けて勝つための良い準備をしていきたい。

流大キャプテン
監督のおっしゃる通り、本当にいい前半になった。試合を通しても選手同士で確認しあっていた通り高いレベルで試合ができて良かった。次のパナソニック戦に向けて良い準備をして、リーグ戦でのリベンジを果たしたい。

―今シーズン一番の出来とはどんな点が期待通りだったのか?
沢木敬介監督
まずはセットピース、ヤマハに向けて準備してきたことで前半しっかり対応できた。あとはボールの動かし方、キックを蹴るタイミング、キックした後ボールを取り戻すまでの過程、それらを理解して選手たちがしっかりコミュニケーションをとりながら良いパフォーマンスだった。ラグビーなので状況ごとに変わってくるため正解はないが、様々な状況を良いコミュニケーションと良いデシジョン・メーキングで対応できていた。

―次のゲームに向けて一週間どんな準備をしようとしているか?
沢木敬介監督
サントリーはサントリーのスタイル、自分たちのやり方でパナソニックの穴を見つけて、パナソニックの弱みを突いていきたい。

流大キャプテン
戦術的なことはこれから分析するが、勝つメンタリティ、必ずチャンピオンになるという気持ちを確認して、昨年味わった感激をもう一度味わうため、12月21に負けた悔しさを思い出すなどのメンタリティを皆に植え付けていきたい。

―パナソニック戦に勝つためのポイントは?
沢木敬介監督
教えません(笑い)。一番はハングリーにチャレンジすること、そこが自分たちのカルチャーなので、去年チャンピオンだったことなど関係なしにチャレンジして行くこと。

流大キャプテン自分たちのラグビースタイル、アグレッシブ・アタッキングラグビーをどれだけ貫けるのか、どれだけチャレンジできるか、チャレンジできた時には必ず勝つことができると信じて準備する。
20180106-DSC_7121

(文責:大阪府協会:灘 英世、石川 悟、丸井康充)

フォトギャラリー

撮影者:KRPU 山口勝一


撮影者:KRPU 渡辺隆夫


撮影者:KRPU 萩原康夫