マッチレポート
第6節、ここまで4勝1敗と好調なNTTドコモレッドハリケーンズとセットプレーに自信をもっているヤマハ発動機ジュビロの対戦は、万博記念競技場に3580人を集め、ドコモのKOで始まった。
先制したのはヤマハ。前半5分、ドコモ陣左ゴール前タッチ際5mのラックからLO⑤ヘル・ウヴェが飛び込みトライ、GもキッカーFB⑮五郎丸歩が決めた(7-0)。
ヤマハは、12分、FWを前に押し出した攻撃でドコモ陣22m中央ラックから右に展開、SO⑩清原祥のグラバーキックをWTB⑭シオネ・トゥイプロトゥが受けトライを決めた。G不成功(12―0)。
序盤からテンポよく攻め込むヤマハは、14分にも10m中央ラックから右に振り、FB⑮五郎丸の突破からのチャンスにパスを受けたCTB⑬石塚弘章が押さえた。Gも成功し19―0と着実に加点。
対するドコモも20分、ゴール前5m左ラインアウトを押し込みPR③北島大がトライし、SO⑩川向瑛のGも決まって19-7。しかし37分、ヤマハはモールでゴールに迫り、最後はPR③伊藤平一郎がトライ、Gも成功し26―7で折り返した。
後半に入って6分、連続攻撃でゴールに迫ったヤマハに対し、この日初めてフルバックに入ったドコモ⑮マカゾレ・マピンピが故意のノックオン(インテンショナルノックオン)の反則。ヤマハがペナルティートライを得た(33―7)。 マピンピはイエローカード。
しかし、ドコモも8分中央付近ラックからSH⑨TJ・ペレナラの好判断でCTB⑫サミソニ・トゥアにつながりトライを挙げGも成って33―14。
なおも11分には主将のLO⑤ローレンス・エラスマスが自陣10mから抜け、自身のキックチェイスでボールを争奪しトライ。Gも成功して33―21と追いかける。
ドコモはその後も敵陣に攻めるが、ヤマハの厳しいDFでこのままノーサイドとなった。
この結果、ヤマハ3勝3敗(総勝点15)、ドコモ4勝2敗(総勝点16)。ドコモは、ヤマハのボーナスポイントを阻止し3位をキープした。 MOMには1トライを挙げ健闘したヤマハ発動機ジュビロ③伊藤平一郎選手が選ばれた。
記者会見レポート
NTTドコモレッドハリケーンズ
ヨハン・アッカーマンHC
負けた理由として残念だったのは、前半相手にコンタクトでドミネートされてしまったこと。でも後半の働きぶりは誇らしく、勝てていたかもしれない。前半はよくボールを回していたがコンタクトの場面で微妙に負けてしまったということ、もうひとつはレフリングの影響もあったように思う。
ローレンス・エラスマスCP
前半、スロースタートで厳しくタフなゲームをしてしまいフルでチャレンジしなければならなかった。この経験を学びとし次にいかしていきたい。
マカゾレ・マピンピ選手
ほとんど言ってもらえたので、二人と同意見の感想である。
Q.後半攻め込みながらなかなか、得点が取れなかった。ボールを手放してしまった原因は何か
アッカーマンHC
試合を追いかけている状況だったので、焦りから試合の中プレッシャーがあったのと天候が暑かったので体力がかなり削られたのも要因かもしれない。これも学びとしていかしていきたい。
Q.今日、緊急ポジションだったがパフォーマンスはどうだったか。
マピンピ選手
フルバックは初めてだったが、それなりにできたと思う。しかし、まだまだ満足はしていない。振り返ってみれば、ポジショニングを改善し次に繋げていきたい。
Q.試合を観ていてペナルティーが大きく影響していたと、レフリング的な部分とチームとして防げたものを整理してもらいたい。
アッカーマンHC
オフサイドのペナルティーは、少しこちらに厳しく片寄っていたかと思うが、そこに関しては自分たちで努力するとことだと思う。 レフリングもブレイクダウンやスクラムでお互いのフォームをコントロールさせ、自分たちもそこに目を向けフォーカスし、直していかなければならないと思う。
Q.マピンピ選手のフルバックはアクセントがあったと思うが、その布陣について理由を聞かせてもらいたい。
アッカーマンHC
ボールキープをしたかったし、今まで一番高いレベルを証明してきた。 最近、WTBのラリー・スルンガの調子も良く、FBのトム・マーシャルの怪我も理由として挙げられる。
ヤマハ発動機ジュビロ
堀川 隆延GM兼監督
苦しい状況の中、自チームの23名が誇りをもって試合をしてくれた。 自チームのスタイルでゲームができたのは、前半と後半10分ぐらいで、残り30分間はこちらのミスを改善していく必要がある。 ヤマハスタイルがどのような結果になるか、今日のゲームで選手たちがわかってくれたと思う。 これからもゲームを支配できる時間帯を増やしていけるよう課題を改善していきたい。
大戸 裕矢CP
課題はたくさんあるが、まだ伸びしろもあり自分たちのスタイルをみがきあげられるのではないかと今日のゲームで感じた。 次の試合も今日のヤマハを見せつけたいと思う。
Q.スクラムの手応えはどうだったか
大戸CP
ファーストスクラムの時点で勝てていたと感じ、こだわった。ヤマハは日本一だとマインドし勝たなければならないと思っている。
Q.先週、神戸戦敗退後のチームの変化を知りたい。
大戸CP
今週、一週間はBチームの圧力がチームを底上げしてくれて、厳しい状況を作ってくれたので最高の準備ができた。
Q.そういう意味での平川選手、白井選手の起用になったのか?
堀川GM兼監督
先週、B戦を神戸として勝ち、チームに勢いを与えてくれた。 パフォーマンスの良かった日本人選手を起用し、流れを作ってくれたことを評価していきたい。
Q.ドコモが好調であったので、意識するところはあったのか?
堀川GM兼監督
今日のゲームで言うと、自分たちのスタイルをやりきることに、フォーカスしその結果が出たのだと思う。
Q.先週はメンバー外で観ていて、今週メンバーに入りチームにもたらしたかった影響とか、実際にやってみての感想を聞きたい。
五郎丸歩選手
連敗で苦しいなか、チームに長くいる人間として、良い方向にむけるために勝つことを優先し、前のエリアでFWを戦わせることが仕事だと考え、80分間できたのではないかと思う。
Q.コンディション的には良い状態にピークをあわせてきたのか?
五郎丸選手
これからトーナメントがあるのでピークはもう少し後になる。今日は勝つことのみフォーカスしてきた。
Q.連敗であったが、どのような意識で戦っていたか?
伊藤平一郎選手
自分たちのスタイルをやりきろうとフォーカスしていた。
Q.反則が少なかったのが勝因だったと思うが?
伊藤選手
チームでも確認し、元々反則の少ないチームである。後半は乱れもあったが客観的に良くなってきている。
Q.3本目のトライにつながった突破アシストの感想を聞きたい
五郎丸選手
なかなか突破口が見つからなかったので、自分でいかなければいけなかった。
Q.マピンピ選手との同ポジションで対戦してみての感想は?
五郎丸選手
対極的なプレースタイルで、私はキック、彼はランニングがメイン。観ているお客様は非常に面白かったと思う。やはり、随所に世界レベルを感じ刺激的だった。
Q.モールでトライされモールで取り返したが意識的であったのか?
伊藤選手
意識はしていなかった。ヤマハとしてモールでトライを取る意図はあり、結果として良かった。
(文責:大阪府協会 南昌宏)
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