第56回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 3回戦関西学院大学 対 朝日大学
2018年12月15日(日) 12:00キックオフ グラウンド:東大阪市花園ラグビー場 入場者数:6430人 天候:晴れ/弱風 |
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レフリー:佐々木裕司(日本協会A1) アシスタントレフリー:真継丈友紀(日本協会A1) / 立川誠道(関西協会) / 西本武史(関西協会) |
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関西学院大学 | 朝日大学 | |||
38 | FULL TIME | 19 | ||
21 | 前半 | 7 | ||
17 | 後半 | 12 | ||
詳細 (日本協会公式) |
マッチレポート
ワールドカップの感動冷めやらぬラグビーブームの真っ只中で迎えた聖地・花園での大学選手権3回戦。対戦カードは関西大学Aリーグ3位の関西学院大学と1~2回戦を勝ち抜いた東海学生Aリーグの覇者朝日大学。
試合は関学のキックオフではじまり、開始早々に関学がトライ・ゴールも成功して先制する。
朝日は敵陣ゴール前で攻め続けるもスクラムで反則を犯し、関学にFKを与える。関学のCTB12番山本悠大が朝日のDFラインを突破するも、反則から朝日がトライにつなげ、さらにゴールも決まり7-7の同点。
関学はスクラムで朝日を圧倒し、朝日はコラプシングの反則を繰り返すなど劣勢を強いられる。その後、関学は敵陣ゴール前のラインアウトからモールでも押し込んでトライ。さらに関学SH9番橋詰学からWTB11番本山泰地へのパスがとおり中央へトライ、ゴールも決まって21-7でハーフタイムとなった。
後半開始早々にも関学がトライ・ゴールを決め突き放したかに見えたが、その後朝日も2トライ1ゴールを返し一時は28-19と9点差にまで追い上げた。
その後関学は33分、PGが決まり12点差に広げ、得点を重ね結局38-19のダブルスコアでノーサイド。進境著しい朝日の挑戦は終わり、その夢は後輩に託された。関学は明治への挑戦権を手にした。
会見
朝日大学
吉川充監督
すばらしいグラウンドですばらしい相手と80分間戦えたこと、また主将中心に最後まで戦えたことを誇りに思う。3回戦は過去にも一度進んだことがあるが、そのとき以上に今年のチームはよかったのでしっかりチャレンジしたが、関西学院のミスのないラグビーに翻弄され、自分達の時間が少なかったことが残念だ。しかし、ハーフタイムに彼らが口を揃えてもう一度基本に戻ると言ってくれたので、後半は前半よりもいいラグビーがお見せできたと思う。
飛彈野雄輝主将
この日のために毎日練習してきて、前半から手応えも感じていたが、まだ踏んばらなければいけないと感じるところもあり、ハーフタイムに基本に戻ろうと話し合って後半に臨み、こちらの流れになったが、それ以上に関西学院がディフェンスやアタックで朝日を翻弄してきて、やはりまだ練習が足りなかったなと悔いが残っている。でも、負けたけどいままでで一番いい試合ができたと思う。
Q.あと一歩勝ちきれなかった要因は?
吉川監督
笑ってしまうくらい前半は固かった。このすばらしい「花園」を楽しめることを念頭に一週間準備してきたが、ここにきてから固く、こちらのマネジメント不足だったと思う。もう少し普段着でいつも通りにさせてあげられればまた違った答えが出ていたのかなと思う。
飛彈野主将
予想通りすごく速いテンポでアタックしてきた。わかっているのにポジショニングやセット、体を当てにいくということが思うようにならなかった。はじめての舞台にのまれた選手もいたかもわからない。
Q.相手との距離感は?
吉川監督
今年は関東リーグ戦の3位ではなく関西リーグ戦の3位とだったのでやれることは増えるかと考えていた。そんな簡単にはいかないとは思っていたが、戦いやすいオーソドックスなチームだと思ったので基礎・基本に戻ってワンチームでやれば勝機はあるぞと考えていた。これまでは雲をつかむようなチャレンジだったが、今年は主将がチームをうまくまとめてくれ、地に足つけてできたと思うが結果が伴わなかった。
Q.大歓声への感想と3回戦の壁を乗り越えるには?
吉川監督
地方から上がってくるとなると様々な要素を戦いながら集めていくことになる。例えばスクラムへのレフリングについても普段からの感覚でやれればあんなにペナルティを取られることもなかったと思うが、情報が少ない等、遅れをとっている部分がある。そう言い訳をしているとなかなか壁を破れないので、主将が置いていってくれた課題を受け止め、またがんばりたいと思う。
飛彈野主将
大学に入ってからははじめての花園で、いままで以上に声援が伝わってきた。いいプレーをすると声援で士気が上がるが、悪いプレーをすると「あ~~」との声が聞こえてきて気にしてしまうこともあったと思う。もっと経験を積み、緊張しないでできるようにしたい。3回戦の壁は、まずは必ず3回戦に進出すること。そして来年には下の学年があらたな歴史をつくってくれると思う。
関西学院大学
牟田至監督
シーソーゲームになり厳しい試合だった。朝日大学のプレッシャーとフィジカルに負けて流れをつかめなかったと思う。なんとか勝てて、明治に挑戦できる機会をもらえたので、次は持てる力を100%出して勝ちに行きたいと思う。
原口浩明主将
前半は自分達の形でいいリードをして折り返したが、後半の入りで相手のアタックで勢いに乗られ、自分達のディフェンスができずに苦しい展開になったが粘って勝ててよかった。ただ、この試合を通して課題が多く出た。
Q.前半のスクラムは?
原口主将
春からセットプレイをしっかり武器として積み上げてきたので、この選手権でもセットプレイで圧倒してリズムをつかむつもりだったがスクラムも圧倒できない部分があり、その修正点も見つかり、次の明治戦に向けてしっかり修正したい。
Q.後半2本トライを取られ、どうチームを立て直したのか?
原口主将
点を取られたとき、まずはダブルタックル含めたディフェンスから立て直そうとみんなに言った。
Q.セットプレイ以外で明治戦に向けての修正点は?
牟田監督
ディフェンスをやっていたわりには結構トライを取られてしまったので、そこをもう一度やりなおしたい。アタックでは不用意なパスが多く、苦しい展開の原因になった。
Q.朝日はどんなチームだったか?
牟田監督
留学生中心にフィジカルが強い印象で案の定そこでいかれてしまった。次の明治はランナーが強いので、しっかり止めるようにしたいと思う。
Q.課題は?
牟田監督
ディフェンスでいかれてしまったこと。セットプレイ、ラインアウト、タックル、すべて変えていきたい。
(文責:大阪府協会 長澤良行・石川悟)