12月27日(土) 大学選手権 京都産業大学 VS 中央大学
2014年12月27日(土) 12:00キックオフ グラウンド:キンチョウスタジアム | ||||
レフリー:近藤栄作 アシスタントレフリー:細樅勇二 / 高橋真弓 / 岸上耕一 |
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京都産業大学 | 中央大学 | |||
31 | FULL TIME | 8 | ||
12 | 前半 | 5 | ||
19 | 後半 | 3 | ||
詳細 (日本協会公式) |
◎レポート
関西大学Aリーグ2位の京都産業大学と関東大学リーグ戦1部5位の中央大学との一戦、選手権セカンドステージでは、共にこれまで2敗で、ファイナルステージへの望みは絶たれてはいるものの、来シーズンへの継承を考えると何とか1勝の欲しい両校。雲がやや多いものの久方ぶりの柔らかな陽射しの下、中央大学のキックオフで試合が始まる。
開始早々から京産優勢に試合を進め、中央の反則にも助けられ、何度も相手ゴールライン間際まで攻込むが、自らのミスもあって京産何としてもトライラインを割ることが出来ない。そんな膠着した雰囲気の中で試合が動いたのは、13分、これまで防戦一方だった中央、⑧北村がスクラムサイドを衝いて縦突破大きくゲインするとその後ラックから右に展開し、最後⑮伊藤がトライ、0-5とやや意外な展開を見せる。
この後も前半終了10分前頃まで20分ほどの間同じような展開が続くが、ようやく33分になって京産相手反則に繰返して選択したスクラムから⑩金がDFのギャップを縫うようにしてトライ5-5の同点とすると、さらに37分にもラインアウトモールを押し込んでから22ml付近でラックを形成し、⑪森田と⑬下良との間でスイッチ・プレイ、下良DFの合間を縫うようにしてゲインし、フォローしてきた⑫山本に繋ぎ右中間にトライ。12-5と勝ち越して折り返す。
後半に入っても先攻したのは、中央で3分相手のオフサイドに対して迷うことなくショットを選択し、⑩浜岸難なくこれを成功させ、12-8と差を詰める。しかし、中央の善戦もここまでで、京産はFWとりわけセットピースでの優位を背景に、キャプテン⑨梁を起点に左右に揺さぶる動きが目に見えて良くなってくる。
まず、9分に相手スクラム・コラプシングのペナルティからラインアウトにしてモールドライブ、②中島が抜け出し繋いでトライ19-8と点差を拡げ、25分には同じようにラインアウトのモールから20m以上ドライブして⑦李がトライ(26-8)。そして、その直後の27分には、ペナルティのタップキックから⑨キャプテン梁が速攻しトライ、31-8と試合の大勢を決める。この後、ノーサイド直前には、中央も相手ペナルティから連続攻撃を見せるが、時既に遅く、そのままノーサイドを迎える。京産は、最終戦で自分達の作り上げてきたラグビーを忠実に行い、関東勢に対して一矢を報いてセカンドステージを終えた。
今シーズンの京産のラグビーを評してある大学関係者は「ひたむきさ」と述べた。一方試合後の会見で大西監督は、「関西リーグの勝利だけに拘らずにもっと早く大学選手権にも目を向けておくべきだったかもしれない」と語った。来シーズンに向けて貴重な1勝を次の世代に残すことが出来た今、「ひたむきさ」と合わせてより高い志を持って次のシーズンに立向かって行くことが望まれていると言えるだろう。
(会見ダイジェスト)
【中央大学 松田雄監督】
本日の最終戦に何とか檜山キャプテン率いる中央大学に勝利と思う気持ちで挑んだが、自分達のミスでエリア管理ができず、京産大の強いフォワードにプレッシャーをかけられて、なかなか前に出ることができず、後半もひきずってしまった。4年生は最後の試合で一生懸命頑張ってくれたと思う。今日の負けを来年に繋げるように、後輩達が引き継いでくれたらと思う。本日は有難うございました。
(対戦した関西勢の印象は?)
松田:負けてしまったので何とも言えない。関西のラグビーがどうかのコメントはできないが、京産大は良いチームだと思う。
【中央大学 檜山翔一キャプテン】
自分達がやってきたラグビーをしようと、まずはエリアから獲りたかったが、前半自陣から前に出られず、やりたかったモールもできず、組みづらかったが後半になってエリアを獲れるようになってモールでトライを獲りたかったが、最後の最後まで纏まりきれなかった。来年のチームにはこの経験を生かしてもらいたいと思う。
(相手のスクラムとモールの印象は?)
檜山:スクラムは分析でも強いと思っていた。組んでみて低くて纏まっていたし、何本かスクラムでペナルティを取られた。モールはやりたかったディフェンスが途中から変えられなくなる場面もあって、強くて纏まったモールとの印象を受けた。
【京都産業大学 大西 健監督】
大学選手権、ラストゲームに勝って良いゲームが出来て嬉しく思っている。
関西リーグで5つ勝って、それから4つ負けて、これで負けたら一年間何をしていたんだと話をした。ロッカールームを出るときに涙を流して、同志社戦でも出ていったことを覚えているが、4試合はそのような雰囲気が無かった。ただ今日は同志社と同じ様な雰囲気を感じたので、我々は気持ちで戦ったチームだったと改めて感じさせられた。学生の頑張りに感謝したいと思う。
(昨年に続き関東勢に対して1勝2敗となって、その評価と理由を教えてほしい。)
大西:最後に一矢報いることが出来たが、我々の反省としては、関西リーグの優勝を目指していたチームだったのかなと思う。同志社に勝って、立命に負けたところで関西リーグということになったのかなと思う。大学選手権を目指すチームでなかったら本当に関東に勝てないと思う、我々の責任としてはそうゆうところかなと思う。
【京都産業大学 梁正秋キャプテン】
選手権に入って2試合、京産大らしいラグビーが本当に出来なくて、相手との力の差があったとしても、それに対していつも挑んでいくのが京産大だった。そこに対して気持ちを持って行くことが出来なくて最終戦に挑んだが、最終戦は選手が一つになって、気持ちあるプレーで目指したラグビーができた。プレッシャーのあるディフェンスができ、ターンオーバーからトライを獲ることもでき80分間戦うこともできた、来年に繋げることが出来て、嬉しく思っている。今日は有難うございました。
(今日の試合は勝っても負けても最後になるが、来季の大きな財産になると思っていたか?)
梁:2試合本当に京産大らしいラグビーが出来なくて、このまま終わってしまったら来年影響があると思っていたが、来年も今日の雰囲気で入れるので良かったと思う。
(記事:蜷川善夫、村島博、玉川育夫 写真:前田寛文 広報担当:村島博)