12月21日(日) 大学選手権 関西学院大学 12-60 筑波大学

 

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12月21日(日) 大学選手権 関西学院大学 VS 筑波大学

2014年12月21日(日) 14:00キックオフ グラウンド:近鉄花園ラグビー場
レフリー:大槻卓
アシスタントレフリー:真継丈友紀 / 吉川浩司 / 谷之口尚大
関西学院大学 筑波大学
12 FULL TIME 60
0 前半 41
12 後半 19
詳細
(日本協会公式)

◎レポート
プールC1位枠の関西学院大学、第1戦ではラインアウトミスで明治大学に惜敗。勝点はアドバンテージ3のみで、この一戦に勝利しファイナルステージへの進出を図りたいところ。

一方、プール4位枠の筑波大学は、第1戦で大東文化大学を下しボーナスポイントを加え勝点6。この一戦にも勝利し、ファイナルステージ進出を目論む。筑波大学は、第1戦で活躍したHO村川浩喜、SO山沢拓也、CTB亀山宏大のプレーが注目される。

前半は筑波のキックオフで試合が開始される。筑波がFWの連続攻撃でゴール前10m左中間まで迫り、3分にラックから右展開すると、アングルを変えて切れ込んだFB山下一が関学ディフェンスのギャップをつき中央にトライ、SO山沢ゴール成功し、0-7と先取する。筑波はこの後、反則で得点を挙げることができなかったが、17分関学の反則に、SO山沢が38m中央からPGを決め0-10とリードを広げる。一方の関学は20分ようやく筑波ゴール直前まで攻め込むが、得点を挙げることができない。

試合開始から、筑波のボール支配率が関学を上回り、基本に忠実に、タックルされた後も倒れずにレッグドライブで一歩ずつ前進、また手を一杯伸ばし指一本でもひっかけて倒す執拗なタックル、鋭いスタートで接点を支配するなど関学を抑え込む序盤の試合内容。このような前半の試合運びの中、24分に10mL左中間ラックのこぼれ球をCTB鈴木啓太が捕り、ライン際を走り抜け、最後はフォローしたゲームキャプテンFL水上彰太がトライ、0-15とさらにリードを広げると、この後はブレイクダウンで勝る筑波の一方的なペースになる。30分にCTB亀山(宏)がパスダミーでトライ、35分にはHLから関学陣内に入った左中間ラックをターンオーバーし、SH吉沢文洋が独走しボーナスポイントの4本目のトライを中央に挙げる。前半終了間際の40分にも、自陣10mLからFWが仕掛け、最後は左展開しFB山下がこの日2本目のトライを挙げ、前半だけで0-41と、勝敗の帰趨がほぼ見えた点差とする。

関学が関西大学リーグ首位の意地をどう見せるかが焦点となる後半は、関学風下のキックオフで試合再開。関学は前半とは異なり、丁寧な試合運びで徐々にペースを掴みだす。
関学は14分、筑波の反則から速攻を仕掛けループプレーで筑波ディフェンスを崩し、最後は右WTB中井剛毅が右中間にトライを挙げ、零封を阻む。しかし、筑波は攻撃の手を緩めることなく、21分には出血一時交代で出場した21番木村貴大がトライ、続く24分にはSO山沢のキックに反応した右WTB山内俊輝が競り勝ち右中間インゴールでトライ。

関学は、筑波ディフェンスに疲れの見えた34分FL中村圭佑がトライを返すがここまで。最後はホーンの鳴った瞬間に関学パスミスの球を捕った、CTB鈴木啓太がとどめのトライ。
故障者が戦列に戻った筑波大学が対抗戦グループの実力を十分に発揮した試合。一方、敗れた関西学院大学は関東との実力差をまざまざと見せつけられた一戦であった。
勝利した筑波大学は勝点6、総勝点を12とし第3戦で明治大学とファイナルステージを掛けた一戦に臨む。一方、敗れた関西学院は、大東文化大学との一戦で関西首位の実力を見せたい。

関西学院大学大学 野中孝介監督
「ファイナルステージ進出に向けて、マスト・ウインで臨んだ。前半、筑波大にブレイクダウンで人数をかけられ、われわれのテンポが出せなかった。ディフェンスにおいてもしっかり前に出てこられ、なかなか想うようにはいかなかった。素晴らしいチームで強かったというのが、率直な感想。ただ、下を向いてられないし、気持ちを切り替えて、あと1戦、大東文化大にいいチャレンジをして今シーズンを締めくくりたい」

鈴木将大キャプテン
「この1週間しっかり準備して臨んだが、予想以上のブレイクダウンとフィジカルの強さに、アタックでは前に出られず、ディフェンスでは足の速い選手に抜かれ、結果この点差で負けてしまった。ただ、あと1戦あるので、しっかり修正して臨みたい」

―改めて関東のチームとの差は?
「ブレイクダウンのプレシャーが全く違う。1度ブレイクダウンで当たり負けても、どんどん足をかいて前に出てきて、クリーンにボールを出させてくれなかった。本当にしつこいというのが印象」

筑波大学 古川拓生監督
「関西チャンピョンで、連続攻撃を縦にしっかりと仕掛けてくるチームに対して、こちらは一歩も引かず、どう接点で返していけるかを意識して臨んだ。そこをしっかりとやってくれたかなと思う。選手は本当によく頑張ってくれた。ディフェンスも締まっていたし、アタックに関してはBKが本当に精度の高いプレーを序盤からしてくれたので、優位な展開に持ち込めたと思う」

―けが人が復帰してきてのチーム状態は?
「選手権での2ゲームもさることながら、練習の中での精度については本当に目を見張るほど上がってきている」

山下一バックスリーダー
「まず、最初の20分で自分たちの持っている力をすべて出し切ること、関学が最初の20分が強いということもあったので、強いところで真っ向勝負をするという意味でも、接点と精度でもう一度原点に返って、そこで勝負しようと意識してやってきた。その結果点差は開いたが、後半に入って相手のテンポやフェーズを重ねてくるアタックに対しては、まだまだ課題はあると思う。もう一度気を引き締めてやっていきたい」

―明治大戦に向けては?
「まだ、明治のスカウティングはしていません。まず目の前の関学戦に照準を合わせていたのでまだ何とも言えないが、自分たちの持っている接点や精度の部分に返って、(本日のように)そこで勝負して勝てればと思う」

(大阪府協会:山林右二、蜷川善夫、高橋茂治 写真:ブイ・バン・ジェップ 広報担当:村島博)