12月21日(日) 2nd・第4節 神戸製鋼 40−10 ヤマハ発動機

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12月21日(日) 2nd・第4節 神戸製鋼 vs ヤマハ発動機

2014年12月21日(日) 13:00キックオフ グラウンド:ノエビアスタジアム神戸
レフリー:久保修平 (日本協会A)
アシスタントレフリー:清水塁 / 岡田欣久 / 下田紘朗
神戸製鋼
コベルコスティーラーズ
ヤマハ発動機
ジュビロ
40 FULL TIME 10
18 前半  3
22 後半  7
 勝点
5
詳細(TL公式)  勝点
0

◎レポート
神戸製鋼の先蹴にて、トップ4生き残りのゲームが開始される。10分、ヤマハ発動機の反則からCTB12山本がPGを成功させ先制(3-0)した後、19分にもPGで加点する。(6-0)

一方ヤマハ発動機は、神戸製鋼の執拗なディフェンスに苦しみ前進出来ず、22分、ヤマハ発動機の左展開攻撃を神戸製鋼WTB14山下がインターセプトしてT。山本のGも成功し、神戸製鋼がリードを広げる。(13-0)

何とか得点したいヤマハ発動機は29分、神戸製鋼の反則からFB15五郎丸がPGを成功させ、13-3と迫るが36分、神戸製鋼がゴール前ラインアウトからテンポの速いブレイクダウンを重ね、14山下がT。(G不成功18-3)その後も神戸製鋼が試合を支配し続け前半を折り返す。

後半、反撃を狙うヤマハ発動機だが、開始早々、ラックのこぼれ球をSO10山中に拾われノーホイッスルトライを許し(G不成功23-3)、流れをつかめない。

46分神戸製鋼陣10m付近のラックからバックスに右展開、WTB14伊東がT、五郎丸がGを成功させ、23-10とするものの、得意のスクラムで流れを引き寄せられず、攻守ともに神戸製鋼に凌駕される。神戸製鋼は50分、ラインアウトからフェーズを重ね、WTB11中濱が押し込んでT。(G成功30-10)

73分、ラインアウトから形成されたモールをゴール前中央に進めたところを、CTB山本がDGを決め33-10。65分にはブレイクダウンから展開したボールをSO山中、HO木津、NO.8前川が巧みなステップで繋ぎ左隅にT(G成功40-10)、そのままタイムアップを迎える。

ゲーム後の共同記者会見でヤマハ発動機・三村キャプテンは「神戸製鋼にすかされた」とコメントしたが、正にスクラム以外のセットプレー、65分のトライに繋がったギャップを突くランに象徴されていたように、真向勝負挑むヤマハを、神戸製鋼が巧みなプレーで‘すかした’内容となった。

MOMは神戸製鋼SO10山中。前週試合での反省点を修正し、大勝を収めた神戸製鋼。次週のトヨタ戦で今試合の雪辱を誓うヤマハ発動機。プレーオフ進出に厳しい戦いが続く。

<ヤマハ発動機>
清宮監督:久しぶりにスッキリやられた。一週間前の神戸製鋼とは全く違い、ヤマハは、すべきことが出来なかった。ディフェンスではエリアをとられて後手にまわった。こんな神戸製鋼は見たことがない。ヤマハは自分たちの力を出し切れずに終わった。 神戸製鋼がこの一週間で変われたのだからヤマハも来週は変わってみせる。

三村主将:ヤマハの強みを出し切れずに終始神戸製鋼のペースだった。具体的にはスクラムとラインアウト、特にその後のモールで力を出せなかった。 次はホームゲーム。 変えるところは変えて、自分たちの力を出したい。

―今日のスクラムについては
三村主将:上手くいなされてしまった。自分たちがそこに注力しないといけなかったが、修正できなかった。

―スクラムが何度も組み直しとなったが、どんな影響があったのか?
清宮監督:ほとんどヤマハが組み勝っているが、神戸製鋼が落としている。実際、スクラムは6:4もしくは7:3で勝っていたがペナルティをとられた。スクラムに関してはレフリングが難しい。ヤマハは真っ直ぐ押していたが、神戸製鋼にかわされた。その点を三村主将も「いなされた」と表現したのだと思う。 スクラムを押しているチームが落とすことはないと思うのだが・・・

―神戸製鋼はヘッドコーチが変わって去年と変わったか?
清宮監督:キックを中心にエリアコントロールし、ゴール前でFWが加点する。このパターンは今までの日本に無い、南アフリカのパターンだと思う。だが、元々ポテンシャルの高い選手が揃っているので、スタイルは関係ないのかもしれない。

<神戸製鋼>
ギャリー・ゴールド ヘッドコーチ(HC):ヤマハは脅威的なチーム。フィジカルが強くグラウンドの幅を充分に使う。そういった相手を敵にして、チームのパフォーマンスは良かったと思う。ヤマハに勝利出来たことに加え、ボーナスポイントが取れたことが嬉しい。

橋本主将:先週の悔しい負けから、修正し勝てたことが良かった。

―先週の敗戦から、何を集中して取り組んだか?
ゴールドHC:先週50分は良かったので、出来ていたことを再確認した。ヤマハ対策としては、フィジカルが強いので、セットプレーからの動きを集中的に取り組んだ。強みを出させないインテリジェンスな戦いに徹した。

―80分、力を継続的に発揮できた要因は?
橋本主将:先週の悔しい負けが、力になった。

―今までと変わった点は?
ゴールドHC:アタックは改善し続けないといけない。たまにミスはあったが、改善出来ていた。よりワイドに展開した時にミスが起こりやすい。チームとしてはハードワークに徹し、改善していく。

―センターとして山本選手を起用した効果は?
ゴールドHC:スタンドオフとレシーバーを二人にしたいと考えた。コミュニケーション能力が長けていることに加え、状況判断と良いディフェンスも魅力的だ。山中との相乗効果も考えた。

―今日2トライの山下選手については?
ゴールドHC:エキサイティングでコンタクトの強い選手だ。ディフェンスも良い。今日は無かったが、キックチェイスもすばらしい。(南アフリカに連れて帰りたいか?と聞かれ)まず神戸製鋼でよいピースとなる必要があるね。(笑)

―ベッカーが素晴らしいパフォーマンスを発揮しているが、HCは何をしたのか?
ゴールドHC:自分は変えていない。彼が自分で変わったのだ。潜在能力は分かっていたので、現在のプレーは想像できた。また、フーリーも加えた彼らが変化をするということが、チームにも大きな影響を与えている。

―山中選手については?
ゴールドHC:彼は毎試合ごとに良くなっている。出来ていないプレーもあったが、したいプレーとミスとのバランスをとることが重要だ。どんどん良くなってきている。山下選手と同様にエキサイティングな選手であり、日本代表にとっても重要なプレーヤーとなっている。

(記事:南博。水野正藏 写真:小巻真司 広報担当:廣島治)