1月23日(土) 順位決定トーナメント Honda 対 クボタ
2016年1月23日(土) 12:00キックオフ グラウンド:東大阪市花園ラグビー場 | ||||
レフリー:大槻卓 (日本協会A) アシスタントレフリー:清水塁 / 真継丈友紀 / 東野竜平 |
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Honda HEAT |
クボタ スピアーズ |
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45 | FULL TIME | 38 | ||
19 | 前半 | 10 | ||
26 | 後半 | 28 | ||
詳細(TL公式) |
マッチサマリー
今シーズンの最終戦、勝てば11位が確定する一戦は曇り空微風の東大阪市花園ラグビー場で行われた。両チームはプレシーズン、リーグ戦に続いて今季3度目の対戦。過去2試合はクボタが勝利しているが、どちらも勝ってシーズンを終えたい意地と意地のぶつかり合い。激しい戦いとなった。
前半、ホンダのキックオフで始まった。いきなり試合が動く。1分、クボタが自陣から左右ワイドな連続攻撃でゴールラインに迫り、最後は今日のゲームキャプテン、左CTB立川理道が右中間に先制のトライを挙げる。GもSO森脇秀幸がしっかりと決めた(0-7)。クボタのペースで試合が進む中、6分、ゴール前45m中央ロングPGをSO森脇が見事に決めてリードをひろげる(0-10)。
なかなかペースがつかめなかったホンダだがここから反撃を開始する。14分、ペナルティーからタッチ、ゴール前5m左ラインアウトから右に攻めゴール直前左中間ラックよりSH梁永勲が右へパス。左FLマルセル・クッツェーが相手ディフェンスを引きつけ、左CTB原島知行がポスト右にトライ。GをSO小西大輔が決めて詰め寄る(7-10)。その後もペースを掴み攻め続けるホンダは27分、ゴール前35m中央で、No8トマシ・ソンゲタの激しいタックルで相手を倒したBDから、左FLクッツェーがターンオーバーして右に展開。左PR大橋幸平が縦を突き、HO天野豪紀へ繋ぐと相手に絡まれながらも大外で待つ右WTBレメキロマノラヴァにナイスパスを通す。レメキはそのままタッチライン際で相手ディフェンスを弾き飛ばし、インゴールで回り込み中央に逆点のトライを決めた。GもしっかりSO小西が決め、逆転に成功する(14-10)。
31分にはゴール前5mまで攻め込まれるがタッチを切らず、自陣インゴールから仕掛けて攻め返す。中央にクボタディフェンスを引きつけ、右外をNo8トマシがHL付近まで運ぶ。タッチライン際を右WTBレメキが50mを走り切り、最後はディフェンスに絡まれながら右隅に押さえる。TMO判定が入ったがトライが認められ更に点差をひろげた(19-10)。リードをひろげられたクボタは連続してゴールライン前まで攻め込むが、ホンダの堅いディフェンスに得点をとれず折り返しとなってしまう。前半戦は強気で攻めたホンダがリードして終えたが、まだまだ勝負の行方は分からない。
後半開始直後の1分、クボタのキックオフをホンダがオブストラクションの反則。クボタは10mL右中間でPGを得るが、SO森脇が決める事が出来なかった。すると4分、ホンダはゴール前10m右中間ラックからSH梁が左へパスし、SO小西がディフェンスのギャップを見逃さず突きポスト左にトライ。Gも自らが決めて更にリードをひろげる(26-10)。
なおも6分、ホンダは強気で攻めるクボタの10mLに達しなかったリスタートのボールを拾い、SO小西が22mL右中間にグラバーキック。これをクボタがBDからターンオーバーし、左に展開する。最後は前半18分から途中出場の左WTB㉓谷口雄基がディフェンス2人に絡まれながらも左隅に押さえた(31-10)。
試合は一方的になるかと思われた。リードをひろげられたクボタは11分、22mL中央ペナルティーから直ぐにSH井上大介がタップキックして左に展開。後半途中出場左FL⑳キーガン・ダニエルがゴール前10m左中間付近まで持ち込みラックを形成。同じく後半途中出場のSO㉓高橋銀太郎がパスダミーで内に切れ込み、そのままインゴールへなだれ込む。ここでTMO判定が入る。その結果PTとなりゴール中央でのトライとなった。危険なプレー(ハイタックル)でシンビンも適用されてホンダNo8トマシが一時退出となる。Gは高橋が決めて反撃が開始された(31-17)。
数的優位に立ったクボタだが、ホンダの激しいタックルとしぶといディフェンスにこの時間帯での得点ができずに終わってしまう。ここからは、取ったり取られたりのゲーム展開。諦めないクボタは23分、ペナルティーから連続攻撃をしかけ、左CTB立川が相手ディフェンスを引きつけて上手くFB宮田拓哉に繋ぎ、ポスト左にトライを挙げる。Gも高橋が決めて追い上げる(31-24)。
一方、ホンダは29分。22mL付近右中間ラックから、モールを形成して右LO塚本篤志が抜け出し、後半途中出場右PR⑱藤田望にパスして右中間に押さえる。Gも小西がきっちりと決めて突き離す(38-24)。
32分、クボタが22mL左中間からフェイズを重ねて攻め、左WTBライオネル・マプーが中央にトライしてGも高橋がドロップキックで決める(38-31)。
負けじとホンダも34分、22mL付近右中間からパスを受け取った後半途中出場の左FL⑲フィナウ・トゥパが好走して、ポスト右にトライ。Gも小西が決めて再び突き放す(45-31)。まだまだ終わらない。
38分、今度はクボタがゴール前10m左中間で、ペナルティーからSH井上がタップキック。左PR株木貴幸にパスし、そのまま突進してポスト中央5m前でモールを形成。ゴール直前で崩れるが、モールに付いていた後半途中出場右LO⑲前川泰慶が上手く中央に押さえる。ここもTMO判定。トライが認められ、Gを高橋が決めてまたまた7点差に詰め寄る(45-38)。残り2分。クボタは自陣から攻めるが、最後はホンダが堅いディフェンスで凌ぎきり、このままノーサイドとなる。
クボタは外のディフェンスが薄くなったところを攻められて失点したのが響いてしまったが、昨年より一つ上位の12位でシーズンを終えた。リーグ戦で敗れはしたがパナソニック相手に好ゲームを展開したことからすれば、もっと上位を狙えるチームだろう。来期に期待したい。
ホンダは終始強気で攻めて勝利。11位となりトップリーグでの最高位になった。来期は規律の統一をはかり、今シーズンより更に上位を目指して欲しい。MOMはこの試合2本のトライを挙げて攻守に活躍したHondaHEATの14番レメキ ロマノラヴァ選手に贈られた。
(記事:鈴木博之、丸井康充)
会見ダイジェスト
クボタスピアーズ 石倉俊二監督
今日も沢山応援にお越しいただいた中で、勝ってシーズンを終了したかったが、残念ながら7点差で負けの結果になってしまった。昨年は13位だったので一つ上がったが、我々としてはすごく悔いの残るシーズンだった。今日の試合、選手達は最後の最後まで、得点を取りれていたと思う。しかし45点取られては勝てない。また、来シーズンに向けてしっかりと今年の反省を生かして、悔しい気持ちも持って、高い目標目指して頑張りたい。
立川理道ゲームキャプテン
監督が言ったように、ディフェンスで簡単に取られてしまうところが多かった。ミスからターンオーバーで簡単にトライを取られてしまう。こういう試合をしてしまうと、自分達がどれだけ得点を挙げても勝てない試合になってしまう。シーズン最後の試合で勝ちたかったが、なかなか上手くいかず終わってしまって残念。来シーズンは、厳しかったこのシーズンを反省として、しっかりと準備してチームが伸びるよう頑張っていく。
Q.シーズンを通して一番修正したかった事は
石倉監督
シーズン前半ではディフェンス。我慢しきれずに大量失点した事が大きかった。ミスからの失点が多かった。アタックについても、精度高くやりきる事が足りなかった。しかし今日の試合、最初のトライは自分達が目指してきたもので素晴らしかった。ディフェンスについては修正が出来なかった事が残念。
Q.ワールドカップから引き続きトップリーグと休む事が出来なかったと思うが、これからのことで考えていることは
立川ゲームキャプテン
先ずはクボタでのプレーでしたが、今シーズンが終わったので怪我を治して、SUN WOLVESでも活動する。この短いリカバリー期間は大事だと思っている。しっかりと自分のコンディションを整えて準備しないと戦えないし、これから先も日本代表に入るために、大切な事だと思う。
Honda HEAT 藤本知明監督
今日はホンダとして新しい歴史を作りたい試合。一年間やって来たラグビーを存分に発揮しようと挑んだ。選手はグラウンドでチャンスには思い切って仕掛けるところが随所に現れていた。よって、このような点差で勝利出来た。プレシーズンから含めて、タフなシーズンだったが、選手のハードワークが結果として表れてうれしく思っている。
天野豪紀主将
順位決定トーナメント、一つでも上の順位を目指してチーム一丸となって、1週間良い準備が出来きた。今シーズン一番の得点を挙げる事もできた。失点も多かったが勝利できて気持ちが良い。今年一年間準備してきたことに、自信を持ってチーム一丸で挑んだことがトップリーグ残留に繋がった。
Q.前回トップリーグ昇格年度で降格になったが、その反省点を活かせたか
藤本監督
もちろん。前回のトップリーグ経験者は3割から4割しかいなかったが、その選手達が良い意味で他の選手にトップリーグの厳しさを伝えてくれた。選手層も強化して準備してきたことが良いかたちに出せた。
天野主将
悔しい時期を経験してきた分、何が良くなって、何が課題なのかが明確に分かり、ベテラン・若手関係なく皆が意見を出し合って、昔の反省も活かし、今年一年はしっかりとプレーすることができた。
(記事:鈴木博之、丸井康充)
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