6月22日(日) 立命館大学vs京都産業大学 関西大学春季トーナメント

レフリー:山谷 亮介(関西協会)
アシスタントレフリー:立川 誠道(関西協会) / 濱野 拓真(関西協会) / 松岡 実(関西協会)
メンバー表(48時間前)
マッチレポート
春季トーナメント優勝決定戦。昨年秋季リーグ2位の京都産業大学と5位の立命館大学の戦いとなった。昨年も大学選手権ベスト4の京産大に対し、下位グループから決勝へと勝ち上がってきた立命大がどう挑むかの一戦。酷暑の厳しいコンデションのなかだが、多くのファンのみなさまが詰めかけていただき大きな歓声のもとで行われた。
京産大のキックオフでスタート。
開始早々1分、京産大が先制した。敵陣10M付近ラインアウトから左へ展開、CTB⑫神拓実がゲイン、再度巡目に、次は逆目でFWが体を当てて前進、SH⑨高木城治が捌きFB⑮太田陸斗からWTB⑪宮里快一が俊足を飛ばし左中間に先制トライ。(0―5)
あっさり先制された立命大。スクラムも劣勢であったがここから粘る。
10分、敵陣ゴール前まで迫り、5Mラインアウト、1回目は阻まれたが、2回目はきっちり押し込みHO②大本峻士が左中間に押さえこむ。ゴールキックはCTB⑫中村颯汰がきっちり決め逆転。(7-5)
ウオーターブレイクも挟みながらゲームが進む、次も立命大だった。
23分、自陣22M付近のスクラムから押される前にボールをハリー出し、右に展開し、WTB⑭三浦遼太郎にボールを運ぶ。2枚のデイフェンスに対し裏にボールを転がし自らキャッチ、そのまま走り切って右隅に飛び込みトライ、リードを広げる。(12-5)
27分、今度は京産大。敵陣22M付近ラインアウトからモールを押し込み、コラプシングのアドバンテージを貰いながら、右に展開しポイントを、次は左へ展開しつつ、ラックを2つ形成した後、再度左へ、⑨高木からSO⑩奈須貴大、CTB⑫神からカットイン気味に走り込んできた⑪宮里にラストパス、1人交わしゴール中央へトライ(GK成功・⑨高木)、同点に追いつく。(12-12)
酷暑の中、両チームとも集中力を保つのは大変だが、次のスコアは立命大。
前半2回目のウオーターブレイクの後、立命大FL⑦𠮷川大智のナイスタックルでノットリリースの反則を誘う。⑫中村の距離の出る見事なキックで一気にゴール前5Mへ、ラインアウトからまずはFWが近場を攻めるが攻めきれずBKに展開、⑫中村が見事なキックパス、右大外で控えていた⑭三浦がナイスキャッチし、ゴールポスト右にタッチダウン(GK成功)で立命大が7点差リード。(19-12)
終了間際も、立命大がゴール前まで攻め込むも京産大が凌いで前半を終える。

立命大のリスタートキックで後半が始まる。
直ぐに返しておきたい京産大に対し、立命大はリードを広げたい。
後半、スコアが動いたのは13分、次も立命大だった。
敵陣ゴール前10M付近ラインアウトから、ミスなくボールを確保し続け、粘る相手のデフェンスを崩しつつ、最後はフィニシャーの⑭三浦が右中間に滑り込みトライ(GK成功)で2トライ2ゴール差とリードを広げる。(26-12)
京産大もまだまだ時間もあり、じっくり攻めたいところだが、優勢のスクラムでペナルティを取られたりとなかなかリズムに乗れない。
時間が進む中、両チームとも足が重たくなってくる。
中盤以降、立命大は敵陣ゴール前で再三PGの機会を得るもタッチキックからラインアウトモールにこだわりチャレンジしたが、相手デフェンスに阻まれる。
28分、ゴール前ペナルティ対しここでPGを選択、⑫中村が決めて勝負ありとなった。(29-12)
その後の15分ほど、京産大も果敢に攻めるが立命大はスコアを許さなかった。
立命大は京産大の4連覇を力で阻止し、初優勝を飾った。

会見レポート
立命館大学
小寺 亮太ヘッドコーチ
立命館大学としては、学生自身が立てた「関西制覇」という目標に向けて、島キャプテンや中村副キャプテン、主務関口が主体的に行動してくれた結果と、コーチ陣の支えがあって今日の優勝があると思い、感謝しています。
島 正輝キャプテン
新チームとして「春、取りに行こう」という目標を達成できて良かったと思っています。
今日のゲームは思い通りにいかない場面もあったが、チームがまとまって、やるべき事を一つになりやり遂げることができました。

Q.今日の勝因は?
小寺ヘッドコーチ
しっかりと準備ができていたところだと思います。学生自身が考えたプランにコーチが良い準備をしてくれ、チーム全体が遂行してくれました。
また、京都産業大学の主要選手であるポルテレ選手や他の選手が交代していく中で、逆に自分たちのスタイルを貫くということがゲームの途中からできたことも勝因の一つだと感じています。今までの試合の中でいろんなことを経験しながら「勝敗から何を学ぶのか」を追求し、成長していった証だと思っています。
Q.BKのトライが増えた要因は?
小寺ヘッドコーチ
ファンダメンタルなプレーはもちろん大切にしている。特に中村颯汰バイスキャプテンが非常にアイデアをもって取り組んでくれていて、信頼しているし、昨年からの学びが大きいと感じます。
三浦選手は、今年は平均2~3トライ取ってくれていて、11番から14番への変更も感覚的に掴んできてくれているのかなと感じています。
Q.バック5の評価は?
小寺ヘッドコーチ
バック5はとても競争が激しく、昨年のレギュラーでも出られない選手もいます。新しい1年生も活躍してくれているのもチームとして好材料だと思っています。
Q.後半30分でショットを選択した意図は?
島キャプテン
敵陣にはいたが、なかなかトライ取りきれず、FWの消耗も大きかった。ディフェンスは自信があったので、3点追加し3トライ差をつければ乗り切れるだろうと思い選択しました。
立命館のラグビーは「ディフェンスから流れを作る」というところなので自信がありました。
Q.初優勝の感想は?
島キャプテン
立命館大学の歴史を一つ作れたことは嬉しく感じています。
Q.今季にかける想いは?
島キャプテン
入学したときから自分たちの代は優勝しようと決めていました。新チームが始まって、春に優勝し、秋につなげるという目標を達成できてとても嬉しいです。
京都産業大学
廣瀬 佳司監督
80分間、立命館大学のプレッシャーを受けて、京産のラグビーをさせてもらえませんでした。
ミスが多く、うまく波に乗れませんでした。後半は立ち上がりの連続したミスで、最後までリズムを掴むことができませんでした。
自分たちの立ち位置のわかる結果で、秋に向けて強いチームになっていきたいです。
Q.小林 修市ゲームキャプテン
立命館のプレッシャーに、京産が春から準備してきたことができなかったのが悔しさであり、反省点です。
自分たちのプレーをして、点を取るイメージはできていたが、後半そこまで持っていけなかったのが敗因だったと感じています。

Q.どういうところに立命館大学のプレッシャーを感じましたか?
小林ゲームキャプテン
フィジカルでは圧倒的な差を感じなかったが、ブレークダウンやあらゆる接点で立命館大学の質の高さにプレッシャーを感じていました。今日の試合で最高のクオリティを出せなかったことが自分たちの弱みや甘い部分だと思います。
Q.自分たちの立ち位置がわかる試合とは、どういうところに感じましたか?
廣瀬監督
明治大学に勝ったり、早稲田大学に負けたりと良かったり悪かったり、波があります。ムラのない試合をスタンダードにしていき、自力をつけていきたいです。
Q.昨年とのチームの比較は?
廣瀬監督
昨年いた主力選手が抜けタレント性はないが、チームとして4年生を中心にまとまりがあり、相乗効果を生み出すことを期待しています。
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