マッチレポート
第58回近畿地区高等専門学校体育大会ラグビーフットボール競技決勝は、無風・快晴の絶好のコンディション。天理親里ラグビー場で、奈良工業高等専門学校(奈良)と神戸市立工業高等専門学校(神戸)が対戦した。
13時、奈良、10番SO喜多拳世のキックオフで試合開始。
最初にペースを掴んだのは奈良、1分、3分と敵陣22mLを超えたラインアウト(LO)からモールで仕掛けていく。7分、3度目のLOモールからFWがサイドを突いてディフェンスを集めた後、右隅で待ち構えていた7番 FL藤田昌希がトライ、奈良が先制した。(ゴール失敗、5-0)
10分頃から神戸もようやく奈良陣内に入ることができるようになったが、奈良の前に出るディフェンスに押し戻される。
13分、1本目と同じようにモールからサイド攻撃、最後は9番SH勝眞大空のパスを5番LO土田航大が左隅にトライ。15番FB市原爽のゴールも成功し、奈良が12-0とした。
その後もFW、BK一体となった奈良の攻撃が続いたが、ミスで得点につながらない。
神戸も、19分、奈良の反則から素早くリスタートした2番HO朝藤俊一がゴールL直前に迫るも反則でチャンスを逃してしまう。
すると21分、敵陣左10mのLOから右に回し12番CTB大串蓮が右ライン際で2人かわしてトライし奈良が神戸を突き放した。(G失敗、17-0)
その後も奈良の攻撃は続く。27分、10番喜多がラインブレークしてトライ。ロスタイム33分、BKのライン攻撃から11番WTB浅草颯矢が左中間にトライ(G失敗)して前半を29-0で終えた。
後半、神戸15番FB岸本岳斗のキックでリスタート。最初に得点したのは前半同様に奈良。
4分、相手LOを奪うとBKにFWを絡めてゴールLに迫り中央ラックから左に回し11番浅草がトライ。(15番G成功、36-0)
神戸も10分過ぎからボールを保持する時間が増えてきたが、ブレークダウンでの奈良の激しいプレッシャーになかなかゲインラインを切れない。
奈良は16分、5番土田、18分、12番大串が立て続けにトライ(共に15番G成功)し、50-0と試合の行方をほぼ決めた。
大差をつけられた神戸であったが反撃の機会を伺いひたむきなプレーを続ける。すると22分、リスタートのキック処理をミスした奈良陣内右中間22m Lのスクラムから12番CTB西林岳琉が縦に突っ込み、出来たラックからサイド攻撃を繰り返した後、2番朝藤が左隅にトライ(15番G失敗)。
続く26分にも15番岸本から13番CTB芳川雄飛とつなぎ右隅にトライを挙げ、50-10とする。
その後終了間際まで神戸は自陣から攻めを続けたがトライには至らず試合終了となった。
奈良は前に出るディフェンスからブレークダウンの激しい圧力で終始主導権を握れた事が勝因につながった。
神戸は後半20分過ぎから自分達のテンポで攻めるとゲインラインを突破できていただけに、前半からこのテンポを出せていたらと悔やまれるところであった。
両チームとも練習が思うようにできない中でのゲームであったため課題も出たと思う。両チームが出場する全国大会まで1ヶ月あまりと時間は少ないが、課題をきっちりと修正して、全国の場でまた再戦してほしい。
勝利チームコメント
奈良工業高等専門学校
森 弘暢 監督
接点のところで勝っていたのが(勝因として)一番大きかったです。
(アタックの)接点では前に出られたのですが、前に出てディフェンスを寄せた後、外で(ボールを)動かせればよかったのですが、練習不足で、そこで同じようなミスが出てしまいました。
甲元 蓮羽 キャプテン
アタックの圧力とディフェンスで前に出る部分にこだわってやって来ました。アタックでは接点の所は自信を持ってやれました。ディフェンスではキックオフでミスをして相手にペースを持って行かれました。起点でしっかりとする、と言うのが課題です。
Q.後半、ミスから2本連続のトライを奪われましたが
森 監督
新チームになってから4試合しか試合をしておらず、ゲームフィットネスが不足していたこと。一つのミスから受け身のプレーになってしまったことから、相手に勢いを与えてしまいました。
Q.FW戦はかなり優位に戦えたと思うが
甲元 キャプテン
フィジカルの部分で前に出られていましたが、その後の2人目、3人目のサポートプレーが課題だと思います。
Q.全国大会に向けて
森 監督
今年は活動ができない期間が非常に長かったので、やっていこうとした事でやり切れていない事が非常に多く、選手自身がどれだけやり切れるか、そこにどれだけ(自分達が)アシストできるかだと思います。
甲元 キャプテン
うまくいかない時に自分達のやってきたことを出し切るか、セットプレーの安定というところをより意識して練習していきたいと思います。
アタック、ティフェンスとも圧力をかけ続けることにこだわってきましたので、その部分にさらに磨きをかけていきたいと思います。