第1日目
予選プール
トップウェストリーグ、関西大学Aリーグ、全国クラブ大会出場チームから選出された15チームに加えて日本代表スコッドを交えて16チームによる、関西セブンズの注目カードをレポートします。
京産大5-38日本代表スコッド
日本代表スコッド松井謙斗のトライを皮切りに4トライをあげた代表スコッドが26点のリードで前半を折り返す。後半3分に京産大の濱田将暉が1トライ返し流れをつかむかにみえたが、代表スコッド黒川ラフィにトライを許し突き放された。
関学大19-27大阪府警察
大阪府警キャプテン重田航佑の先制トライで始まる。4分に関学大の香川凛人がトライを返し、続いてキャプテン市橋誠がトライ・ゴールを決め逆転するが、後半に大阪府警が3トライを返し逆転勝利した。
関学大10-12日本代表スコッド
関学大のデフェンスが光った一戦、代表スコッド林 大成に先制を許したものの直後に関学大は金淳英がトライを返す。後半に両者1トライを重ねるが、GKの差で関学大が惜敗した。
天理大36-19関西大
天理大の小畑拓也が先制。直後に関西大は藤原健弘が取り返し、もつれるかと思われたが、天理大がテンポよくパスを回しトライを重ねて勝利した。
同志社大38-33摂南大
先制は摂南大のタンキバ・タリフォロフォラ、同志社大は後藤雅貴がトライ。その後は終了間際まで33-33ともつれたが、最後に同志社大が山口修平のトライで勝負を決めた。
大阪ガス17-12六甲クラブ
大阪ガス増田健人、六甲クラブ鳥原将司のトライで5-5の同点で折り返す。後半の終了間際に大阪ガス鈴木将大がトライで勝利。
近畿大14-19立命館大
立命大は林晃樹のトライで7点のリードで後半へ。近畿大は中田翔太、長森健彦のトライで逆転するも、7分に立命大の古門巧馬のトライで立命大が再逆転した。
第2日目
決勝トーナメントが行われるこの日は、女子高校生によるエキシビジョンマッチやトップリーガーと子供達による、ふれあいラグビークリニックがおこなわれた。
エキシビジョンマッチは京都精華学園高校、兵庫県高校女子チーム、徳島県立鳴門渦潮高校の3チームによる三つ巴戦が行われ、結果は兵庫県高校女子チームがフラットなラインから走力を生かしたアタックで他の2チームを圧倒した。
ラグビークリニックでは100名を超える子供たちが参加。地元近鉄ライナーズやNTTドコモレッドハリケーンズなど、関西のチームから参加の19名のトップリーガーの指導の下、ラインアウト体験やマット上でのダイビングトライやゴールキックなどを体験した。なかには千葉県から春休みで帰省中の兄弟も「千葉の佐倉ラグビースクールでラグビーをしています。この募集を見て急いで応募しました。来年の帰省も楽しみにしています」とお母さん。
決勝トーナメント
天理大24-19近畿大
天理大は前田翼のトライし先行、近畿大も岩佐賢人がトライし追う展開。しかし天理大が終始、近畿大をリードし準決勝へ。
同志社大21-10関学大
関学大は鮫島魁が先制トライ。一方の同志社大は鶴田桂樹がトライし追いつくが、両者ともデフェンスがよく1トライのまま後半へ。
後半も拮抗した戦いであったが、1トライとキックの成否で同志社大が上回った。
日本代表スコッド33-5大阪ガス
社会人で唯一勝ち残った大阪ガス前田一平のトライで先行するが、代表スコッドの黒川ラフィ、アライアサ・ローランド・ファウイラなどの活躍で1トライに終わる。力の差を見せつけられたゲームであった。
立命館大19-21関西大
関西大は中野広平、久保田勝己の連続トライで前半リード。後半に入り立命館大は古門巧馬のトライで追い上げるが、関西大が辛くも逃げ切った。
準決勝
天理大19-26同志社大
小畑拓也のトライなどで天理大のリードで折り返す。後半に入って、同志社大は鶴田桂樹の連続トライで逆転。最後は安田卓平のだめ押しトライで突き放し、決勝へコマを進めた。
日本代表スコッド28-14関西大
松井謙斗の連続トライで主導権を握った代表スコッドが、危なげなく勝ち上がった、関西大は前半の久保田勝己、中野広平の2トライのみに終わった。
決勝
同志社大21-22日本代表スコッド
前半は代表スコッドが松井謙斗、アライサ・ローランド・ファアウイラのトライで0--10で折り返す。後半に入って同志社大は、鶴田桂樹が1トライを返し勢いに乗る。その後もトライを重ね1点差まで追い上げるも、代表スコッドの両サイドのアタックにてこずり、7分に1トライを許してしまう。同志社大は最後に山本翔が意地のトライを返したが、1点およばなかった。MVPは同志社大の鶴田桂樹。
優勝は日本代表スコッド、しかし大会規定により準優勝の同志社大が7月上旬に開催されるジャパンセブンズに関西代表として出場する。
予選プールでは、この時期は春先から始動している学生の走力が上回っており、社会人との差がはっきりと現れた。社会人は「走力で劣るなら、体を当てて」と対抗し、迫力のある攻防が随所に見られた。
決勝トーナメントでは大学が6チーム残った。今シーズンを睨んだ意地のぶつかり合いは、タフなゲームになり観客を沸かせた。また日本代表スコッドのパス、ランニングなどの個人スキル、多彩なデフェンス、アタックのフォーメーションは、今後の関西のセブンズ強化への参考となるだろう。
日本代表スコッド(Sevens development squad)
梅田紘一 コーチ
非常にタフなスケジュールでのぞんだ大会でした。今回の香港遠征には選出されなかったメンバーで、モチベーションの維持が難しかったのですが、「勝つことは簡単ではない、一生懸命やろう」と言いました。
2日前に香港セブンズのメンバーと、本番さながらのゲームをした疲れ。メンタルでの不安はありましたが、選手はよくやってくれました。
怪我で2人欠いて10人で戦わねばならない状況で、「スタートダッシュしかない」とゲームの入りに集中しました。また同志社さんは速い選手が多いので「デフェンスはまとまっていこう」と。疲れで出来なかったところもありましたが…
–この大会で印象に残った選手は?
松井、吉田は期待通り良かったです。ラフィ(黒川)は随所にいいところが出ました。どんどん経験していってもらいたいです。何人か上にあげたい選手がいます。また学生の中にも数名いい選手がいます。名前は言えませんが・・・。