2月15日(日) NTTドコモ 7-82 ヤマハ発動機

トップリーグ 第5節NTTドコモ VS ヤマハ発動機

2020年2月15日(土) 11:30キックオフ
グラウンド:ヤンマースタジアム長居
入場者数:16483人
天候:くもり/微風
レフリー:関谷惇大(日本協会A1)
アシスタントレフリー:佐々木裕司(日本協会A1)/立川誠道(関西協会)/河村隆史(関西協会)
NTTドコモ ヤマハ発動機
7 FULL TIME 82
0 前半 47
7 後半 35
詳細
(日本協会公式)

マッチレポート

前半開始早々からヤマハがドコモのディフェンスの隙間を縫ってトライを量産。一方的にヤマハがボール支配をしているというわけではなく、ドコモが敵陣内に深く切り込む場面も見られたが、攻める際の戦術がパスを左右に振るだけで単調な動きとなっているようで、守っているヤマハにすればどこから守りやすかったかもしれない。


ヤマハは攻守の切り替わりやセットピースからのリスタートの時であっても終始自分たちのプレーをやり切っている様子だった。例えば、自陣内でのスクラム。得意なはずがドコモに押し切られた場面でも、ドコモに仕事をさせなかったディフェンスは自分たちのプレーへの自信の表れのように映った。


一方のドコモは、自陣からのオフェンスの場面では大胆なプレーが見られず、ファンが興奮する場面も少なかった点が残念。
その中でも目を引いたのはSH秦一平選手の気迫ある動き。後半ヤマハの選手が独走トライ寸前の22mライン付近での足に手を掛けてトライを防いだ場面は盛り上がった。(その後のバッキングアップがなく結局トライを献上)


今後、ヤマハは優勝争いへ参戦し、ドコモには満員のファンに喜んでもらえるプレーを期待したい。

記者会見

NTTドコモ マイケル・ブリューワーヘッドコーチ(HC)
また厳しい試合になった。前節から修正しなければならない部分を一生懸命練習した。その結果、スクラムについてはうれしく思っている。ただ、ディフェンスでスペースを与えすぎたことが残念だ。
ヤマハもスタイルを変えてワイドにアタックしてきた。ヤマハは元々セットプレーが強かったが、神戸やパナソニック等のトップチームに勝つためにもっとワイドにプレーをしなければならないと考え変えてきたと思う。
2週間前みたいに前半をうまくやれなかった。ただきょうの後半はかなりよくなったと思う。次節へ向けてまたしっかり働かねばならない。もう一度ディフェンスを見つめなおし、アタックとセットピースも見つめなおす。
来週はパナソニックが相手で、ヤマハにも神戸にも劣らないのでまた厳しい試合になると思う。ドコモにとって大事なことは若い選手が目立っていないこと。大学やトップチャレンジのレベルなら、リカバリーできる時間があった。しかし、トップチーム相手では一分一秒も休ませてくれず常にプレッシャーをかけてくる。ドコモに大事なのはその強度に慣れていくということ。それには経験とその環境にいることが大事だ。その環境をまずは練習から作り、その強度に慣れていくようにしたい。
もうひとつ最後に言いたいのは、前節神戸戦の後半では自分達で悪い方向へ行ってしまったが、それに比べ今日は後半になるほどしっかりまとまってプレーすることができた。それはかなりいい兆候になる。したがってこのままハードに働き続けたい。

キーパ・ミーウィットキャプテン
なにも言うことはない。

Q:後半によくなったが、ハーフタイムにどんな指示をしたのか?
ブリューワーHC

フィールドを埋めることができていない。練習でやってきたことができていない。特にフロントローがそれをできていない。一方、今までは勝てないラックにオーバーコミットしてしまうことが多かった。それをしてしまうとあきらかに人数が減ってしまう。これは改善できたと思う。
でもまだまだ目指しているところには程遠い。かつコリジョン(衝突)にも課題があるが、後半は改善できた。コリジョンさえ勝てれば相手はしたいことができない。
後半はボールを持ってコリジョンにも勝てて前に出ることができた。そしてヤマハの選手はタックルエリアに寄る必要が出た。そしてドコモにワイドなスペースがあき、攻めることができた。
ラグビーはシンプルだ。まずはボールポゼッションを保つこと。そして前に出て、ボールキャリアーをサポートし、ボールを活かし続ける。ディフェンスのときはその逆をする。後半はそこがかなりよくなった。ハーフタイムには上記を簡潔に言った。

Q:神戸に大敗後はしっかり話してくれたが、今日はなにも話したくないとのこと。かなり悔しいということか?
ミーウィットキャプテン

すみません。その通りで。2週間前も相当厳しい試合で、その試合から今日までもメンタル的にしんどかった。2週間前よりもよいパフォーマンスを目指したが今日も似たような結果に終わりしんどい。

Q:ヴィンピーが今日から戻ってきた。その評価と今後への期待は?
ブリューワーHC

復帰戦でいきなりヤマハ戦はかなり厳しいと思うが、ヴィンピーの特性としてはフィジカルが強くて前に出られる。彼をブラインドサイトに置いて彼を起点にゲインしようとしてがんばってくれた。
ただ、ヤマハも彼は強いボールキャリアーであることはわかっているので複数人で囲んで激しいタックルをしていた。手術をしてまだ復帰したばかりなので最初は40分しか出すつもりはなかったが約60分は彼が必要になってしまった。彼もゲームフィットネスが上がればもっといいパフォーマンスを出してくれるはずだ。ドコモが向上するために彼は不可欠な存在だ。

ヤマハ 堀川隆延監督
相手に関係なく自分達のスタイルをやりきった80分間だったと思う。前半はいいスタートをきり、最後にホーンが鳴ってからも自分達のスタイルでとりきった。80分間通じていいパフォーマンスを発揮してくれたことに感謝している。グラウンドにいるリーダーのリーダーシップがいい意味で成長してきている実感を得ることができた。メンバーが多少変わっても自分達のスタイルをやりきった80分間だった。次戦に向けてまたいい準備をしていきたい。

大戸裕矢キャプテン
たくさんの方が会場にきてくれてうれしい。ありがとうございます。試合内容については監督とほぼ一緒で、ホーンが鳴っても自分達がやるべきことをしっかりできたことが前節から成長できたことだと思う。新加入の1番3番もしっかり役割を果たしてくれてチーム全体として成長できている感触がある。

Q:サム・グリーンを早めに替えたのは?
堀川監督
ジェイデン・ナーマヌを10番で長い時間使いたかったから。期待通りですばらしかった。

Q:リーダーシップの成長について具体的には?
堀川監督

簡単に言うと、ホーンが鳴っても攻め続ける強いマインドが共有できていたこと。方向性をしっかりひとつにできていることが一番評価できる。

(文責:大阪府協会 長澤良行)

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■撮影者:清水良枝

■撮影者:古田浩