12月21日(土) 大学選手権 早稲田大学 57-14 日本大学

第56回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 準々決勝早稲田大学 対 日本大学

2019年12月21日(土) 12:05キックオフ
グラウンド:東大阪市花園ラグビー場
入場者数:7980人
天候:くもり/微風
レフリー:真継丈友紀(日本協会A1)
アシスタントレフリー:加藤真也(日本協会A1) / 八木聖也(関西協会) / 河村隆史(関西協会)
早稲田大学 日本大学
57 FULL TIME 14
24 前半 7
33 後半 7
詳細
(日本協会公式)

マッチレポート

新国立競技場での決勝へ駒を進め、11年ぶりの優勝を目指す36大会連続53回目の早稲田大学と6大会ぶり18回目の日本大学の対戦。関東大学対抗戦、関東大学リーグ戦の2位同士対戦は非常に興味深いカードとなり、8000人近い観客が聖地・花園に集った。

試合は走力、展開力と持ち味を遺憾なく発揮する早稲田バックス陣に対し、日大ディフェンスもラックでしっかりとボールに絡み、何度かターンオーバーをする機会も作り出した。

しかし早稲田はセットプレーからできたポイントへの集散で早さ、数で日大を上回り、数フェイズ重ねると外側にできたスペースで数的有利な状況をつくった。

日大は早稲田陣内でのスクラムやラックからSO10番岸岡智樹にボールが回った際、簡単にキックを許し、陣地を回復される場面も多く見られた。
この試合を象徴するプレーは前半13分の早稲田二つ目のトライ。自陣深く攻め込まれた早稲田はキックの選択肢もあったが蹴らず、日大のバックスラインの間隔が広いところを見逃さず左へ展開。最後はWTB11番古賀由教が押さえた。「チームとしてのアタックへの意識」が如実に表れた場面だった。
ただ、早稲田はスクラムでのコラプシングの反則を5度とられる場面があり、ここを修正できれば自慢のバックス陣がさらに活かされることだろう。

(文責:大阪府協会 長澤良行)

会見

日本大学
中野克己監督
4年前に入れ替え戦からスタートした坂本キャプテンを中心とした4年生に感謝している。今年がスタートの年という意味で「大学選手権常連」を目指して来年以降、4年生が残してくれたものをしっかりつないでいきたい。

坂本駿介主将
相手の力強いスピードのあるBKSにうまくやられて、スクラム、モールとも優位に立った場面もあったが最後まで自信のあるFWで優位に立つことができなかったのが敗因。いい準備をしてきてやっていることは絶対に間違っていなかったが、負けたということは甘いところがあった。次の代が修正してくれれば、来年はこれ以上の成績を残してくれることを期待している。

Q.FWの優位が得点に結びつかなかったが。
中野監督
特に前半、反則したり、ハンドリングミスで敵陣に入れなかったのが悔やまれる。

Q.スクラムのジャッジはどうだったか。
坂本主将
詰めてきているスクラムで、うまいなあと思った。ジャッジに関してはしっかりとってもらった。

Q.来年に向けて。
中野監督
基本的にはFWを全面に出してやっていくが、強豪校に対してはボールへの執着といったアクセスを高められればよりFWの優位を生かせるのではないか。

Q.後輩へエールは。
坂本主将
今年1年はハードに取り組んできた。やってきたことは間違っていなかったと思っているが、負けたということは甘さがあった。ラグビー面か私生活面かはわからないが、甘さがあったことは全員が自覚して、もう一度ラグビーに真摯に取り組んでほしい。


早稲田大学
相良南海夫監督
初戦でしっかり勝利できてよかった。ミスも多かったが、日大のFWが強力という想定で戦ってしっかり五分に、我々のペースで戦えたと思っている。

斎藤直人主将
早明戦以降「リボーン」というテーマを掲げて生まれ変わろうということで練習してきた。ディフェンス面でロースコアに抑えられてよかった。

Q.ボールを動かしたいということだったが。
相良監督
明治戦を反省しディフェンスを重視した。アタックは持ち味をもった選手が多いので思い切ってやったが、選手が表現したいことが形となってあらわれた。

Q.キックを蹴る場面でも積極的に回したのはBKSの展開力に自信があったのか。
斎藤主将
早明戦の反省で自分たちの強みであるアタックへの認識が薄かった。自陣からでもスペースを見つけてアタックしようとしたのと相手が後ろに枚数が多かったので試合中BKSが臨機応変に対応してくれた。練習の成果だと思う。

Q.早稲田としてはハンドリングエラーが多かったが。
相良監督
相手のプレッシャーが強かったのと3週間ゲームが開いたことが影響したと思う。この先のゲームではどれだけエラーを少なくできるかがポイントになる。いい練習をしたい。

Q.スクラムのコラプシングは。
相良監督
この先もそこがポイント。どこが悪いかを分析してコラプシングをどれだけ減らせられるかが目標達成のポイントになる。

Q.「リボーン」をテーマに掲げた思いについて。
斎藤主将
特別なことをやるのではなく、アタック・ディフェンスともに今年1年かけてやってきた強みの部分を細かい部分を含めて詰めようと思い、技術と気持ちの両方を練習から積み上げてきた。今日の試合は結果的にエラーだったり取り急いで外に回しすぎたが、積極性のあるミスだったのでポジティブに捉えられる。

Q.(前回大会明治に27-31で敗れた)2日に向けてどう取り組むか。
相良監督
昨年を超えることが最大の目標。どれだけ自分たちの求めるものを80分間出し続けられるかだ。悔いの残らないように、次も反省して終えられるゲームにしたい。

斎藤主将
自分たちのやるべきことをやるだけ。試合で自分たちがやってきたことを出すために準備期間で抜け目なく細かいところを詰めて臨みたい。まずは去年を超えることを達成したい。

(文責:大阪府協会 丸井康充)

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■撮影者:KRPU渡辺隆夫