6月29日(土) ヤマハ発動機 21-24 東芝

トップリーグカップ2019 プール戦ヤマハ発動機 VS 東芝

2019年6月29日(土) 14:30キックオフ
グラウンド:エコパスタジアム
レフリー:塩崎公寿(日本協会A)
アシスタントレフリー:橋脇正典(関西協会)、木村正彦(関西協会)、眞崎智央(関西協会)
ヤマハ発動機 東芝
21 FULL TIME 24
0 前半 21
21 後半 3
詳細
(TL公式)

マッチレポート

【後半のヤマハの追い上げも東芝がPGの差で逃げ切りプール戦2連勝】

プール戦第2節のヤマハ発動機と東芝の試合が、静岡県袋井市のエコパスタジアムで行われた。ラグビーワールドカップ2019の会場でもあるこのスタジアムでは2年ぶりの開催である。
当初は第1試合のトヨタ自動車vsキャノン戦も含む2試合が組まれていたが、トヨタ自動車の不祥事による辞退によりこの試合は中止、第2試合のこの試合だけ行われた。
しかし、午前中スタジアムでは地元袋井市によるラグビーイベント「2019人ラグビートライチャレンジ」が2,067人集まり行われ、開催に向け地元は盛り上がっているようだ。


午後から雨が止み、曇り空の天気のもとスタジアムには2,820名のファンが集まり、東芝のキックオフで試合が始まった。
前半中盤までヤマハ、東芝ともゴールまで攻め込むも、お互い得点をあげることができず一進一退の攻防が続く。
先制したのは東芝。前半25分、敵陣10mライン付近のスクラムからSH小川高廣が右サイドを突きWTBジョネナイカブラにパス。ジョネは右タッチライン際を抜け、右中間に回り込みトライ。WTBコンラッドバンワイクのゴールも成功し、東芝が0-7と先制する。

勢いに乗った東芝は32分、敵陣ゴール前5m左サイドのラインアウトからの攻撃からSH小川がこぼれ球を拾い、密集から抜け出しゴール真下にトライ(ゴール成功)。さらに35分、自陣10m付近でWTBコンラッドが左サイドを抜き、フォローしたFB豊島翔平にパス。ボールを受けた豊島はそのまま左ゴール隅にトライ。WTBコンラッドの難しい角度からのゴールも成功し、0-21と東芝が大きくリードし前半が終了する。


後半に入りリードされたヤマハは、3分敵陣10m左サイドラインアウトから右へ展開し連続攻撃。最後はFBゲリー・ラブスカフニが回り込み右中間にトライ。ゴールも成功し7-21と反撃を開始する。
そして8分、ヤマハは自陣22mライン付近中央で痛恨の反則。東芝はペナルティゴールを選択し、WTBコンラッドが確実に決め7-24と引き離す。このゴールがこの試合の結果に大きく影響を及ぼす。

ヤマハは14分、敵陣ゴール前5m左サイドのラインアウトからモールを形成、そのまま押し込みHOの名嘉翔伍が左中間にトライ、ゴールも成功し14-24。さらに27分には自陣22mライン付近密集から交替したFL西内勇人が抜け出し、ゴール真下にトライ。FBゲリーのゴールも難なく決め、21-24と3点差に迫る。

31分、今度は東芝が自陣22mライン付近中央で反則。ヤマハは同点のペナルティゴールを狙わずタッチキックで逆転を狙う。しかし、敵陣ゴール前右側ラインアウトからの攻撃で痛恨のミス、こぼれ球を東芝がカウンター攻撃で敵陣まで大きくゲイン。その後は東芝が敵陣でボールをキープし続け試合終了のホーン。東芝が後半ペナルティゴールであげた3点のリードを守り切り、21-24で東芝が勝利した。
前半は東芝が少ないチャンスを活かして点差を広げるも、後半はヤマハが追い上げるという見ごたえのある内容であったが、最後は東芝がディフェンスで3点差を守り切った試合だった。東芝は前節のNTTコムに続きヤマハにも勝利し2連勝、勝ち点を8に伸ばした。一方のヤマハは試合には負けたものの、強豪相手に若手を起用して臨んだゲームに善戦し、勝ち点1を獲得した。
この日のマン・オブ・ザ・マッチは、全てのゴールに成功し東芝の勝利に貢献した、WTBコンラッドバンワイク選手が受賞した。

(文責:静岡県ラグビーフットボール協会 浅田伸明)

会見レポート

ヤマハ発動機ジュビロ
堀川隆延監督
天候の悪い中、たくさんの方々に会場にお越しいただいて、最後まで熱い応援をいただいたことに対して感謝したいと思います。
ゲームの内容は前半、後半で全く違うチームだったことに尽きます。東芝さん相手に強くならないといけない若い選手をあえて起用し、彼らがこういう舞台で力を発揮できるかがこのゲームの一番の焦点で、大舞台でプレッシャーがかかった時にその力が発揮できないという壁を彼らは乗り越えなければいけないという意味では、その壁がどういうものなのかということを体感できたのは、非常に大きな経験だと思います。
この経験をどうやって次のゲームやトップリーグにつなげていくかというところが大事なので、この経験をさせられたことに対してはプラスになったと思うし、ハーフタイムで彼らが気づき、修正できたことは大きな収穫だと思います。
後半、ヤマハスタイルを見せようと西内(勇人)や高部、大塚がひとつの壁を越えてくれたというのはチームにとって大きな財産になったと思います。
勝敗は負けましたけど、いま自分たちが得たいものを得ることができ次の1週間でメンバーは大きく変わると思うが、チームとして前進していけるように次に生かしていきたいと思います。

名嘉翔伍ゲームキャプテン
前半セットプレーで手こずり、ブレイクダウンで受けてしまってディフェンスで足が出なくなってしまった。前半のうちで切り替えてハーフタイムで修正して、後半いい立ち上がりで持っていけたのはいい収穫だったと思います。

Q.監督は前半後半で全く違うチームと言っていたが、スコアできなかった要因は?
堀川監督
前半20分に敵陣22mでマイボールセットがスクラムとラインアウトで4つあって、すべてターンオーバーされたというのが前半ゲームを難しくしたと思いますが、ビデオを見て精査したいと思います。特にBK。

名嘉ゲームキャプテン
同じ印象です。


東芝ブレイブルーパス
瀬川智宏監督
本日はありがとうございました。ヤマハさんの本拠地である静岡で、タフなゲームになると想像はしていました。
前半、東芝はいい試合をしたのですが、後半はヤマハさんのペースになり、予想はしていたが厳しいゲームになりました。その中で、今までだったら競った試合で負けてしまうことが続いていたが、今日は最後の5分間、ゲームコントロールを含めて非常に勝ちにこだわったというゲームをしてくれたという面では収穫はあったと思います。
ケガ人も多く、コンディションとしては厳しい状況ではあるが、また1週間いい準備をして来週に備えたいと思います。

小川高廣キャプテン
監督の言った通り簡単に勝たせてくれる相手ではないと思っていました。前半は点差が開いていたが、最終的にはボーナスポイントまで与えてしまった。ヤマハさんの粘り強いフィジカルの強さで苦しんだ試合でした。
勝つことで自分たちの自信を取り返したいという思いが一番にあるので、今日勝てて、次に進めるのでよかったと思います。

Q.後半最初にトライを取られたあと、時間があるのにPGを選択したが、その選択はどういう判断か?
小川キャプテン
ペナルティをもらった時点で、点を取られた後ですし、まずは点が欲しかったという判断です。

 

フォトギャラリー

■撮影者:静岡県ラグビーフットボール協会 谷本結利