トップリーグ 第11節
近鉄 VS. キヤノン
2016年12月10日(土) 14:00キックオフ グラウンド:東大阪市花園ラグビー場 | ||||
近鉄 | キヤノン | |||
10 | FULL TIME | 17 | ||
0 | 前半 | 10 | ||
10 | 後半 | 7 | ||
詳細 (TL公式) |
マッチレポート
ジャパンラグビートップリーグ2016-2017もいよいよ終盤の第11節。各チームとも残り試合を見ながら少しでも順位を上げようとする必死の戦いが続く。2勝8敗勝点13と入替戦圏内の13位の近鉄と3勝7敗勝点25のキヤノンとの一戦。順位の切迫する両チームの戦いだけにお互いに負けられない。寒風の中、聖地花園に駆け付けた6,000人を超す熱心なサポーターの見守る中、近鉄SO10番野口大輔のキックオフで開始された。
前半、9分に風上のキヤノンが近鉄ゴールに迫るが、TMOの末オブストラクションと判定されトライに至らない。しかしキヤノンは22分にゴール前10m中央ラックよりバックスが右に展開、最後はWTB14番藤近絋二郎が右隅に飛び込む。これもトライ直前のプレイがオブストラクションの疑いでTMOとなるが、こちらはトライが認められ、CTB12番三友良平のゴールも決まり0-7とキヤノンが先制。
さらに前半終了間際の39分、ゴール正面30m付近での近鉄のノットロールアウェイで得たPGをこれもCTB12番三友が慎重に決め、0-10とキヤノンがリードして前半を終えた。前半はキヤノンが70:30でエリアを確保したが、近鉄も風下にもかかわらず10点差に踏みとどまったことで試合の行方は後半に持ち越された。
後半はやはり風上に立った近鉄が逆襲を開始。4分に№8・8番堀大志が抑えたかと思われたが、TMOの結果、ノックオンと判定されノートライ。しかし11分のキヤノンのコラプシングで得たゴール前30m左中間のPGをSO10番野口が決めて3-10と追撃が始まった。さらに近鉄は22分、22ml右中間ラックからショートサイドに展開、FB15番アンドレ・テイラーが中央に回り込みトライ。SO10番野口のゴールも決まり遂に10-10と試合を振り出しに戻す。
HLを挟んで一進一退の攻防が続くが、近鉄は課題のセットプレイ、特にラインアウトが安定せずチャンスを掴めない。そして残り10分を切った33分、ずっと優勢にエリアを確保していたキヤノンが22ml中央のスクラムから右に展開、ライン参加していたFB15番マイケル・ボンドがDFをかわして右中間にトライ。WTB22番ジャン・クロード・ルースがゴールを決め10-17と追いすがる近鉄を振り切った。
勝ったキヤノンは接戦が続くが、少なくとも下位チームに取りこぼすことなく一つずつでも順位を上げて行きたい。敗れた近鉄は7点差の敗戦が続いただけに、セットプレイの精度を上げて何とか入替戦圏内から脱したい。
マン・オブ・ザ・マッチに決勝トライを挙げたキヤノンFB15番マイケル・ボンドに贈られた。
記者会見ダイジェスト
近鉄ライナーズ
坪井章監督
今日もホーム、花園に多くのサポーターの方に応援いただき、また芝生も鮮やかな良い環境でゲームができたことは感謝したい。なかなかホーム・花園でも白星があげられず、今日は意を決してチーム一丸となって臨んだゲームだったが、またあと一歩ということで届かなかった。前半は向かい風の中、良いゲーム運びでプラン通り10点程度の差を後半畳みかけるつもりだったが、キヤノンの気迫に結果につなげることができなかった。次戦も大阪での東芝戦、チャレンジして下を向いている暇はないので、豊田キャプテンを筆頭に選手・スタッフともチーム一丸となって臨んでいきたい。
豊田大樹キャプテン
結果は負けてしまったが、しっかりと一週間そしてウィンドウズ・マンスで準備してきたことを出すことはできた。細かなミスは数多くあったが、準備してきたことをしっかり実行してくれた選手たちを誇りに思う。やってきたことは間違いではないと思うので、精度を上げてこちらが得点、失点を減らすことを目指していく。今日は負けたものの、そんな良いところも見られた試合だった。次の東芝戦は良い内容で勝つことにこだわって挑んでいきたいと思う。
キヤノンイーグルス
永友洋司監督
近鉄の応援も多かったが、熱心な観客の応援も非常にラグビーを楽しめる要素になっていると思えた。久しぶりの花園だったが、改めて良いなぁと感じた。花園での近鉄戦は少しやり難い点もあるが、やはり今日も接戦となった。われわれのミスも多く近鉄に助けられた点も多々あったが、最後は庭井キャプテンを中心に選手の勝ちたいという気持ちが最後の僅かな差になったと思う。頑張ってくれた選手に感謝する。
庭井祐輔キャプテン
まずは勝てたことが大きな収穫である。今シーズンは今日と同じような流れで最後逆転負けをするという形が続いていたが、今日はそこから打開できた、勝ち切ることができたことは本当に大きな収穫であった。ただ沢山のチャンスを作れていたにもかかわらず、それを得点に結び付けられない現状は修正すべきだと思うので、来週に向けて良い練習で修正して行きたい。
(記事:石川悟、丸井康充)