近鉄 VS. トヨタ自動車
2016年10月8日(土) 11:45キックオフ グラウンド:東大阪市花園ラグビー場 | ||||
近鉄 | トヨタ自動車 | |||
19 | FULL TIME | 25 | ||
6 | 前半 | 7 | ||
13 | 後半 | 18 | ||
詳細(TL公式) |
マッチサマリー
ジャパンラグビートップリーグ2016-2017は第6節。序盤、中盤、終盤に分けると中盤にさしかかったところで、これから上位争いが熾烈さを増す。今シーズン花園でのトップリーグ開幕戦には2試合で延べ約1万6000人が訪れた。この試合、ここまで2勝3敗勝ち点9で9位、なんとしても負け数より勝ち数を上回らせたい近鉄。一方、3勝2敗勝ち点15の5位とこれ以上負けると上位進出が厳しくなるトヨタとの対戦となった。インゴールは「ワールドカップ仕様」で5mほど狭くなったグラウンド。この時期にしては気温、湿度が高く、蒸し暑さの感じられる中、試合は近鉄SO重光泰昌のKOで始まった。
10分過ぎまでは近鉄がボールをよく左右に散らし、トヨタ陣で試合を進める。しかしトヨタの堅いディフェンスに阻まれ得点できない。
トヨタは終始このディフェンスが機能し、勝因の一つになったといえよう。
試合の均衡を破ったのは近鉄。13分トヨタがスクラムを崩す反則でペナルティーを犯す。相手陣ゴール前25m左中間のPGをSO重光が確実に決めて先制した。
ところがこの後、流れはトヨタに。19分、相手ゴール前15m左、近鉄ボールのLOをターンオーバーして2フェーズを重ねる。22mL右中間ラックから右へ、SH岩村昂太→右WTBイェーツ スティーブンソンとつなぎ、右WTBスティーブンソンがうまく内を突いた左CTBタウモエピアウ シリベヌシィにパスし、中央にトライ。SO樺島亮太のGも成功し3-7と逆転した。
43分、TMOによりトヨタのオブストラクションが認められて得たPGを、近鉄SO重光が決めて6-7と迫る。お互いに細かいミスや肝心な所での反則が気になる前半戦だった。
後半はトヨタFB、ロビー・ロビンソンのKOでスタート。開始直後からトヨタの攻勢を近鉄がしのぐ展開に。
トヨタは9分、相手ゴール前5m左中間ラックから左にSH岩村→左PR吉田康平とつなぎ、左中間にトライを上げた。G不成功で6-12。その後は一転、近鉄がトヨタをゴール前に釘付けにする。20分、ラックでのトヨタのオフサイドで得たPGをSO重光が慎重に決めて9-12。試合の行方はわからなくなった。
しかし直後の22分、今度はトヨタが近鉄ゴール直前中央ラックから右へSH岩村→SO樺島とつなぐ。SO樺島のうまい飛ばしパスが左WTB彦坂匡克に渡り、中央にトライ。SO樺島のGも成功して9-19となった。このトライは試合の趨勢を決定づけた。その後、トヨタは2本のPGをSO樺島が決めて9-25。
32分トヨタ18番浅堀航平のシン・ビンの間にトップリーグ100試合出場となった近鉄17番田邉篤が、左WTB島直良がトライを奪うものの(ともにG失敗)届かず、19-25でノーサイドとなった。
この試合、トヨタのディフェンスの良さが目を引いたが、お互いにミスでチャンスを逃す場面もみられた。トヨタ、近鉄ともイージーミスや失点につながる反則は是正し、次節に臨んでもらいたいところ。
MOMにはトヨタ自動車ヴェルブリッツ、SO樺島亮太が選ばれ、トップリーグ100試合出場を果たした近鉄ライナーズ、田邉篤が表彰された。
監督&キャプテンコメント
近鉄ライナーズ
坪井章監督
ホーム花園で試合をすることの幸せを感じ、それに応えたかったが果たせなかった。トヨタのランナーの強みを出させないようにしようと思ったが、自らのミス、大事なところでのペナルティーが試合結果につながった。来週は再度引き締めて準備したい。
豊田大樹主将
花園での開幕戦を勝利で飾りたかった。サイズ、フィジカルで揺さぶっていこうを思ったが足が動かないところがあった。ボーナスポイントは「1」は次につながる。修正して次に臨みたい。
―ゴール前に迫るシーンで取り切れなかったが打開策は。
坪井監督
ボールキャリアのリリースなど分析して、細かいところを修正したい。
―スクラムの実感は
豊田主将
スクラムはトヨタの強みだがボールをクリーンに出せたし負けていなかった。
―ここまで結果的に昨年の上位チームに勝ち星を上げられないが
坪井監督
今日の試合でもそうだったが取り切るところでの差か。精度を高める。
トヨタ自動車ヴェルブリッツ
菅原大志監督
自分たちの試合をしたかったが攻撃の流れは良くなった。簡単なミスやシン・ビンがゲームを壊したのは残念
安藤泰洋主将
2敗後の近鉄戦ということでフォワードのフィジカルなど原点回帰のつもりで挑んだ。簡単なミスはなくさないといけない。
―ハーフタイムではどのような指示を
菅原監督
自分たちの戦いをすることが一番。点数より自分たちのアタックにフォーカスすること
―スタメンの交代は
菅原監督
文字はけが。樺島はいい形で練習していて不安はなかった。しっかりゲームコントロールできていた。
―ボールキャリアについては
菅原監督
フェーズを重ねて前進し流れをつくることにフォーカスした。フォワードが真ん中で仕事をするとスペースができる。
(記事:丸井康充)