10月11日(土) 1st・第6節 近鉄 30-31 サントリー

14-10-11-TOPリーグー近鉄対サントリー (8)トップリーグ 1stステージ・第7節 近鉄 VS サントリー

2014年10月11日(土) 14:05キックオフ グラウンド:近鉄花園 入場者数:9713人 天候:くもり / 弱風
レフリー: 大槻卓
アシスタントレフリー:立川誠道 / 近藤栄作 / 實野隆一
近鉄
ライナーズ
サントリー
サンゴリアス
30 FULL TIME 31
 10 前半 10
 20 後半 21
 勝点
2
 詳細(TL公式)  勝点
5

◎マッチサマリー
三週間ぶり、台風の接近で時折強い風の吹く近鉄花園ラグビー場でのトップリーグ第6節。今シーズンは得点力が増し、ここまで3勝2敗、勝点15でプールB5位の近鉄ライナーズ。一方、前節で神戸製鋼に僅差で敗れたものの、4勝1敗、勝点18で2位のサントリーサンゴリアスの一戦。両チームの勝点差は3、近鉄としてはサントリーに勝利し上位浮上を、サントリーとしては手堅いディフェンスで勝利し首位返り咲きを目指す一戦。

サントリーのキックオフで前半が開始され、サントリーが近鉄陣内奥深く攻め込み、序盤はサントリーペースで試合が進む中、12分、ゴール直前左中間ラックからHO小澤が右サイドを破りトライ、SOピシがゴールを手堅く決め0-7と試合が動く。近鉄も、ディフェンスがまとまりを見せ、なかなかサントリーにゲインを許さず、我慢を続ける中、25分、35m左中間で得たPKをSO重光が確実に決め3-7と食い下がる。サントリーも31分、25m中央からのPGをSOピシが決め、3-10と再び7点差に拡げる。しかし、近鉄は多数の地元ファンの声援を背に34分、HL付近右ラインアウトから左展開し、左WTBテイラーがライン際を大きくゲイン、最後は右WTB田中が右隅にトライ、GKも重光が決め10-10の同点でハーフタイムを迎える。

後半、先取したのは近鉄。2分にSO重光がPGを決め13-10とこの試合初めて逆転すると、サントリーは10分、ゴール前から展開し左CTB宮本がトライ、GKも決まり13-17と再逆転。近鉄は4分後の15分、左FLラトゥイラがゴール直前のラックからトライを奪い18-17、そして、そのリスタート直後の17分、今度はサントリー、HL左中間ラックでのルーズボールをHO小澤が見逃さず、50m独走してトライ、GKも決まり18-24と点の取り合いになる。近鉄は21分、ゴール直前の右中間ラックから右WTB田中がこの日二本目のトライを挙げ、23-24と1点差に迫るシーソーゲームに、スタンドに詰めかけた1万人近いファンは固唾をのむ試合展開となる。突き放しにかかるサントリーは、30分、SH日和佐が近鉄ディフェンスの裏を抜けポスト左にトライ、GKを12番宮本が決め、23-31と差を8点に拡げセーフティーリードに近づいたかに見えた。しかし、37分、近鉄は入れ替わった19番山口がゴール前15mのルーズボールをとり中央にトライ、GKも決まり30-31と再び1点差に。試合時間は残りわずか2分、勝利への執念はどちらのチームが優るのか、息をのむ熱闘が続く。地元で勝利をもぎ取りたい近鉄は自陣から必死にボールを前に進めるが、痛恨のノックオン。サントリーがタッチへボールを蹴り出し、勝利を確定させた。

近鉄は、難しい位置であったが2本のGKが決まらず勝利を逃したが、勝点2を加えプールB上位を狙う。一方のサントリーは勝点5を加え、上位グループへの進出を確定させて最終節を迎える。昨年度のような爆発的な破壊力は見られないが、若手プレヤーの活躍でセカンドステージ以降の戦いぶりに期待がかかる。マンオブザマッチには、50m独走するなど2トライをあげて大活躍した、サントリーHO小澤直輝選手が選ばれた。

なお、この試合でサントリー篠塚選手は100試合出場を達成した。

14-10-11-TOPリーグー近鉄対サントリー (1)

(会見ダイジェスト)
近鉄ライナーズ 前田隆介監督
たくさんのファンの中でゲームができる幸せを感じながら「歴史を作ろう」とゲームにのぞんだ。前半はミスもあり、ほとんど攻撃できなかった、後半は継続しなければならないところでできない、そこで一発で持って行かれた。本当に悔しい敗戦だ。キャプテンも試合後の円陣で「次への準備がすでに始まった」と言っていたが、これで終わったわけではないので我々スタッフも次の準備を進めてきたい。

豊田大樹キャプテン
開幕して初めての花園でのゲーム、多くのファンの前で、日本のラグビーを支えてきたサントリーを相手に本気で勝ちに行こうと目指して一週間準備してきた。ミスを挙げたらたくさんあると思うが、必ずまたチャレンジできるように修正していきたい。

・風下の後半の指示は?
前田監督
プランを変えるというより、前半はアタックできずDFばかりだったので、「シンプルにボールを動かして継続させていこう」と送り出した。

・今日の競り合いのゲームの中で自信につながるものは?
豊田キャプテン
前半の40分中35分攻められた中で、同点で後半につなげられた、後半はやられた以上にトライを取れた、春からやってきたことが間違っていないと確信した。

・ゲームの途中でDFが前に出だしたが、何か修正点は?
豊田キャプテン
特にないが、ずっと攻められていたがDF自体は悪くなかったと思う、ただ仕留めるところで仕留められなかったぶん前半の自分たちは攻撃できなかった、後半はDFで受けずに前に出たが特に変えた所はない。

サントリーサンゴリアス 大久保直弥監督
近鉄さんと、この花園でゲームをするということはタフなゲームになるだろうと予想した通り厳しいゲームになった。善かったところ、悪かったところと、どちらもあるが、前の神戸に負けてから自分たちを見つめなおして、練習試合を3試合こなしたのが今日の勝利につながった。もう一試合残っているので、今週よりも来週もっといいゲームができるようにしていきたい。

真壁伸弥キャプテン
アウェーということで近鉄さんのアグレッシブルなプレーに苦しんだが、サントリーのボールをキープし継続していくラグビーができた。イージーな取られ方をしたところもあるのでしっかり修正していきたい。

・「とって取られて」というゲーム展開について?
大久保監督
「取りに行く」ということは、取られるリスクも持ち合わせているわけで、それを回避したらサントリーではなくなる。それでは前回の神戸戦で18回のラインアウトがあって、それがサントリーのラグビーかというとそうではない。しかし今回は前回より取りに行こうという意識はよくなっているが、取られた後にどうするのかというところで改善の余地はある。

◎フォトギャラリー


(記事:蜷川善夫、山林右二、北畑幸二 写真:長谷川昭男 広報担当:村島博)

[table “40” not found /]