マッチレポート
冷たい北風がグランドに吹き込む中、近畿代表として33年ぶり6回目の出場となる龍谷大学と、北海道代表として3年ぶり7回目の出場となる札幌大学との1回戦は、札幌大学のキックオフで始まった。
試合序盤は、龍谷大学が札幌大学陣地へ攻め込むものの、最後のパスがつながらず、決定機を2度逃した。
流れを変えたのは、龍谷大学⑩谷川のキックだった。
相手スペースを見出し、見事に50:22を成功。ゴール前ラインアウトを獲得した龍谷大学が、モールを起点に、前半123分②寺澤のトライで先制した。
攻勢を強める龍谷大学は、センタースクラムからオフロードパスやキックパスなど、躍動感あふれるアタックを仕掛け、前半22分、スクラムを起点に⑥佐治のトライで追加点を奪い、10−0とする。
札幌大学は、一人一人のワークレートが高く、龍谷大学の突進を低いタックルと激しいコンタクトで相手の圧力を受け止める場面が多く見られた。
鋭い出足から相手のミスを誘発し、マイボールを獲得した際には、グランドを目一杯使い、⑪黒川のスピードで相手に脅威を与えた。
ただ、決定的な場面を作れずに時間が過ぎ、スクラムで圧力をかける龍谷大学が、前半30分、36分と一気の攻めで①稲田、⑥佐治がそれぞれトライを決め、コンバージョンも成功し、24−0点差を広げた。
龍谷大学は、前半のラストプレーで得たペナルティーでもスクラムを選択し、7点を取りに行くものの、札幌大学の意地のノットリリースで窮地をしのぐ。
このプレーで前半を終わらせるかと思いきや、最後まで点をとりに行くのが札幌大学のスタイルだ。
札幌大学陣地内ラインアウトから、思い切りよくボールを動かすものの、ターンオーバーが起き万事休す。
ノックオンのこぼれ球を龍谷大学が生かし、⑦杉原がトライを決め、コンバージョンも成功すると、31−0で前半終了。
後半のファーストトライは、龍谷大学のスクラムからだった。
龍谷大学は、札幌大学FWに圧力をかけ続け、最後は⑨亀井がスクラムから持ち出し、トライ、コンバージョンも成功し、38−0とする。
札幌大学は、このトライの直後にチャンスが訪れる。
札幌大学の連続アタックからチャンスが生まれ、⑫武田が力強くラインブレイクし、初トライ!と思いきや、ダブルモーションによりトライは認められなかった。
後半9分、一瞬の隙を突いた龍谷大学は、その直後のプレーで、中盤ラインアウトから⑬三宅→⑨亀井→⑭清水と思い切りよく展開し、数的優位を保ち続ける見事なトライが生まれた。
その後は、一進一退の攻防が続くも、龍谷大学の⑥佐治のライン際での効果的なアタックにより、グランドを広く使うことを許された龍谷大学は、後半17分に㉓隅田のトライが生まれた。
48−0と点差が広がる中でも、札幌大学は⑮中村のスケールのあるアタックを生かし、相手陣地に迫った。
次に試合が動いたのは後半31分、札幌大学が陣地回復を試みるも、龍谷大学はキックからのカウンターアタックが成功し、⑳山本がトライを決める。続けざまに後半35分、37分と㉒衣笠、⑥佐治が連続トライ、1コンバージョンで勝負を決定づけた。
前半と同じく、後半のラストプレーには、札幌大学が意地のアタックを仕掛けるものの、最終的に力尽き、ターンオーバーから⑩谷川がトライ。
72−0で龍谷大学の勝利により、1回戦の幕を閉じた。
終盤に札幌大学の集中力が切れてしまう場面が見られたが、ブレイクダウンは両校互角に渡り合えていて、見ごたえのある試合内容だった。
(文責 佐藤利治)