1月16日(土) 順位決定トーナメント 東芝 対 ヤマハ発動機
2016年1月16日(土) 14:05キックオフ グラウンド:東大阪市花園ラグビー場 | ||||
レフリー:麻生彰久 (日本協会A) アシスタントレフリー:塩崎公寿 / 河野哲彦 / 泉太郎 |
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東芝 ブレイブルーパス |
ヤマハ発動機 ジュビロ |
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34 | FULL TIME | 22 | ||
20 | 前半 | 17 | ||
14 | 後半 | 5 | ||
詳細(TL公式) |
マッチサマリー
セミファイナルの一戦は、リーグ戦Aグループ2位通過だが1回戦トヨタ自動車との対決を勝ち上がった東芝ブレイブルーパスとリーグ戦Bグループ1位通過で1回戦NTTコミュニケーションズを退けたヤマハ発動機ジュビロの対戦は14,000人超の観客が入った東大阪市花園ラグビー場で行われた。
前半戦はヤマハのキックオフで開始された。この後、両チームの素晴らしいプレーで大観衆が時の経つのも忘れるくらいのシーソーゲームが繰り広げられる。6分、東芝はペナルティーのタッチラインアウトからフェイズを重ね最後は右CTBリチャード・カフイが右中間に押さえTMO判定が入るが認められ先制トライとなる(5-0)。
先制されたヤマハは11分、ゴール前30m右中間ラックからSH矢富勇毅が左に展開する。左CTBマレ・サウのダミーで東芝ディフェンスを引きつけ空いたスペースを右WTB伊東力が走り抜け、外で待つ左WTBハビリ ロッキーに大きくパスしそのまま左隅にトライし追いつく。難しいGをFB五郎丸歩が見事に決めて逆点する(5-7)。
16分には追加点を狙ってSO大田尾竜彦がゴール前30m右中間からDGを放つが外れると19分、今度は東芝FBフランソワ・ステインが10mL中央からロングPGを決めて再逆点に成功(8-7)。
直ぐ様、22分ヤマハ、FB五郎丸が左中間30mからPGを蹴り込んで再々逆点(8-10)。再びリードされた東芝は25分、自陣ゴール前5m左ラインアウトからロングスローでNo8リーチ マイケルがキャッチして一気に10mL付近まで走り切るとその後もFW・BKが一体となってヤマハ陣に攻め込む。最後は見事なオフロードパスを2回繋ぎ左CTB増田慶介が回り込んで中央にトライしGもFBフランソワが決めて再々再逆点する(15-10)。
まだまだ終わらない。32分ヤマハはFB五郎丸がグラバーキックをインゴール右隅に転がす。TMO判定で右WTB伊東のトライが認められ同点とし、ここも難しいGをFB五郎丸がしっかり決めて再々再々逆点する(15-17)。
またも、これで終わりではなかった。34分東芝がここもTMO判定が入るが左CTB増田のこの日2本目のトライが認められ東芝リードで折り返しとなった(20-17)。前半戦、両チームの見事な攻防に賛辞を送りたい。
後半に入ると様相は一変、開始早々1分にゲームが動く。東芝右CTBリチャードが個人技で突破し右中間にトライしGもSH小川高廣が決めてリードをひろげる(27-17)。勢いに乗った東芝は7分にも右CTBリチャードがトライしSH小川のGも決まって一気にヤマハを突き放した(34-17)。トップリーグ優勝を目標にするヤマハは諦めない、猛攻撃を仕掛ける。
リードを広げた東芝だが23分、右LO小瀧尚弘がシンビンで10分間の一時退出。規律の乱れが気にかかる。しかしこのピンチの10分間、激しいヤマハの攻撃を東芝のレッドウォールが堅いしぶといディフェンスで凌ぎきる。ヤマハも最後の意地を見せ、34分に後半途中出場の右WTBシアレ・ピウタウが右隅にトライを挙げ、難しいGをFB五郎丸が狙うが外れてしまう(34-22)。ヤマハの反撃も時すでに遅しになる、後半はこの得点のみに封じ込まれ逆転勝利には至らなかった。しかし、手汗握る両チームの戦いに大観衆は魅了されていたに違いない。
これでヤマハはワールドカップイヤー、いつもと違うトップリーグ戦、日本選手権でトップリーグ優勝と日本選手権連覇の夢は断たれたが素晴らしいチームに間違いはない、24日の3位決定戦でも見る者を引きつけるプレーを期待したい。東芝も攻守共にハイレベルのプレーを披露して勝利を手にした。規律を修正して決勝戦に挑んで欲しい。一躍時の人となった五郎丸歩選手やリーチ マイケル選手を中心にして、今日の戦いをトップリーグの選手が繰り広げれば、日本のラグビー人気も一過性になることなく継続していけると思う。
MOMはこの日3トライを挙げて攻守に活躍した東芝ブレイブルーパス右CTBリチャード・カフイ選手に贈られた。
(記事:鈴木博之、丸井康充)
会見ダイジェスト
ヤマハ発動機ジュビロ 清宮克幸監督
残念。トップリーグ優勝を目標に戦って来たが叶わずという結果だった。今日の東芝はヤマハより少しラグビーをよく理解をしていて、気が利いていてラグビーの偏差値がヤマハより少し高かった。その差が点差に現れて来た試合だった。素晴らしい決勝戦になると思う。東芝の来週の結果を楽しみにしている。
三村勇飛丸キャプテン
今シーズンの目標であったトップリーグ優勝と日本選手権連覇を達成出来ず非常に悔しい思い。決勝戦に進む東芝には我々の思いの分もしっかり力を出してほしい。三位決定戦があるのでヤマハのプライドを見せるような試合をして今シーズンを終えたい。
Q.偏差値について具体的に
清宮監督
敵陣で5mラインアウトディフェンスからマイケルリーチがボールをもらって走ったシーンなど、選手たちは相当悔んでいると思う。ミーティングでは大島選手は良いプレヤーだと伝えていたがキックオフで非常にクレバーなプレーをされてトライされた。この二つのプレーがそうだと思う。
Q.今日戦ってみて、東芝が良かった点は何処か
三村キャプテン
ヤマハとしてはスクラムで圧倒的に押したかったが、そこでアドバンテージが取れなかった。ゲームの流れでは大きかった。
Q.今日のスクラムについての評価は
清宮監督
7勝2敗くらいの感覚(笑)よく分からない。
東芝ブレイブルーパス 冨岡鉄平監督
今日は良い準備が出来ていたが、やはり清宮監督率いるヤマハとの試合と言うことで、昨年度同じカードで同じ会場。去年は敗者としてこの席に座って話したのは覚えてる。何を話したかは覚えていないほどショックで残念な日だった。今日は逆の立場になれて非常に嬉しく思う。ヤマハは激しいチームでありながら非常にペナルティーが少ないチーム。今日も我々が倍以上ペナルティーをしてしまった。規律のある素晴らしくトレーニングされたチームに対してチャレンジ出来たことを非常に嬉しく思っている。素晴らしい試合をされたヤマハに心より敬意を表したい。試合については少し点数を取られ過ぎたと思う。得点はこれくらい取れると思っていた。8点から10点多く与えたと思うので、決勝戦は10点台で15点以下の試合が出来るよう、ディフェンスを1週間でしっかりと準備して行きたい。後はもうやって来たことをどれだけ表現出来るかだと思っているので昨年度のチャンピオンのパナソニックに全力で向かって行きたい。
森田佳寿キャプテン
去年この場所でヤマハに負けて終わったが、その時と全く同じこの場所でキャプテンとして唯一言「ヤマハは素晴らしいチームで敬意を表す」と言った。結局その後、日本選手権でヤマハが初優勝した。あのシーズンを通してヤマハのスタイルを貫いて出ている15人が一貫して取り組んでいる姿を見ていて他チームでありながらカッコイイなぁと思った。こう言うチームが優勝するんだろうなと思って見ていた。一年が経ってもう一度この準決勝の舞台でヤマハにチャレンジする時が来て、去年のヤマハ以上に我々が「ここで勝つ」という意識を持って試合に挑む事ができた。それが結果として出てファイナルに進めることを嬉しく思う。これまで作って来たことを精一杯出すだけなので決勝に向けてしっかり準備して挑む。
Q.何で勝つつもりだったか
冨岡監督
顔じゃ負けないんで(笑)優しさか(笑)規律の部分とディフェンス量。どっちが粘り強くトライラインを割らせず、そこから自分達のアタックをしていくか。最近ディフェンスがフォーカスされてるが実はアタックも魅力的なものを作ってきている。今日もその形で取れたし、今日に関しましてはアタック方を評価したい。一番チームが表現したいのがディフェンス。レッドウォール・赤い壁だと自覚している。
ヤマハ発動機ジュビロ 五郎丸歩選手
Q.試合後の今の気持ちを
五郎丸選手
トップリーグチャンピオンを目指して今年はやって来たが、それが達成出来ずに残念な気持ちはある。しっかりと気持ちを切り替えての三位決定戦にはなるが一つでも上に行ける様に1週間でチームを修正して挑む。
Q.自身の評価は
五郎丸選手
満足している。持っている力を出し切った。何か会見の会場が暗い雰囲気だが(笑)(記者からも笑い)全然そんな感じは無く、次に向けて気持ちは切り替わっている。
Q.満足したのは東芝も含めて良い試合が出来たからか。次の相手が神戸製鋼に決まったが意気込みは
五郎丸選手
満足したのと言うのは自分の力を出し切れたからで、チームの結果は非常に残念。神戸製鋼戦について、今年は特に短いシーズンだったのでリベンジの機会がなかなかなく、最後に最高の相手が来きたのでしっかりリベンジしてシーズンを終えたい。
(記事:鈴木博之、丸井康充)
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