1月9日(日) 仙台高専名取38-7津山高専  全国高専大会 決勝

メンバー表
レポート

第53回全国高等専門学校大会 決勝
2023年01月09日 12:00 K.O.
入場者数:人 天候:
レフリー:
アシスタントレフリー: / /
仙台高専名取 津山高専
38 FULL TIME 7
14 前半 0
24 後半 7

試合映像(FULL)

マッチサマリー

昨年の初戦敗退から1年、奈良工業高専の五連覇を阻み、神戸市立工業高専との因縁の対決を制した仙台高専·名取キャンパスと、ベスト4の壁を突破、一気に優勝へ駆け上がりたい津山工業高専の決勝は微風の中、津山工業高専の先蹴でスタートする。

序盤から仙台高専が積極的なアタックを仕掛けるも、ボールを離すべきところで出来ず、また反則でチャンスを潰す場面も多く、先制ならず。

津山工業高専も、20分過ぎにショートLOから一気に仙台高専ゴール前に迫り、ラックサイドからブレイクダウンを繰り返すも、分厚い白い壁に阻まれる。守勢に回っていた仙台高専は30分、中盤から左展開で大きくゲイン、ブレイクダウンを繰り返したのち、NO.8水野がポスト下へトライ。ゴールも成功し7-0とする。続く33分、仙台高専陣HL付近で得たペナルティから、SH9佐野が相手の虚を突き、タップキック後、巧みに抜け出し、約50Mをそのまま走り抜けトライ。ゴール成功し14-0と一気に突き放す。

後半も仙台高専のラッシュは続く。37分、41分と立て続けにトライを重ね、26-0とほぼ試合を決定づけたかと思われたが、津山工業高専も懸命のアタックを繰り返し、54分にHO2山平がねじ込みトライ。ゴールも決め26-7と残り15分に望みを繋ぐ。

尚も攻める津山工業高専だったが、パスをインターセプトされると仙台高専に大きくゲインされる。一旦はインゴールノックオンに救われるも、ドロップアウトでの再開後、仙台高専FWのラッシュが凄まじく、63LO4松島が左中間にトライ。終了間際にも加点し38-7でタイムアップ。仙台高専·名取キャンパスの6年ぶり15回目の優勝が決まった。

今大会は、ここ10年間の優勝校(仙台高専、奈良工業高専、神戸市立工業高専)が片方のブロックに固まり、鈴鹿工業高専の27年ぶり出場、勝利も相まって序盤から接戦が続いた。2回戦の奈良工業高専v仙台高専は互いに譲らず、最後は仙台高専の執念が決勝トライを生んだ展開となり、準決勝仙台高専v神戸市立工業高専も、序盤に神戸のキーマンCTB日置主将の負傷退場が響き、仙台高専に軍配が上がった。一方のブロックは近年成長著しい津山工業高専が、鈴鹿工業高専、久留米工業高専と難敵を連破、初のファイナリストとなったが、最後は力尽きた。

準決勝当日、奈良工業高専の学生諸君が遠路はるばる来神、自主的に補助役員として準決勝を見守ってくれた。決勝では神戸市立工業高専の学生諸君も補助役員の任を果たし、仲間のゲームを円滑にサポートしてくれた。

こうした、地味だが互いをリスペクトし、支えあう姿はスポーツの原点であり、今大会に関わる全ての方々へも併せて、深謝するばかりである。

会見レポート

仙台高専(名取キャンパス)
柴田尚都監督
6年ぶりということで勝ち方も忘れた中で、水野キャプテン中心にやってきたチームで花が咲いたと素直にうれしいです。大会関係者や相手校の選手などすべての皆様に感謝いたします。

水野龍星キャプテン
6年前に先輩方が4連覇という偉業を達成されて、それにあこがれてラグビー部に入部したのですが、奈良工専という大きな壁がありどんなに努力しても勝てない時期がありましたが、1回戦で奈良との勝負を勝ち切ったのが今大会一番大きかったです、素直にうれしいです。

Q.最初のトライで流れが変わったと思うが?
柴田監督
勝ち方がわからない中で緊張もあり、相手陣に入っても反則の連続でイライラしていましたが、何とかトライを取ればリラックスしてできるなという感じはありました、1本とってすぐに2本目を取ったのでリラックスしてきたなと思いました。

水野キャプテン
準決勝の神戸工専戦でマークされて思うようなプレーができませんでしたが、仲間がいいプレーをしてくれたので、決勝は自分がチームを引っ張ると覚悟をきめて最初のトライを決めました。

Q.奈良という大きな壁を超えるためにこの1年間どのようにやってきたか?
水野キャプテン
どんな時でも奈良を意識してきました、チームのスローガンに「ファーストパンチ」を掲げていますが、攻撃される前に攻撃するということにフォーカスしてきました、自分は接点が強みなのでひたすらタックルとコンタクトの部分でどんな相手にも妥協しない強い意志をもってやってきました。

Q.高専ラグビーの魅力は?
柴田監督
高専の部活とは純粋な部活だと思います、全員が入試を経て入学してきてスタートラインは同じ中で努力すればするほど力がつくし報われるし、正しく伝えれば強くなります、高専の教員でよかったと思っています。

水野キャプテン
素人軍団で、雰囲気の緩い中で自分たちを律して15歳から上は二十歳まで幅広い年齢の選手が日本一を目指すのは難しく、犠牲にするものも多かったですが得られるものも多かったです。

Q.後輩にひとこと。
水野キャプテン
4連覇を超えるとか意識せず、気負わずに一からチャレンジしてほしいです。


津山工業高専
荒木祥一監督
うちは例年体が小さいチームなので、仙台さんのように大きなチームは苦手なのですが、全力を出さないと点差も開いて気持ちも落ちていくので、70分体を張り続けて自分たちがやってきたラグビーをやろうと言いました。
前半は今期のベストゲームといっていいほどタックルもしつこく行っていましたが、ちょっとしたミスで相手に得点を許してしまいました。
後半も気持ちは乗っていたのですが、仙台さんの気迫にやられて、最後のほうは体力的に持たなかったかなと思います、一つゴール前でしつこく前へ出て意地のトライをとれて、やってきたことの一かけらくらいは出せたかなと思います。

田坂拓己キャプテン
自分たちはデフェンスのチームなので、対格差があるが体を張って流れを引き寄せようと話していました、前半は何とか14点で抑えきれたことは良かったのですが、後半はミスから相手に流れを持っていかれました。初めて立った決勝の舞台でよく戦ったなと個人的には思います。

Q.初めて決勝の舞台に立った気持ちは?
荒木監督
ここ3年は準決勝まで行って3位という成績を残していました、大会を終えて帰ったらミーティングをして来年の目標をたてるのですが、そこで選手たちは決勝の舞台に立ちたいという目標をたてました、そこで練習もしんどくなるし、いろんなことがあるけどいいか?と確認したところ、立ちたいということで決勝の舞台に立つことを目標としました。
これが達成できたことはその過程も含めてうれしく思いますし、何より私自身がその舞台に選手たちの力で立たせてもらったことに感謝しています。

田坂キャプテン
2年生の時に3位になってその時はうれしかったのですが、それから昨年まで2度3位でこのときはまた3位かと悔しさのほうが強かったです、今年は決勝の舞台に立つことを目標にして1年間やってきて、最後は負けましたけど楽しかったです。

Q.部員19人でどのように練習しているのか?
荒木監督
各学年に3人から5人いるような感じですので、戦術的なことはあまり変えずに津山工専はこういうラグビーをするよと伝えて、怪我のないように春先には激しいコンタクトはせず、基本スキルの習得を中心にゲームに出られるように1年間の計画を立ててやっています。
なかなか実戦経験の機会がないのですが、近くに名門津山工業さんがあるので、合同練習をしてもらったり、県下の高校のチームに津山工業と津山工専の合同チームで実戦形式の練習をさせてもらったりと、地域の方々に支えられて経験を積んでいます。

 


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■KRPU 梶間智

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