12月13日(日) 慶應義塾大学 47-14 京都産業大学 第57回全国大学選手権3回戦

第57回全国大学選手権 3回戦
2020年12月13日 11:30 K.O.
入場者数:2942人 天候:くもり/弱風
レフリー:田崎富(日本協会A)
アシスタントレフリー:木村陽介(日本協会A) / 立川誠道(関西協会) / 河村隆史(関西協会)
慶應義塾大学 京都産業大学
47 FULL TIME 14
28 前半 7
19 後半 7
詳細 (日本協会公式)

マッチレポート

今年度初の聖地、東大阪花園ラグビー場での公式戦は年末年始恒例の第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会の3回戦。2大会ぶり37回目の出場となる慶應義塾大学は関東大学対抗戦Aグループ3位、8大会連続34回目の出場の京都産業大学は関西大学Aリーグ3位と共にリーグ戦では優勝争いには届かなかったため、共にこの選手権で雪辱を果たしたい。猛練習に裏付けられたFWには絶対の自信を持つ両チーム。
試合は、新型コロナウイルス感染拡大防止のための入場制限の下、待ちに待った肉弾戦を期待してスタジアムを訪れた3,000名近い観客の眼前、慶應のキックオフで幕を開けた。

開始直後から京産ゴールに迫った慶應は執拗にFWラッシュを繰り返す。京産のノット・ロール・アウェイで得たペナルティからのゴール前5m右ラインアウトから右中間にラックを形成。ここでも慶應はFW戦にこだわって最後は左PR①竹内寛がトライ、前半わずか4分で慶應が7-0と先制した。

その後もスクラムを含めて両チームとも自慢のFW戦を繰り返す。一進一退の攻防の後、今度は京産が19分、ゴール前5m中央で慶應のノーバインドタックルで得たPKから№8・⑧ヴェア・タモエフォラウが強引に持ち込みゴール下にトライ、7-7の同点に追いつく。

その後もFW戦を中心に両チームの攻防が続くが、伝統の慶應のディフェンスがやや優勢。アタックで着実に前進する慶應に対し京産は後退、さらにタックルミスやハンドリングエラーを慶應に付け込まれ、21分のFL⑦山本凱のトライを皮切りに27分、42分にもFW陣が連続トライ。28-7で前半を終了する。

後半、先制したのは京産。7分にやはりFWラッシュからSH⑨廣田瞬がゴール左に飛び込み28-14。逆襲開始かと思われたが慶應の強固なディフェンスラインは隙を見せない。

逆に13分にCTB⑫イサコ・エノサが京産のハンドリングエラーからのこぼれ球を拾い、60mを独走してトライ。ここからは慶應BK陣が緊張の切れた京産のディフェンス網を打ち崩して26分、38分にもトライ、最終的には47-14と京産を大きく引き離して一蹴した。

3回戦を勝ち抜いた古豪・慶應義塾大学は次戦、準々決勝で早稲田大学とベスト4をかけて対戦する。京都産業大学は昨年に引き続き今年もベスト8の壁を破れずにシーズンを終えた。コロナ禍でもリーグ戦を完遂した関東大学対抗戦グループ、所属チーム内での感染拡大により短縮・変則日程で実践不足が否めない関西大学リーグ。FWを前面に押し出す同タイプのチーム同士の一戦は、やはりシーズンで接戦を繰り返した関東勢に今年も軍配が上がった。


試合後コメント

京都産業大学 伊藤鐘史・監督
「このような試合の機会をいただき、無事に終えることができ、関係者の皆様に感謝している。お互い似たようなチームで、いかに敵陣深く入って強みのFWを出し合いうかというところだった。前半少しこちらが堅かったのか、慶應に攻め入られるケースが多く、相手にやりたい形を多く与えてしまったことは、試合は運びとしてはしんどいところだった。後半のスタートで最初のトライを奪い返し『ここから』と勢いづいたところまではどちらに転んでもおかしくない試合で、ワクワクしながら見ていた。最終的には点差は開いてしまったが、随所に京産大プレーヤーのひた向きさが見られ、自分としては勇気をもらい頼もしかった。新型コロナ禍で8月4日から急ピッチで試合ができる形をつくっていったが、田中キャプテンを中心に一生懸命やってくれた。短い期間でここまでのチームになれるとは思っていなかった。少ない公式戦数だったが1試合終えるごとにチーム力が高まっていくのを見るのが楽しく、いい経験をさせてもらった。いかなる環境であれひた向きに取り組むことの大切さを彼らから改めて学んだ。彼らの若い順応性、柔軟性のあるマインドで今後も進化していくと確信している」

京都産業大学 田中利輝・キャプテン
「大学選手権という機会をいただき感謝する。試合のテーマは『ひた向きに勝つ』で慶應とは意地のぶつかり合いになると思っていた。お互いの強みであるFWの勝負で、随所に相手を上回ることができたとは思うが、コンタクト力やチームの総合力で関東の壁を感じた。自分たちの力を出し切れた自信はあるし、胸を張りたい。後輩たちには改めて原点回帰してひた向きさを学んだので受け継いでほしい」

Q.エリア取りで想定と違ったところ、自陣で戦うことが増えてしまった原因は?
京都産業大学 ニコラス・ホファ・バイスキャプテン

「慶應がエリアを取りに来るのはわかっていたが、自分たちの流れ、形にできなかった。慶應の流れに負けてしまいエリアを取られてしまった。想定と違ったとこはなかった」

Q.FW戦で感じたところ、勝負を分けたところ、感じたところは?
京都産業大学 城間賢・バイスキャプテン

「我々は慶應のディフェンスでトライするまでに時間がかかったが、逆にFWのコミュニケーションミスなどで簡単に取られてしまった。フィジカル面はさほどの差はなかったと感じたが、ゴール前の執念などで負けていたと思った」


慶應義塾大学 栗原 徹・監督
「新型コロナの感染が増えている中で多くの方の尽力で無事大学選手権が行われ、この試合が開催されたことをうれしく思っている。試合内容は京産大のひた向きなプレッシャーに多々受ける場面があり勉強になったゲームだった。京産大の思いもしっかり受けて次の試合に向かいたい」

慶應義塾大学 相部開哉・キャプテン
「昨年出られていない大学選手権でどれだけチャレンジできるかにフォーカスして臨んだ。最初はプレッシャーを受けた場面もあったが、謙虚にひた向きにプレーすることで一つ一つ上回ることができたのかと思う。新型コロナ禍の状況で試合ができたことうをうれしく思っている」

Q.勝負のポイントと弟の対戦の感想は?
慶應義塾大学 三木亮弥・バイスキャプテン

「FWとFWのぶつかり合いと思っていたので、いかにBKSが陣地を取ってエリアを有利に進められるかだった。ひた向きさでは負けてはいけないと思っていた。弟とは最初で最後の対戦で、試合ができたことをうれしく思うし、何度かマッチアップもできうれしかった」

Q.次は対抗戦に続いて早稲田戦だが、きょうの試合で生きるとところと試合結果、意気込みは?
相部キャプテン

「きょうの試合の出来では早稲田大に勝てないといの感想だ。京産大のFWの強さやゴール前での攻防は我々も強みとしている。早稲田は堅くて強いのでいかにこじ開けるかをきょうの試合で学んだ。早稲田はチャンピオンなので、どれだけチャレンジでき、どれだけひた向きにプレーできるかにかかってくる」

Q.FW戦へのこだわりは?
相部キャプテン

「最初にFWでトライが取れたので、行けるなら縦をついてトライを重ねようとした」

Q.遠征がなく、調整などでの対抗戦とのちがいは?
相部キャプテン

「熊谷での帝京との対抗戦では前泊してシミュレーションをした」

Q.選手権までたどり着く上でチームづくりでのターニングポイント、自信になったポイント、成長を感じられたポイントは?
相部キャプテン

「初戦の筑波戦で相手のプレッシャーに受けてしまい負けたことで、もう一度チャレンジャーとしてひた向きにやろうという共通認識を持てた。一方、明治戦で自分たちのプレースタイル、戦い方が明確になり自信になり、チームとして共通認識が持てた」

(文責 大阪府協会・石川 悟、丸井康充)

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