マッチレポート
関西大学ラグビーAリーグの今シーズン最後となる順位決定戦、摂南大学と立命館大学との試合は、穏やかに晴れわたった宝ヶ池球技場にて、摂南大学のキックオフで試合が始まった。
試合が動いたのは、前半9分。摂南大学は自陣22m外側左中間で立命館大学のキックしたボールをキャッチすると右へ大きく展開し、さらに折り返して相手陣ゴール前中央へ。ラックを形成し左に展開、⑦春山が左中間へトライ(コンバージョン成功)7-0と先制する。
前半16分、摂南大学は自陣10m内側から右サイドをめがけハイパント、ハーフウェイラインを越えたころで、⑪東がキャッチし相手陣22m中央へ持ち込むとラックを形成、そこから左へ展開し、⑮ツイドラキが左隅にトライ(コンバージョン成功)14-0と追加点をあげる。
対する立命館大学は前半21分、相手陣22m外側中央で摂南大学のノッコンのボールを拾い、右へ展開、さらに折り返して相手陣ゴール前中央へ、ラックを形成し左に展開、⑫山口が左中間へトライ、14-5とする。
さらに立命館大学は、PKで前進。相手陣22m外側左ラインアウトから右へ左へと展開し、ゴール前中央でのFW攻防となり摂南大学のオフサイドのペナルティー。スクラムで優位に立つ立命館大学はスクラムを選択。そのスクラムのボールをコントロールできず、チャンスは消えかかったかと思ったが、摂南大学がペナルティー。
立命館大学は、再度得た相手陣ゴール前中央のペナルティーから、今度はアタックを選択。左へ右へと仕掛け、ゴール左で形成されたラック、⑫山口がアングルよく走り込み、⑨北村からパスをもらい、ゴール中央へトライ(コンバージョン成功)、14-12(前半32分)とする。
さらに前半39分、立命館大学はPKで前進、相手陣22m左ラインアウトから右へ展開しゴール前へ、さらに左へフェーズを重ね、④田中がゴールポスト右へ飛び込みトライ(コンバージョン成功)14-19と逆転する。
ロスタイムは5分。前半45分、立命館大学はPKで前進。ハーウェイラインでのラインアウトからFWのショートパスで前進を試みようとしたその瞬間、摂南大学⑨三田村がパスカットすると、そのまま右中間を走り切り右隅へトライ、同点となる。
前半は見応えのある両校の攻防となり、19-19で前半終了した。
立命館大学のキックオフ再開で、後半は始まった。
立命館大学は、相手陣10m内側左へのキックオフ再開のボールを蹴り込むと、そのボールを立命館大学が獲得し、さらに、PKで前進。相手陣22m内側左のラインアウトからモールを形成し、左隅へ⑳宮下がトライ、19-24(後半2分)とする。
後半11分、摂南大学は自陣ゴール前左側スクラムからFWのアタック、その攻撃でノッコンすると、立命館大学④田中がそのボールをひろい、そのまま右中間へトライ、19-29とする。
さらに立命館大学は、後半16分。PKで前進、22m内側左のラインアウトからモールを形成し、左中間へ④田中がトライ、19-34とする。
一方的な試合となるかと思われた、後半21分。摂南大学は、ハーフウェイラインから相手陣22m内側へキック、キャッチした立命館大学のボールキャリアーへのタックルからターンオーバーし、さらに摂南大学はゴール前で攻撃を重ねると⑲トゥポウがトライ(コンバージョン成功)、26-34とする。
直後のキックオフ再開の攻防から立命館大学は後半26分、摂南大学のキックを⑬木田が自陣ハーフウェイライン付近右サイドでキャッチすると、ステップで左右に走り相手陣22m中央へ、ラック形成から右への展開で⑩江良が抜け出し、右中間トライ(コンバージョン成功)、26-41とする。
立命館大学は手を緩めずトライを重ねる。後半29分には、自陣から右へ左へと展開し、相手陣ゴール前へボールを運び、④田中がゴール左側へこの日4トライ目となるトライ(コンバージョン成功)、26-48とする。
摂南大学は、後半38分、ハーフウェイライン付近からの攻撃で、左へ展開すると⑮ツイドラキが抜け出し相手陣ゴール前へ、ラック形成から⑨三田村からのパスを⑯米川が受けとりトライ(コンバージョン成功)、33-48とする。
直後、立命館大学は、後半40分、PKで前進、相手陣ゴールまであと10mの右ラインアウトからモールを形成し、左中間へ⑯中川がトライ(コンバージョン成功)、33-55とした。
関西大学ラグビーAリーグの今シーズン最後となる順位決定戦は、立命館大学の勝利により、立命館大学は5位、摂南大学は6位となり。シーズンを終了となった。
プレイヤー・オブ・ザ・マッチは立命館大学No.8、8庄司拓馬が選ばれた。
試合後コメント
摂南大学
瀬川智広監督
今シーズン、コロナの状況のなかで最後まで試合が出来たこと、関係者の方に感謝します。
4年生にとっては最後の試合、今までにない立ち上がりだったが、セットプレーで徐々に相手にくずされた。今シーズン1勝も出来なかったが、チームとして成長し続けてくれたこと、選手に感謝します。4年生は最後となりますが、今年出来たことは継続して、悪かった点は修正して来年取り組みたい。
三田村直輝主将
主将に指名され、不安ばかりであったが、ひとりで引っ張るのでなく、仲間が引っ張ってくれた。今日の試合も点差が広がったとき、自分が落ち込みそうになったところを、横にいてくれた仲間がチームを引っ張ってくれた。4年間早かったけれど、濃い4年間であった。これからは、摂南大学の勝利に向け後輩にお願いしたい。
Q.チームとして成長を感じた部分はどこか。
瀬川監督
ラグビーにおいて、1つ1つのスキルが上がったと思う。それ以上に4年生を中心に、学生のまとまり、つながりが出来ていた。試合に出られない4年生が積極的に練習を、試合の準備を支えてくれた。監督として勝利を贈ることが出来たかったなか、選手たちが1つ1つの道筋をつなげてくれた。今シーズンは勝利につながらなかったくやしさを、新チームにつなげたい。
三田村主将
1年生の頃は責任感が乏しい学年であったが、学年を重ね、4年生となりチームスローガン「リンケージ(つながり)」のとおり、横とのつながりがすごく濃くなって、チームスローガンを遂行できた。
立命館大学
中林正一監督
今シーズン、関係者の方のご尽力により、無事に公式戦ができたこと感謝します。
最後の試合ということで、自分たちの積み重ねてきたことを出し切って、勝って笑って終わろうとの気持ちで臨んだ。摂南大学も同じ気持ちで試合に臨むと思うなかで、摂南大学は交流戦を含めて、前半、接戦になる試合となっていた。前半、相手のプレッシャーのなか簡単にトライを取られることもあったが、後半、修正して得点を重ねることが出来た。もう少しディフェンス厳しくして、と思うところは来年の課題としたい。4回生を中心にチームを創り、最後勝って終えられてよかった。
庄司拓馬主将
今日まで公式戦を最後までやりきれて本当によかったと思います。ありがとうございます。
摂南大学が前半、強いアタックとディフェンスをやってくることがわかっていたので、前半我慢しようと取り組んだなかで、先制点を許し、そこから我慢を重ね、後半、自分たちのペースになった。内容として良かった点、悪かった点、たくさんあると思うが、今シーズン最後の試合、勝ててよかった。4回生としてラグビーを続ける人、続けない人、それぞれ次のステージに向け、このシーズンのことを次のステージに活かし頑張っていきたい。
Q.今年の4回生について
中林監督
4回生を中心に自分たちでどういうチームをつくるのか考えて取り組むなか、いいスタートが切れるなと思っていたところ、コロナの環境となるなかでも、4回生がしっかりチームの指針を出して、しっかりと取組んでくれた。のちのち振り返っても、良いチームといわれる世代となった。
Q.学生ラグビー4年間を終えて
庄司主将
立命館大学に入学し、恵まれた環境で、4年間公式戦に出場してきたなかで、そのなかで、悔しい思い、嬉しい思い、いろいろ経験できた。振り返ってみると、ああしておければよかったいうこともあるけれど、自分がたどった日々、全力で毎日やりきった。やりきれて4年間よかった。
(文責:進藤 剛)
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