1月18日(土) トヨタ自動車 20-40 パナソニック

トップリーグ 第2節トヨタ自動車 VS パナソニック

2020年1月18日(土) 13:00キックオフ
グラウンド:豊田スタジアム
入場者数:37050人
天候:晴れ/無風
レフリー:麻生彰久(日本協会A)
アシスタントレフリー:木村陽介(日本協会A1)/西野雅裕(関西協会)/水谷元紀(関西協会)
トヨタ自動車 パナソニック
20 FULL TIME 40
13 前半 7
7 後半 33
詳細
(日本協会公式)

マッチレポート

暖冬が続く穏やかな空の下、ヴェルブリッツのキックオフで愛知県内のトップリーグ初戦、第2節がスタートした。

最初のラインアウトはヴェルブリッツ。中盤からクリーンキャッチするとライン裏へショートキック、効果的に前進し、さらに裏にキック、大きなチャンスを迎えるかに見えた。しかし、ワイルドナイツが入れ違いでターンオーバー、前半2分、果敢に自陣からボールを動かし⑥長谷川がビックゲイン、⑫ダミアンに渡り右中間にトライ、コンバーションも成功し0−7と先制する。

対するヴェルブリッツは中盤から地域を進めたいが、細かなミスとワイルドナイツの厚い防御を破ることができない。
それでも前半18分、中盤の応酬から地域を進め、⑪ジェイミーが左サイドを激走、逆サイドに振り返し①三浦が巧みに繋ぎ、最後は⑬岡田が右隅にトライ、5−7と追い上げる。

さらに、ワイルドナイツのハンドリングエラーに乗じて⑭高橋が右サイドを好走、相手陣に押し込む。
前半26分、たまらずゴール前中央でワイルドナイツのペナルティー、ショットを選択すると⑩クロニエが冷静に沈めて 8−7と逆転に成功する。
勢いに乗ったヴェルブリッツは、前半28分、中盤のターンオーバーから⑩クロニエの巧みなキックに⑪ジェイミーが反応、こぼれたボールを⑮ルルーが右隅に抑えトライ、13−7と引き離す。
その後も中盤での激しいボールの争奪が繰り広げられる。パナソニックは効果的なキックから相手陣に進むとゴール直前まで迫る。
再三のチャンスが訪れるがヴェルブリッツは大観衆が後押ししたような堅守で対抗、そのまま前半が終了した。

後半も前半の雰囲気をそのまま残し、中盤での激しい攻防からスタート。
ワイルドナイツが主導権を握り、ゴールを保持、⑪福岡の好走などでチャンスを伺う。
後半7分、ワイルドナイツはペナルティーを獲得、ショットを選択するが惜しくも外れるが相手陣で地域を支配する。
後半11分、ワイルドナイツはペナルティーを得るとタッチキックで前進、ラインアウトからリズムをあげた攻撃で前進すると、最後は⑩山沢が抜け出し中央にトライ、コンバージョンも成功し13−14と再逆転する。

直後の後半14分、対するヴェルブリッツは中盤から⑩クロニエの絶妙な左サイドへのキックに㉓小原が追い上げる、綺麗に胸に入るとそのまま中央にトライ、コンバージョンも成功し20−14と豊田スタジアムが今日一番の盛り上がりを見せる。

後半18分、後半20分、ワイルドナイツはペナルティーを得るとショットを選択、惜しくも外れ、ゲームがヴェルブリッツに傾くかに見えた。
それでも後半22分、ワイルドナイツはドロップアウトから攻撃を継続、⑬ディランが絶妙な角度からボールを受け中央にトライ、コンバージョンも成功し、20−21とゲームをひっくり返す。
その後もワイルドナイツが優勢にゲームを進めると、後半31分、相手キックからのカウンターアタックから⑪福岡が好走、ゴール前に迫ると⑭竹山が中央に飛び込みトライ、コンバージョンも成功、20−28と引き離す。

さらに、後半37分には、この試合を持って7人制日本代表にチャレンジする⑪福岡が自身のトップリーグ最終戦に花を添えるトライ(コンバージョン成功)。
さらに、ワイルドナイツは、後半42分にもボーナスポイントを目指したアタックで㉓フィリモニがトライ、20−40とする。
このままゲームはノーサイド、トップリーグ史上最高観客数37050人を沸かせた激戦は、ワイルドナイツの勝利で幕が閉じられた。

 

記者会見

トヨタ自動車ヴェルブリッツ サイモン・クロンヘッドコーチ(HC)
50分は良いラグビーを行えたが、その後の30分はペースがスローダウンしてしまった。ゲインラインを破られ、ラックからもクィックボールを出させてしまい、相手に好きなことをさせてしまい勝利を与えてしまった。

姫野和樹キャプテン
50分以降、メンタル面が脆かった。次戦に向けて80分戦えるよう準備したい。

Q:セットプレーなど修正点は?
サイモンHC
スクラムに関しては前節よりも修正できたし、ペナルティも少なかった。ラインアウトは機能しないプレーがあった。FWの経験不足もありイージーボールとして確保できなかった。自分たちの課題であり次戦に標準を合わせていく。

姫野キャプテン
若いFWであったが良いボールを獲得できれば、良い攻撃ができるのでスクラムでラインアウトともに強く、精度の高いプレーを求めていきたい。

Q:50分以降、メンタル面の課題が出たが原因は?
姫野キャプテン

タイトなゲームの中での体力などの様々な要素の経験が必要。その時にキャプテンとしてチームを鼓舞しなければならない。良い経験になった。

パナソニックワイルドナイツ ロビー・ディーンズ監督
とても素晴らしいゲームだった。トップリーグ15節あるが、このように質の高いゲームを行えることを証明できた。トヨタの防御の圧力があったが対応ができて素晴らしいできであった。

坂手淳史キャプテンン
37050人と非常に多い観客のもとでゲームができて勝ちきれたことはとても嬉しい。前半は厳しい状況が続いたが、後半はリザーブのインパクトプレーヤーの出場で差をつけることができた。ボーナスポイントを取れたことはとても大きなことで、この1点を獲得できたことで次戦に勢いをつけたい。

Q:福岡選手がこのゲームを最後に7人制日本代表にチャレンジするが?
ロビー監督

非常に特別で幸せなこと。多くの観客も彼のパフォーマンスに期待していたし、オリンピックにチャレンジすることは日本のラグビーのために非常に幸せなことであり楽しみである。最後にトライをとって良い門出となった。

坂手キャプテン
福岡選手らしいディフェンス、ボールキャッチで良いトライもあった。チームのディフェンスやキックチェイスなどにも貢献してくれた。良いものを残してくれたし、他のプレーヤーにも勉強になった。みんなで応援するし、我々もレベルアップして優勝し全員で喜びたい。

福岡堅樹選手記者会見
ロビー監督
福岡選手とチームをともにできたことは一人のコーチとして誇りに思う。ニュージーランドのロムー、ハウレット、ロコゾコといったウィングをコーチングしてきたが福岡選手はフィールドでなんでもできる、チームのすべてのことに貢献してくれた。オリンピックへのチャレンジはとても喜ばしいことだし、彼がピッチに入ればチームはなんでもできる。

福岡堅樹
快く送り出してもらえることは大変光栄。最高の結果を残したい。そのために目の前のことに集中していきたい。

(文責:早坂一成)

フォトギャラリー

■撮影者:清水良枝