10月15日(土) 第7節 ヤマハ発動機 47-25 Honda

ag5i6747トップリーグ 第7節
ヤマハ発動機 VS. Honda

2016年10月15日(土) 13:00キックオフ グラウンド:ヤマハスタジアム
ヤマハ発動機 Honda
47 FULL TIME 25
26 前半
21 後半 19
勝点
4
詳細
(TL公式)
勝点
1

マッチレポート

ヤマハが開幕7連勝で勝ち点を34に伸ばす、ホンダはスクラムで善戦も開幕7連敗

開幕6連勝と首位を走るヤマハ発動機ジュビロと、現在最下位と低迷しているホンダヒートとの対戦がヤマハスタジアムで行われた。秋晴れのスタジアムには5,025人の観客が集まった。
ヤマハはトップリーグ初スタメンとなる4年目のNo.8松本力哉や、新人3選手含む若手をメンバーに起用。若手選手はこのチャンスを大いに活かしたいところ。一方、ホンダはヤマハの強力スクラムにどう立ち向かうか。さわやかな秋風が吹く中、ヤマハのキックオフで試合が始まった。

開始早々の前半4分、ヤマハはゴール前スクラムで得たペナルティーからゴール前5mでのラインアウトを獲得。このラインアウトを起点に連続攻撃。最後は中央ラックから右に展開したボールをFBファンデンヒーファーがホンダディフェンスを突破し、右中間にトライ。自身でゴールも決めヤマハが7-0と先制した。

ヤマハWTB伊東のラン

ヤマハWTB伊東のラン

さらに13分、ヤマハは自陣22m付近でのホンダボールのラインアウトのこぼれ球を奪い大きくゲイン。連続して攻め続け、最後はWTBハビリロッキーが左中間にトライ。ゴールも決め、ヤマハが、14-0とリードを広げた。
その後はヤマハが強みであるスクラムを支配できず、ホンダにペナルティーを与えてしまう。ホンダはSO朴成基がPGを確実に決め、14-6とヤマハを追い上げる。

ホンダFL小林の突進

ホンダFL小林の突進

これに対しヤマハは34分、ホンダ陣22m付近ラインアウトを起点に左に展開し、SO大田尾竜彦がWTB伊東力へ内に返し中央へトライ。ゴールも成功し、21-6と点差を広げた。
さらに終了間際40分にはヤマハがセンターライン付近のラインアウトを起点に連続攻撃、最後はWTB伊東がホンダディフェンスの間を突破し、右隅にトライ。ゴールは失敗したが26-6で前半を終了した。スクラムではヤマハが優勢であると思われたが、ホンダのFW陣が踏ん張りヤマハのペナルティーを誘う場面が見られた。

ヤマハFL三村

ヤマハFL三村

後半に入るってもヤマハはスクラムを支配できず、ファンの重苦しい雰囲気が立ち込めた矢先、後半5分に自陣10m付近でのホンダボールのラインアウトをヤマハが奪い連続攻撃。最後はホンダ陣ゴール前のラックから左に展開し、WTB伊東がホンダディフェンスのギャップを突いて右中間に本日3本目のトライを挙げる。ゴールも成功し、33-6と点差を広げる。試合運びに余裕の出たヤマハは、HB団をSH篭島優輝、SO清原祥の若手選手に入替する。

ここからホンダは反撃を開始。23分キックで攻め込み、ラックから№8フィナウ・トゥパがトライ。ゴールも成功し33-13とする。しかしヤマハは、27分ゴール前ラインアウトからのモールをFWが押し込み、HO日野剛志が左中間へトライ(ゴール成功)し、ホンダを突き放す。

ヤマハHO日野のトライ

ヤマハHO日野のトライ

だがホンダも31分にヤマハのタッチキックをクイックスロー、連続攻撃からFB本村直樹が右隅にトライ(ゴール失敗)。33分にヤマハFLヘルウヴェにトライ(ゴール成功)を許すも、36分には連続攻撃からWTBレメキロマノラヴァが、ゴール中央にトライ(ゴール成功)し追い上げを見せる。しかし、前半の点差を縮めることができず、そのままノーサイド。ヤマハが47-25と大勝、チーム初の開幕7連勝とし勝ち点5を奪った。

ヤマハは今シーズン優勢と思われたスクラムで支配できず、コラプシング、オフサイド等の反則を重ねたが、若手選手を出場させるなど余裕のあるゲーム運びでスコア的には圧勝であった。一方のホンダは、スクラムではヤマハにプレーさせなかったものの、ラインアウトでは自分達のプレーができず、開幕から7連敗となった。

 この日のマン・オブ・ザ・マッチは、WTB伊東の3トライをアシストし、終始ゲームを支配したSO大田尾竜彦が受賞した。

MOMヤマハ大田尾選手

MOMヤマハ大田尾選手

田代俊彦(静岡県ラグビーフットボール協会広報委員)

記者会見ダイジェスト

ホンダヒート
藤本知明ヘッドコーチ
 本日はありがとうございました。ヤマハスタジアムで、たくさんのお客様に来ていただいた中でラグビーができてうれしく思います。
 今日はスクラムを心配していたが、選手8人がまとまってスクラムを組んだところはよかった。だが、それ以外で、前半ラインアウトが乱れて試合に大きく響いたと思う。来週は今週の課題を修正しながら、神戸戦に向け準備したい。

小林亮太ゲームキャプテン
 今日はありがとうございました。いいグラウンドでできてよかった。チームとして、ヤマハさんのスクラムは脅威になると感じたので、チーム全員でチャレンジを合言葉に挑んだ結果、スクラムでは優勢に立てたし、チャレンジが成功したと思う。ラインアウトでは後手にまわり、ヤマハさんにボールを奪われるシーンが多く、前半はああいう点差になった。
後半、スクラムはしっかりやっていこうと話し合ったが、ラインアウトなど修正できず、徐々にヤマハさんに圧倒されて、最終的には力及ばずという印象だった。

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−スクラムはよく組めていたということだが、どの辺りを意識して準備したか?
小林ゲームキャプテン
ヤマハさんのスクラムのビデオを見て、後ろの5人の意識を変えようと修正したが、今日はフロントが頑張ってくれたのでそこが一番かなと思う。

−ラインアウトのミスがあったということだが一番の誤算は?
藤本ヘッドコーチ
相手のセットも早かったと思いますし、ヤマハさんが上手く対応してきたというところが大きいと思いました。

−ヒュー・マクメニアンの交替は?
藤本ヘッドコーチ
夏前にチームに合流したが、手術の関係もあって…コンディションの問題です。


ヤマハ発動機ジュビロ
清宮克幸監督
今日は松本デーとしまして、No.8松本が4年間で初のキャップを得る試合で、チームで盛り上げて勝利しようというイメージで臨んだ。
チャンスをもらった選手、吉沢や篭島が気持ちよくプレーしたのを見て、この次もあると思った。非常にチャンスをもらった選手たちの活躍をうれしく思った試合でした。

三村勇飛丸キャプテン
ホーム2戦目で、開幕から連勝することができてうれしいです。前半はいい試合ができ、後半は思い通りにならなかった。アジャストの部分で自分たちのラグビーをするのが難しかった。次のNTTコミュニケーションズ戦は強い相手という認識なので、そこに向けてはいい課題だと思います。

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−スクラムでコラプシングが多かったが、相手がヤマハ対策をしてきたということか、ヤマハ側に修正すべき点があったのか?
清宮監督
(スクラムが)落ちた理由をヤマハの原因だと取られた。ホンダさんが対策と呼ぶならそうなのだろう。

三村キャプテン
何も言うことはないです。

−そのようなスクラムの中、今日勝てたのは何がよかったのか?
清宮監督
的確なアタックの判断が前半に光ったと思う。相手がヤマハのBKのアタックをケアしてFWを1枚多くディフェンスをしていた。つまりヤマハ6人に対して、7人でディフェンスをしていたわけですが、そのギャップを逆に突いてトライをしたところです。簡単にトライになるという印象があったと思うが、そういったところの判断です。

−7連勝の要因は?
三村キャプテン
今日は思うようにいかなかったですが、スクラムやラインアウトで狙っているところにボールが運べてプレーができている。判断も含めてチームが一緒のイメージを共有していることが大きいと思います。
清宮監督
スクラムやアタックの方向性など、ひとつずつの積み重ねです。積み重ねがあるから(本当は難しいが)簡単にトライを取れているように見える。3年前のチームでは今日のように簡単にトライは取れなかったと思います。

−BKでは伊東力選手の調子が上がっているようだが?
清宮監督
開幕前は調子がよかったが、開幕はケガで不在だった。今日で復帰して3試合目だが、我慢して起用してきて、今日(の試合で)完全に戻った感じですね。

−ラインアウト・スクラムなどセットプレーでミスがあったと思うが、その辺りに関しては?
三村キャプテン
(いつもなら反則を)取られていないようなところで取られ、細かいところで判断に合わせられず、悪いリズムを続けてしまった。線引きされたところで僕らが合わせるべきところができなかったので、課題として残ります。

−(新しい選手が出場して)失点が多かったと思うが?
清宮監督
メンバーが替わってから隙間が見え出したので、スタメンとの差はまだまだあると感じた。

原因はいくつかあると思うが…次に向けての反省材料です。

−後半課題が残るということだったが、どの辺りか?
三村キャプテン
レフリーとのコミュニケーションだったり、レフリーがこういう笛を吹くという調整だったりと、自分たちの判断基準でゲームを続けないということ。

小林聖子(静岡県ラグビーフットボール協会広報委員)

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