2019年度 ラグビースクール指導者セミナー実施レポート
関西ラグビーフットボール協会 U12普及育成委員会
今年度は、2019ラグビーワールドカップ日本大会で日本代表の大健闘(決勝トーナメント進出)により大いに盛り上がったラグビーでした。また、2020東京オリンピック・パラリンピックを控え、更なる発展を目指すためにもラグビースクールの指導者は何をするべきか?また、小学生のミニラグビーの競技規則が、U8年代にいたっては、タグラグビーに改定され1年が経過しました。
指導の現場で出てきた意見や課題を抽出して、より良い指導法を模索することで、将来の日本のラグビーを担う小学生たちに、より安全なラグビーを提供してもらう目的をもって、指導者セミナーを2月22日・23日の2日間(参加者26名)、天理教第38母屋信者詰所にて開催いたしました。
1日目
第1日目は、近鉄ライナーズの現役選手である田淵慎理氏に「ラグビースクールに期待するもの」を講義していただきました。
この題で誰がどう期待するかを考え、自分が期待することについて、自身のラグビー経験を小学生から中学(奈良県ラグビースクール選抜)、高校(天理高校)、大学(同志社大学)、現在(近鉄ライナーズ)と分かりやすく丁寧に話し始め、ラグビーを楽しむことができる環境・正しい技術を学べる環境・新しい方法を探すことで選手の『楽しさ』につながる。楽しさは、結果よりチャレンジしたかどうかで決まると、時間が少ないぐらい熱弁していただき、参加者の皆さんは真剣に耳を傾けていました。
ワークショップの前には、日本協会普及育成小学生部門長の北畑幸二氏より、ラグビーのコアバリューについての話がなされ、頭のリラックスを図ってから、つづいて4グループに分かれて「ラグビーワールドカップ後のあなたのスクールは?」についてのワークショップを行い、お互いのスクールでのワールドカップ後の現状を基に議論していただき、夕食後グループごとに発表してもらいました。
皆さん短時間でありながら、真剣に打ち込んで、親身に課題の解決に導こうと奮闘していただいたワークショップになったと拝見いたしました。
2日目
第2日目は、講義1、(小学生の体育学習におけるタグラグビーの可能性)関西協会タグ部門長高橋一博氏より小学校現場でのタグラグビーの現状を講義。
タグを使ってラグビーを普及させましょうと、小学校でタグが導入されて10年で誰もが知っているスポーツや遊びになりつつあり、2021年度から中学校でも正式に取り入れられる中で、現在の小学校でのタグの授業は、地域による格差はあるが60%行われており、小学生の体力(投げる・握力・跳ぶ)の低下よりも深刻な問題「運動の二極化」する子・しない子、スポーツは習い事化してきている。この状況の中、なぜタグラグビーが導入され広がってきたかを一言で「誰もが主役になれるから」ですなど、私たちが知らない学校の現状を分かりやすく講義していただきました。
実技1
親里ラグビー場に移動し、講義に引きつづき高橋タグ部門長による「タグの指導」の実技指導をグランドにて行いました。
実技2
続いて「コンタクトラグビーへの導入」 奈良県王子工業高校監督 森長工氏地区担当)による実技が行われました。
コンタクトは1か月ぐらいかけて、怪我の無い基本に忠実を考えて指導することが大事、いきなり当たれは酷である。最初は指導者が台になって合わせてあげて姿勢について指導すること、丁寧に指導方法を説明しながら教えていただきました。
受講された指導者の方々は、講習の趣旨をご理解いただき是非、この経験を持ち帰ってスクールの指導力アップ、チームの発展に生かしてください。
最後に今回の講習会にご尽力いただきました奈良県協会の方々には謝意を述べて終わりといたします。
講習会参加者集合写真 2020.2.23