1月14日(土) 第15節 Honda 26-28 キヤノン

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トップリーグ 第15節
Honda VS. キヤノン

2017年1月14日(土) 14:00キックオフ グラウンド:東大阪市花園ラグビー場
Honda キヤノン
26 FULL TIME 28
19 前半 14
7 後半 14
詳細
(TL公式)

マッチレポート

盛夏の昨年8月26日に開幕したジャパンラグビートップリーグ2016-2017もいよいよ最終節。前節まで1勝13敗勝点6の最下位と結果が出ず、2シーズンでの下部リーグへの自動降格の決まったHondaHEATと7勝7敗勝点33で8位のキヤノンイーグルスとの一戦。キヤノンは長年チームを指揮した永友洋司監督の勇退が前日発表され、何とか勝ち越して花道を飾りたいところ。聖地花園ラグビー場はこの日がRWC2019に向けた改装前最後のトップリーグ・リーグ戦の開催となる。強烈な寒波の到来にも関わらずそれを惜しむように訪れた5,000人近い熱心なサポータの見守る中、HondaHEAT SO10番古屋孝広の風下からのキックオフで開始された。

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先制したのはキヤノン。前半8分に22ml左中間ラックより左ショートサイドに展開、ボールを受けたFB15番ウィリー・ルルーがインゴールにキックを蹴り込み、競り合いに勝ったCTB13番ティム・ベネットが中央で押さえて先制トライ。今シーズン失敗は1回だけと驚異のゴール成功率を誇るSOジャン・クロード・ルースのゴールも決まり0-7と幸先良く先制した。しかしこの日のHondaはトップリーグチームとしての意地を見せる。

Hondaはゴール前5m右のキヤノンボールのラインアウトをスティールしてゴールに迫る。そして14分、ゴール直前右端のラックからFL6番中田晃司が右隅に押さえ5-7とキヤノンを追走する。さらに24分、ゴール直前左中間ラックより№8・8番ミロ・デイヴィッドが左に持ち出し、最後はFL7番デオン・ステフマンが押さえて逆転(ゴール成功12-7)。

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さらに33分、ゴール前5mの左ラインアウトからモールを形成、そのまま押し込み最後は№8・8番デイヴィッドがトライ(ゴール成功19-7)。3連続トライでどちらが上位チームかわからない展開となった。一方のキヤノンも再三Honda陣に攻め込むもののハンドリングエラーなどで得点機を逸していたが前半終了間際の38分、ゴール前30m右ラインアウトからボールを受けたWTB14番橋野皓介が個人技でディフェンスをかわし右中間にトライ、19-14(ゴール成功)とHondaを追い上げ前半を終えた。

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後半も先に得点したのはキヤノン。Hondaゴール前でボールを支配し続けた11分、ゴール前10m中央ラックから左に展開、WTB14番橋野が大きくラインブレイクし最後はフォローしたWTB11番原田季郎が左中間にトライ、SO10番ルースのゴールも決まり19-21と逆転に成功した。その後、両チームともフレッシュな選手入替で活路を開こうとするがお互いに活路を見出せない。

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小康状態の中、後半24分にHonda№8・8番デイヴィッドが反則の繰り返しでシンビン。そしてキヤノンは直後の27分、ゴール前5m左ラインアウトからのモールを押し込みHO2番キャプテン庭井祐輔が左中間に押さえHondaを引き離しにかかる(ゴール成功19-28)。

終了間際の35分、HondaもSO10番古屋のトライ・ゴールで最後の意地を見せるが時すでに遅し。26-28でキヤノンが逃げ切り両チームの今シーズンは幕を閉じた。

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最終的に接戦で、お互いにペナルティやミスの少ない好ゲームだっただけに、HondaHEATは来季、下部リーグへの降格が決まっているものの、この日のような果敢な試合運びで再昇格を目指してほしい。永友監督の勇退に勝利で花を添えた一方のキヤノンもさらに上位チームとの差を縮めるようなチーム作りを期待する。マン・オブ・ザ・マッチは自らも追撃トライを挙げ、逆転トライを演出したキヤノンWTB14番橋野皓輔に贈られた。

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記者会見ダイジェスト

ホンダ ヒート
藤本知明ヘッドコーチ
今日の試合は選手が体を張ったプレーでホンダらしさを見せられた。

天野豪紀ゲームキャプテン
キャノン戦ですべてを出し、楽しんでラグビーをしようと準備してきた。来シーズンは下に落ちるが、今日は来シーズンにつながるゲームができた。

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――今シーズン一番足りなかったことは?
藤本HC
一貫性がなかったし基準が低かった。波も大きかった。

――選手の対応か戦術的なものか?
藤本HC
両方だと思う。安定した力を発揮できなかった。

天野GC
試合開始5~10分、立ち上がりが悪い試合が多かったので修正したい。


キャノン イーグルス
永友洋司監督
シーズンを勝って終わる形をつくってくれた選手に感謝している。2点差分、選手が成長してくれたシーズンだった。

庭井祐輔主将
勝ててほっとした、今シーズン前半、逆転負けの試合がいくつかあったが、今日の試合で勝ち切れたのが成長できた部分。結果には満足していない。『たら、れば』の試合が多かったので来シーズンは勝ちきれるチームにしたい。
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――今シーズンで最後となるが、作り上げたチームはどうだったか?今後ラグビーには携わる?
永友監督
8年間チームを任せてもらい、トップリーグには入れた。頂点に立てず悔いは残るが、みんなで築き上げてきたことはいろいろな方々のおかげ。感謝しきれない。(以前所属していた)サントリーとは全く違う環境で、勉強させてもらい自分も成長した。2019年WCもあるし、4月以降もラグビーには携わっていきたい。

――頂点に立てなかった理由は?
永友監督
組織がしっかりかみ合う必要がある。現場では新しい風が必要だと思う。

(記事:石川 悟、丸井康充)

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撮影者:KRPU 山口勝一