ヤマハ発動機 VS Honda
2018年9月15日(土) 17:00キックオフ グラウンド:ヤマハスタジアム | ||||
レフリー: アシスタントレフリー: |
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ヤマハ発動機 | Honda | |||
34 | 16 | |||
12 | 前半 | 10 | ||
22 | 後半 | 6 | ||
詳細 (TL公式) |
マッチレポート
【小雨の降る戦いはヤマハ発動機が安定したセットプレーで開幕3連勝飾る】
開幕2連勝と調子を上げてきたヤマハ発動機ジュビロと、今季初勝利を目指すホンダヒートとの対戦がヤマハスタジアムで行われた。小雨の降る天候のなかスタジアムには5,024人のファンが集まった。
ヤマハは復帰メンバーと新加入メンバーがヤマハスタイルに上手くフィットするか、一方、ホンダはヤマハの強力FWにどう立ち向かうか、ホンダのキックオフで試合が始まった。
開始からヤマハがホンダ陣に攻め込みゴール前で攻撃を続けるが、ホンダも出足の鋭いディフェンスでトライを許さない。しかし、10分ホンダがペナルティを重ね、LOジョシュ・ベックハイスが反則の繰り返しによりシンビンで退場。ヤマハはそのペナルティのラインアウトからモールを押し込み、HO日野剛志が左隅にトライ。FBマット・マッガーンのゴールは失敗したが、ヤマハが5-0と先制した。
これに対しホンダは、13分にヤマハ陣ゴール前で得たペナルティをSOベイデン・カーが落ち着いて決め、5-3と反撃する。
17分にヤマハは、ホンダ陣22m付近左サイドのラックから右に展開。WTBゲリー・ラブスカフニがホンダのディフェンスラインを突破しゴールポスト右にトライ。FBマット・マッガーンのゴールも成功し12-3と点差を広げた。
この後はヤマハのペースで試合が進むが、ホンダの堅いディフェンスでトライを許さない。
そして31分、ホンダは自陣22m付近のヤマハボールのラックからこぼれたボールを拾い、ターンオーバー。ヤマハは必至に追いつこうとするが、ホンダはパスをつなぎ、最後はFBエイダン・トウアが中央にトライ。SOベイデン・カーのゴールも決まり、12-10と追い上げを見せ、前半が終了した。
後半に入りヤマハはSOをニール・マレーから清原祥に変えて試合再開。
9分ヤマハはホンダ陣ゴール前のラインアウトを起点に連続攻撃、最後は変わったSO清原がゴールポスト左にトライ。ゴールも成功し19-10と点差を広げる。
これに対しホンダは、SOベイデン・カーが後半12分、14分と確実にPGを決め、19-16と追い上げを見せるも、反則を繰り返しペースがつかめない。
それに対しヤマハは、25分に途中出場のCTBヴィリアミ・タヒトゥア、32分にはLOディネスバラン・クリシュナンがトライ。ゴールは失敗するも29-16と点差を広げる。
ホンダは36分、37分立て続けに危険なプレーによるシンビンで退場者を2名出し、体制が揃わない終了間際の39分、ヤマハはCTBヴィリアミ・タヒトゥアが左隅にダメ押しのトライ(ゴール失敗)、34-16と試合を決める。ホンダは41分にも危険なプレーによるシンビンによる退場者を出し、最後まで試合をコントロールできず試合が終了した。
ヤマハはホンダのディフェンスに前半苦しんだものの、後半から出場した選手が活躍。セットプレーでの強みも見せ、開幕から3連勝を飾った。一方のホンダは、前半は出足鋭いディフェンスでヤマハの攻撃を防いでいたが、ペナルティの数が19、イエローカード4枚と反則を繰り返し、結果としてはダブルスコアの大敗。リーグ戦成績は1分2敗となった。
この日のマン・オブ・ザ・マッチは、セットプレーで安定した動きを見せたLO大戸裕矢選手が受賞した。
また、ハーフタイムにはヤマハ発動機の五郎丸歩選手が、リーグ戦最多得点記録(1,205点)の表彰を受け、今季初のホームゲームでの勝利に花を添えた。
(文責:静岡県ラグビーフットボール協会 田代俊彦)
会見レポート
Honda HEAT
ダニー・リー監督
今日の試合は、最終的には残念な結果となってしまいました。
ボールの獲得に苦労し、最終的にチームのボール保有率は25パーセント、また、イエローカードが合計4枚出たということも、ゲーム展開が不利となる要因となりました。
最後の最後までハードワークしたプレーヤーを誇りに思いますが、ゲームを通じて、最後までチームを勢いづけられなかったことも事実です。
ただ、まだ4ゲームを残していることは幸運だと思っていますので、来週を楽しみにしていますし、また頑張りたいと思います。
小林亮太キャプテン
雨の中、このような良いグランドでプレーさせていただいて感謝しています。
ヤマハさんは、セットプレーに自信を持っているので、チームとしても、また、個人的にも自分はフォワードであるため、特にフォワードのところで負けないように準備してきたこともあり、前半は良い戦いができたと思います。
後半は、僕らがボールを獲得して、ボールを展開したいと考えていましたが、ヤマハさんがやりたいようなスローなテンポで、相手のペースで試合運びされてしまい、このような結果となってしまいました。
ただ、試合前に自分達がやろうとしていたことはできたので、このことは今日の試合の収穫として持ち帰って、来週しっかり勝てるよう、良い準備をしていきたいと思います。
本日は、どうもありがとうございました。
――試合中、レフェリーとの会話が多かったように見受けられた。特に後半は、イエローカードが重なったりもした。この辺り、レフェリーとのアジャストは難しかったのか?
小林キャプテン
僕達はレフェリーに従うだけです。自分達は正しいプレーをしようということを皆に言い聞かせていましたが、それを徹底できなかった、コントロールできなかったということが、ペナルティやイエローカードに繋がったと思います。
――そういった反則等を除けば、今日の試合で、自分達の中で十分な手応えを感じたものはあったか?
小林キャプテン
イエローカードが出て3人少ない状況になってしまい、人数が揃っていればもう少し違う展開になったとは思いますが、そこはどうこう言うことではありません。そこの部分は、自分達でしっかりとフォーカスを当てて、次節以降は起こらないよう、規律を守ってプレーしていきたいと思います。
――ラインアウトからモールを組まれるシーンが結構あったと思うが、どのように止めようと考えていたのか?
小林キャプテン
モールを組んでくることは分かっていましたし、ヤマハさんの持味でもあるのですが、僕達もしっかりと対策して、自分達がやりたいようなディフェンスはできたと思います。
今日は、モールから2本くらいトライを獲られましたが、そこは、自分達がやりたいようなディフェンスができなかったり、自分達はいけると思ってディシジョンしたプレーが反則になったりしたことによるものです。
全体的には、自分達がやりたかったディフェンスができて、個人的には、相手の勢いを殺せたのではないかと思います。
ヤマハ発動機ジュビロ
清宮監督
対戦前の想像とは違った試合内容となりました。
復帰してきた選手がしっかりと活躍してくれた一方、今日新しく入ったメンバーは少しフィットできず、本人達も不完全燃焼だったと思います。
ただ、結果的には、ボーナスポイントを獲得、勝利して次の試合に進めることから、今日の試合はポジティブに捉えたいと思います。
堀江恭佑キャプテン
僕自身も久々の実戦で、実際に中でプレーしてみると、外で見ている以上に色々とうまくいかないことが多かったのですが、監督の言うとおり、しっかりと勝って、三連勝で次に進めることが何よりだと思います。
来週のパナソニックさんは、もっともっとレベルアップしないと、今の状態では厳しいと思いますので、一週間しっかり練習して準備したいと思います。
――想像していた内容とは違った試合となったということだが、具体的には?
清宮監督
先週までのホンダさんの戦いぶりを見ていると、もう少し、点を取る作業は苦労しないと思っていました。
先週までのホンダさんとは異なり、今日は、接点で強くプレッシャーをかけてきたということと、前に出るディフェンスの動き、この2点によりヤマハのアタックが消されてしまったということが、想像と違ったところです。
――後半早々、10番をニール・マレー選手から清原選手に交替した理由と、清原選手の評価は?
清宮監督
元々、今シーズンは、チーム内の競争の結果、清原が10番のユニフォームを着るべくして開幕2試合のポジションを獲ったわけです。
ただ、この試合で、チャレンジャーのニール・マレーにもチャンスを与えておかないと、この先は無いと思いまして彼を使ったのですが、少し残念でした。おそらく、彼自身も思ったようなプレーができなかったと思いますし、雨で滑るグランドコンディションということもあったのですが、ちょっとフィットしていなかったということが替えた理由です。
――先週はセットプレーがうまくいかなかったと思うが、今日はラインアウトからもトライを獲れていた。今日の評価は?
清宮監督
日替わりで課題が出てきますが、先週のラインアウトの課題は、今週は大戸が復帰したことで、しっかりと改善され良かったと思います。
今日は、試合終盤のスクラムトライを狙うべきシーンで、メンバー15人中14人全員がスクラムトライを狙うのだろうと思っていたら、1人、スクラムハーフの吉沢だけが、堀江にサイドアタックをしろとコールして、堀江がボールを持ち出したのですが、何をやっているんだというシーンですね。おそらく、会場のファンの方達も、きっとスクラムトライを狙うのだろうと思っていたら、すっかり裏をかかれてしまったというシーンで、残念でした。
――前半の序盤、相手ゴール前5メートル付近のモール等、トライを決めきりたいところでなかなか決めきれなかった場面があったと思うが、それは、Hondaのディフェンスが予想以上に良かったのか?それともヤマハとして、やるべきことができなかったのか?
堀江キャプテン
前半、5メートルに入ったところで、かなり長い時間攻め続けていました。
僕らのボールキャリアや2人目のサポートの問題もあったりして、攻め方については、もっとうまくできたのではないかと思います。
ただ、Hondaさんのディフェンスの圧力は、想像以上に厳しかったです。
――短期決戦の中で、ホームの試合で開幕3連勝を勝ちとって、次のパナソニック戦に臨むこととなった。3連勝の意義と次節に向けた意気込みは?
清宮監督
ここまでの結果はさて置き、次の試合に勝つことだけを考えて、一週間準備をしていきたいと思っています。
堀江キャプテン
優勝までの道のりは、かなり険しいと思っています。
来週のパナソニックさんとの試合に向けて、一週間という限られた時間の中で、セットプレーや22メートルラインに入ったところでのアタックなど、改善すべきところはいっぱいあるので、ぶれずに、自分達のラグビーの質を上げていきたいと思います。
(文責:静岡県ラグビーフットボール協会 瀬尾知繁)