9月8日(土) Honda 19−19 キヤノン

ジャパンラグビートップリーグ2018-2019第2節
Honda VS キヤノン

2018年9月8日(土) 17:00キックオフ グラウンド:三重交通Gスポーツの杜鈴鹿 入場者数:ー 天候:ー
レフリー:ー
アシスタントレフリー:ー
Honda キヤノン
19 19
7 前半 10
12 後半 9

マッチレポート

暑さの残る9月初旬。試合開始30分前まで雨が降り続き肌寒さも感じる三重交通Gスポーツの杜鈴鹿にてトップリーグ第2節が開催された。前節を惜敗し本拠地で必ず勝ち星を挙げたいHondaHEATと激闘の開幕戦をものにしてこのまま勢いに乗りたいキヤノンの顔合わせとなった。

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キヤノンのキックオフで試合開始。スクラムで圧をかけ開始後から攻勢をかけるキヤノンに対し、鋭いタックルで攻撃を凌ぐHondaHEATという構図となった。
拮抗する試合を打開しようと前半8分キヤノン10番田村がハーフライン付近からドロップゴールを狙うもポスト直撃でゴールならず。

その後もHondaHEATの粘り強いディフェンスで試合は動かずそのまま11分が経過する。前半12分30mのペナルティーキックをキヤノン10番田村が決め、3点を先制し試合が動き始める。
HondaHEATが相手のミスから連続攻撃を仕掛けこの試合初めて敵陣22mまで攻め込むもミスから攻めきれず相手にボールを渡してしまう。

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その後キヤノンも10番田村のキックから敵陣ゴール前10mまで攻め込むもノックオンのミスから掴みかけた流れを自ら逃してしまう。両チームとも重なるミスから流れを掴めず試合は進んでいく。

試合が動いたのは前半23分。キヤノン10番田村のキックパスから攻撃の流れをつかんだキヤノンが敵陣22m以内まで攻め込む。左展開でボールを動かし10番田村がライン裏に抜けたところを6番フィナウがボールをもらい、そのままこの試合初めてのトライを奪う。

反撃に出たいHondaHEATも14番レメキの突破から敵陣深くまで攻め込むもパスがつながらずチャンスを逃してしまう。前半30分にはHondaHEATの10番に代わって入った22番朴が35mのペナルティーキックを狙うもゴール左に外れて不成功。その後も14番レメキを中心に攻勢を仕替えるHondaHEATだったがミスからチャンスを掴めず試合は流れていく。

また前半36分には10mライン左付近でペナルティーを得たHondaHEATだが22番朴がゴールキックを外してしまい得点ならず流れを掴めない。しかし前半終了間際に敵陣10mラインのラックから右サイドに展開したHondaHEAT。14番レメキにボールが渡り巧みなステップで相手を抜き去り右サイドライン側を30m走り切り右中間にトライを奪い返す。22番朴がゴールキックを成功させ前半を7対10で折り返した。

後半のスタートはHondaHEATの攻勢から始まった。ボールを保持してグランドを広く使った連続攻撃を仕掛けるHondaHEAT。その攻撃を粘り強いデフェンスで凌ぐキヤノンという前半とは異なった構図でゲームが動き始める。敵陣深くまで攻めるもノックオン、ラインアウトも奪われ攻めきれないHondaHEATと相手ミスからチャンスを伺うキヤノン。流れを掴もうと両チーム選手の入れ替えを行う。

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後半16分にHondaHEATの10番朴のハイパント攻撃から相手のこぼれ球を拾い左に大きく展開し、8番トマシのラインブレークから23番クリンドラニのサポートからボールをつなぎ再び8番トマシにボールが渡しそのままトライし逆転。
そのまま流れを掴むかに思われたHondaHEATだったが後半21分に入れ替えで入った20番マパカイトロが反則の繰り返しによりシンビン。キヤノンの10番田村に代わり22番のゼイリンガがペナルティーゴールを決め12対13と再逆転する。

さらに後半28分に22番ゼイリンガがペナルティーゴールで追加点を挙げ引き離しにかかる。流れを引き戻そうと14人のHondaHEATだったが、反則を繰り返してしまい陣地獲得できず。そして後半34分に敵陣22m付近でペナルティーを得たキヤノンは22番ゼイリンガがこの日3本目となるペナルティーゴールを決め得点を19点とする。

日が落ちても蒸し暑いピッチコンディションの中、負傷者が増えるHondaHEATだったが後半終了間際に意地を見せる。ジワリジワリと敵陣深くまで攻め込みスクラムの反則から速攻を仕掛け右に大きく展開したところをHondaHEATの14番レメキが右隅に飛び込みトライ。2点差に迫ったトライ後のールキックを22番朴が決めて引き分けでノーサイド。

劇的な幕引きとなった今試合。短期決戦の今年のトップリーグを象徴するかのような白熱した熱戦となった。MOMはHondaHEATの14番レメキが選ばれた。


会見レポート

キヤノンイーグルス
アリスター・クッツエーHC
我々はこのゲームで大変多くのミスをしてしまった。選手達の努力や頑張りは誇りに思うし2ポイント取れたことは良かったが、ミスについては非常に残念に思う。特にプレッシャーのかかっていない状態でのミス、そしていくつかあったチャンスを物にできなかったことも残念に思う。相手チームがこの結果に大変喜びを表していたのを見ると、相手に自信を与えてしまった。この経験から大切なことを学び、何かしら得るものを持ち帰りたいと思う。

嶋田直人キャプテン
先週良いゲームができ、今節も大事な試合として位置付けて今日のゲームに臨んだが、ミスとペナルティーが多く自分たちのリズムに乗り切れなかった。このミスが相手のスコアに直結したと思う。自分たちに矢印を向けて次節の準備をしたい。

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Q何を準備して、何ができて何ができなかったのか。
クッツエーHC
雨のコンディションのゲームを予想し、競り合うキックを使ってゲームを組み立てていくつもりだった。しかしその競り合いでのチャンスを物にできなかった。また、自分たちのシステムを作っていくことに対して我慢ができなくなってしまい、最終的には泥臭いゲームになってしまった。レメキ選手は非常にいい選手で、彼に対ししっかりと人数を揃えてタックルに行くつもりだったがそのタックルをミスしてしまい、彼をさらに良いプレーヤーに見せてしまった。こういう試合はラグビーではよくあることだが、ここから学んでいきたい。ただ、負けなかったということをポジティブに受け止めていきたい。

Qセットピースの手応えはどうだったか。
嶋田直人キャプテン
スクラムもラインアウトも「いける」という自信は持てた。セットピースに関しては良かったと思うし、チームとして自信にできる部分だと思う。


HondaHEAT
ダニー・リーHC
HCとしてはとてもハッピーな引き分けだったと思う。チームとしてはできるだけ長くハードワークを続けなければいけないが、最初の15分間にそれができなかった。自分たちが自身にプレッシャーをかけてしまったことは一つ大きな課題だと思う。自分たちの作ったごく小さな瞬間をキヤノンさんに付け込まれてしまった。ただ、ホンダの選手達が80分間プレーし続けてくれたことは嬉しく思う。フラストレーションを感じた部分を言うとすれば、それは、勝てた試合だったと言うこと。ただ、自分たちがどのくらいの位置にいるかと言うことも分かってきた。これを次につなげて勝ちきることが次にやらなければいけないことだと思う。いいステップになった。

小林亮太キャプテン
先週の試合の反省を活かしてセットプレーの部分はフォワードとして意識して臨んだ。その結果、先週の試合よりもレベルアップさせることができたと思う。ただ、HCの言うように勝てた試合だったと思うので、次の試合では流れを掴む小さなポイントを自分たちに持ってこられるように、ハードワークして準備したい。今日は本当にありがとうございました。

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Qシンビン中に3PGを決められた時にキャプテンはどんな話をしたか。
小林キャプテン
一人いないと言う状態なので、時間を使うプレーを選択しようということとDFでしっかりハードワークしてプレッシャーをかけていこうということを話した。ペナルティについては反省している。

Q徐々に点差を広げられていくときの心境は?
小林キャプテン
まだいけるというポジティブな気持ちでいられた。しっかりと自分たちの役割を遂行していこうと考えていた。

Q今日はどういった指示で試合に臨んだか。
ダニー・リーHC 
先週から立ち直り、自分たちのレベルを上げていくこと。セットピースでボールを確保できればキヤノンにプレッシャーをかけることができるということは自分たちの中にあった。ただ、そのプレッシャーをかけきれないシーンが前半にあったと思う。

Qレメキと朴の評価は?
小林キャプテン
レメキは特別なプレーヤー。彼にはボールを長く持っていて欲しい。他の14人のしっかりしたプレーによってこそ彼のいいプレーが生まれている。朴にとっては5本中2本という成功率でキックの部分であまりいい1日にならなかったのではないか。しかし、最後のゴールキックについては、とても嬉しい気持ちで一杯だ。

(マッチレポート:石川、諏訪、会見:山中、写真:萩原)

 

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萩原康夫