1月31日(土) ワイルドカードトーナメント サントリー 対 リコー
2015年1月31日(土) 14:05キックオフ グラウンド:近鉄花園ラグビー場 | ||||
レフリー:原田隆司 (日本協会A) アシスタントレフリー:松岡辰也 / 橋元教明 / 立川誠道 |
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サントリー サンゴリアス |
リコー ブラックラムズ |
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42 | FULL TIME | 14 | ||
28 | 前半 | 0 | ||
14 | 後半 | 14 | ||
詳細(TL公式) |
◎レポート
ワイルドカードトーナメント1回戦で近鉄を下したサントリーサンゴリアス、対するリコーブラックラムズはグループAのNTTコミュニケーションを僅差で下し勝ち上がった。寒空に風花が舞う近鉄花園ラグビー場、サントリーが風上を選択、リコーのキックオフで前半が開始された。
サントリーは3分、10mL左中間ラックから右展開しSOトゥシ・ピシがループプレーでリコーのディフェンスを崩すと、BKが繋ぎ最後はFB有賀剛が左中間にトライ、ゴールも決まり7-0と先取する。続く11分にも、サントリーはSHフーリー・デュプレアのキックパスを左WTB村田大志がとり、ゴール前10m左隅ラックから右展開、SOピシが密集の中へ内に切り込みタックルを外し左隅にトライ、ライン際の難しい位置からのゴールも自ら決め14-0と引き離す。
勢いづくサントリーは、16分にもゴール前10mで得たPKから攻め、ポスト左5mラックから右にパスアウトするとSOピシが鮮やかなステップで抜き去り中央にトライ、21-0とさらにリードを拡げる。このまま引き下がるわけには行かないリコーは、前半の中盤、スクラムのターンオーバーから右ライン際を繋ぎサントリー陣内に、ラックから展開しFBピータース・ダニエルがゴール前まで迫る。
しかし、サントリーは強固なディフェンスでゴールを割らせず、ピンチをしのぎ切る。試合の流れを支配したサントリーは、前半終了間際の39分自陣10mLから右展開、SOピシが個人技でライン裏に出て左展開。最後はSHデュプレアが左中間にトライ、前半終了のホーンが鳴った後、ゴールも決まり28-0。連続攻撃で得点を重ねたサントリーが大きくリードし、リコーに得点を与えず前半を終える。リコーは、サントリーハーフ団の攻撃の芽を摘み、早い時間で得点をあげることが後半の課題となる。
後半風上に立ったリコーは、サントリー陣内でボールを支配し攻撃を続けるが、なかなか得点に至らず、刻々と時間が進む中、ようやく10分、ゴール前5mポスト左のスクラムから6番左FLマイケル・ブロードハーストが№8のポジションに入り、SH山本昌太への8-9プレーが決まりSH山本が中央にトライ。FBダニエルがゴールを決め28-7と詰め寄る。
続けてリコーが得点を重ねるのが後半の興味であったが、得点を挙げたのは逆にサントリー。リスタートからリコーがミスを犯しサントリーは12分、ゴール前10m右中間スクラムからを押し左展開、ピシが内に切り替えし右WTB中鸖隆彰が走りこんで中央にトライ。
19分にも自陣15中央ラックから左展開、ピシが内にリターンし中鸖がビッグゲイン。ピシ・有賀とつなぎゴール直前タックルで倒されるが、ピシが拾い上げこの日3本目のトライ。ピシがこの試合全ゴールを決め42-7で試合の趨勢を決める。
リコーの反撃が期待される中、34分に途中出場の19番カウヘンガ桜エモシが巨漢を活かしてポスト右にボールを持ち込む。TMO判定の結果トライが認められ、ゴールも決まり42-14とするがここまで。
グループA5位のサントリーは日本選手権での優勝経験もあり、試合巧者らしく常に試合の流れを掴み、チームの持ち味を存分に出し大差でリコーを下した。勝利したサントリーはワイルドカードトーナメント上位枠で日本選手権出場権を得、大学選手権準優勝の筑波大学との対戦に挑む。
(会見ダイジェスト)
リコーブラックラムズ 神鳥裕之 監督
「両チーム多数の応援の方々の前でプレーできたことに、まず感謝申し上げます。今日はチャレンジャーという立場で、相手を何とか焦らす、慌てさすというゲーム展開でチャンスを見出したかったが、前半の入りの部分、風下でスコアを開けられてしまい勝利に結びつける試合展開ができなかった。本当に悔しく思います。サントリーさんの強みを十分に感じて、われわれの力不足を感じる試合でした。だが、1年間選手たちはよくやってくれました。目標としていたAリーグに行けなかったセカンドステージから6勝1敗という結果を残して、本日のチャレンジに繋げてくれたことに感謝しています。悔しい結果になったが、この1年間に築いたベースを来年ビルドアップしてもう一度チャレンジできるチームにしていきたい。1年間どうもありがとうございました。」
――サントリーのSO(トゥシ・ピシ選手)に走られる場面が多かったが?
「相手のハーフ団が外国人だということはメンバー発表の時点で分かっていたので、その2人を自由に動かせないように前にプレッシャーをかけるような準備はしていたが、やはり、ファーストタックラーのクオリティーが悪かった。それが相手のアタックに勢いをつけさせてしまったことが、一番の要因かなと思っています。」
山本昌太 ゲームキャプテン
「まず、本日は沢山の観客の皆さまの前でプレーできたことを大変うれしく思います。試合に関しては、前半の最初がすべてかなと感じています。風下のエリアで我慢しなければならない状況であったにも関わらず、簡単に相手にスコアを重ねられたというところがすべてです。しかし、シーズン通して成果や課題が出たのでしっかり反省して、来シーズンを迎えたいと思います。」
サントリーサンゴリアス 大久保直弥 監督
「寒い中、本日はありがとうございました。前半のスタートから一人一人が自分の仕事を果たしてくれた。今シーズン一番というくらいのサントリーらしいゲームができたと思います。これで日本選手権のタイトルを獲る権利をいただけたので、引き続き負けたら終わりのトーナメントなので、持てる力をすべてこの日本選手権にぶつけたいと思います。」
――プレーオフ(4強)を逃して、ワイルドカードへの対策は?
「30週以上やってきているので特別に何かというものが加わることがない中、今週に限って言えば選手たちが自発的に全体やポジション毎も含めてミーテイングし、本当に『日本選手権を目指す』勝ちたいという意欲を持った選手たちの勝利だと思います。」
――日本選手権1回戦、筑波大学への対策と印象は?
「今は1戦必勝でやっているので、東京に帰ってから準備をします。印象としては、個人でポテンシャルのある選手が何人かいる。大学生相手だからということではなく、自分たちの強みをしっかり出していくことに集中していきたいと思います。」
真壁伸弥 キャプテン
「今週1週間、メンバーもメンバー外も本当にいい準備ができた。また、1週間しっかり準備をして日本選手権1回戦を突破していきたいと思っています。」
――相手は下位から勝ち上がり、勢いのあるチームであったが?
「最初の10分、サントリーにとって大事な時間なので、ここをしっかりボールキープして自分たちのラグビーができるよう臨みました。ここを集中できたから、80分間しっかりできたと思っています。」
――筑波大学戦への対策と印象は?
「対策と印象は監督と同じですが、個人的には大学時代、筑波大学さんに勝っていないのでしっかり勝ちに行きたいと思っています(笑い)」
(記事:山林右二、蜷川善夫、高橋茂治 写真:山口勝一、前田寛文 広報担当:村島博)